香典に包む金額には、故人との関係なども考慮した相場が存在します。この記事では香典に包むべき金額の相場や、タブーとされている香典に包んではいけない金額などを解説。香典の地域差についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
葬儀は、日本で古くから行われてきた、故人を供養するための儀式です。しきたりを大切にする日本では、葬儀にも多くのマナーが存在します。初めて参列する場合、事前に調べておかなければマナー違反をしてしまう可能性が考えられるでしょう。
この記事では特に気をつけるポイントの多い香典について、包むべき金額や包んではいけない金額など解説をしていきます。
ぜひ最後までご覧いただき、葬儀に備えましょう。
香典で包んではいけない金額とは
葬儀へ参列する際、香典を包む金額にはタブーとされている事柄が存在します。
香典の相場の範囲だとしても、包んではいけない金額は避けるようにした方が良いでしょう。
まずは、いくらを包んではいけないのかを解説していきます。
それぞれ包んではいけない理由も解説しますので、併せて覚えておくと良いでしょう。
割り切れる金額
一般的に香典は割り切れる金額にしない、つまり偶数を避けることがマナーとされています。
例えば2万円を包んだ場合、割り切れてしまうことから、故人との縁が切れてしまうことを暗に意味します。
これは葬儀だけでなく結婚式などでも同様に捉えられるため、お金を包む場合は奇数にすることを心がけましょう。
中には偶数でも気にしないという方も居るかもしれませんが、奇数にしておいた方が誰にたいしても失礼にならないので無難と言えます。
忌み数の金額
数字の中には忌み数と呼ばれる数字が存在します。
具体的には4や9のことで、これらの数字は4は死を、9は苦を連想させます。
このことから、忌み数の4や9を含んだ金額を香典として包んではいけないとされる風習があるのです。
こちらも葬儀の香典以外でも同様のことが伝わっていますので、縁起を気にする日本において忌み数は避けた方が良いでしょう。
もちろん忌み数に関しても、関心がない人も居るとは思いますが、一般的に避けるべきとされている数字なので、香典に包む金額としては適切ではありません。
香典の相場はどう決まる?
葬儀に参列する際、香典を包むことは知っていても、その金額の相場を知らずに慌ててしまうケースも多いです。
香典の相場は一律決まっているわけではなく、故人とどのような関係だったか、自分の年齢がどの程度かといった要因で変化します。
具体的にどの程度の金額を香典に包めば良いのか詳しく解説していきます。
故人との関係性で変わる
香典の相場は故人との関係によって大きく変動します。
一般的に、個人との関係が近いと高額になり、離れるほど低くなる傾向にあります。
わかりやすく表でまとめましたので参考にしてください。 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 |
両親・義両親 | 50,000円 | 50,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
祖父母 | 10,000円 | 30,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
兄弟・姉妹 | 30,000円 | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
親族 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
友人・知人 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
上司・同僚 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 10,000円 |
部下・後輩 | 5,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
まず親族でない場合、通常は3000円から1万円程度を包むことになります。
遠い親戚の場合は3000円から3万円程度になります。
叔父や叔母などの場合は1万円から上限は3万円程度まで、祖父・祖母なら1万円から5万円が相場です。
兄弟姉妹の場合は3万円から5万円が相場になり、両親のケースが一番高く3万円から10万円が相場となっていきます。
もちろん相場ですから、そこから外れた金額ではいけないという事はありませんが、基本的にはこの範囲で香典を包むのが良いでしょう。
自分の年齢で高額になることも
一般的に香典で包むべき金額は年齢で変動します。表の通り、年齢が高くなるほど、香典の金額も上がります。
収入が比較的少ない若いうちは、相場の範囲で低めの金額を包んだとしてもマナー違反とはならないでしょう。自分の年齢と故人との関係性を鑑みて香典の金額を決めることが大切です。
香典を包むときの注意点
次に、香典を包む際に注意しなければいけないポイントを解説します。
・新札を包んではではいけない
・相場よりも高い金額を包んではいけない
・お札の枚数は最小限にする
以下の項目で詳しく解説します。
新札を包んではではいけない
香典を包む際のマナーとして、「香典には新札を包んではいけない」ことが挙げられます。
もし手元に新札しかない場合、折り目をつけてから香典として包めば問題無いでしょう。
通夜や告別式は突然のことであり、新札を香典とすると亡くなることを予測していた、あるいは準備していたと捉えられてしまう可能性があるため、新札は避けることがマナーとなっています。
相場よりも高い金額を包んではいけない
香典のマナーとして、「相場よりも高額を包んではいけない」ことが挙げられます。
受け取る側からすると、香典返しの際に困ってしまうため、マナー違反となってしまうのです。
香典には義理返しという考え方があり、受け取った香典に応じて同程度の金額でお返しをするため、高額すぎる香典は負担となってしまいます。
そのため、金銭的に余裕があり、故人に対しての想いが強い場合でも、香典に包む金額は相場の範囲内に納めるべきでしょう。
お札の枚数は最小限にする
香典に包むお札は、その金額の最小枚数になるようにしてください。
例えば5000円を包む場合に1000円札を5枚にするのではなく、5000円札を1枚にして包みましょう。
枚数が多い状態だと、受け取った側が香典の金額を数える際に負担となってしまいます。
香典袋は包む金額や宗派によって使い分ける
香典袋にも種類が複数あり、包む金額や宗派によって異なるため、故人の宗派も事前に確認しておきましょう。
香典の金額が1万円以下の場合、水引は印刷されたもので問題ありません。
5000円以上の場合は藍銀の水引が印刷されたものが良いでしょう。
1万を超える香典は本物の水引をかけたもので黒白、5万円以上になる場合は双銀の水引を選びます。
水引の形は結び切りの物を選びましょう。
ちなみに宗教によって表書きは変化するので、神式は御霊前、浄土真宗は御仏前、キリスト教ではお花料となることも覚えておきましょう。
香典に2万円を包むのはおかしい?
結論から言うと、2万円でも厳密にはマナー違反とはなりません。
一般的に香典は割り切れる数字を避けるため、2万円を包むのは少し抵抗があるかもしれませんが、故人との関係や相場を考えると金額としては2万円が妥当というケースもあるでしょう。
2万円を香典に包む場合、工夫すればマナー違反とはなりません。
以下の項目で詳しく確認していきましょう。
2万円を包むなら工夫が必要
1万円札が2枚の香典では、2枚が重なることから、「不幸が重なる」といった印象の悪さを与えてしまいます。
その場合は、例外的に1万円札1枚と5000円札2枚という組み合わせにすることで対応可能です。お札の向きと表裏は揃えるようにしましょう。
肖像画は裏側にして袋の底側になるように入れてください。
2万円を包むときの香典の書き方
香典に2万円を包む場合は、書き方にも注意しましょう。
まず前提として、2万円に限らず香典袋には包んだ金額を記載します。
基本的には他の金額と同様に書けば問題ないのですが、香典に包んだ金額を書く場合に2万円であれば「金弐萬円」と書くようにしましょう。
横書きの場合は20,000円という表記でも失礼にあたりません。
香典の包んではいけない金額は地域によってかわることも
香典は基本的に相場の範囲内で、縁起の悪い数字を避けて包むことが基本ですが、地域によって異なることがあります。
例えば、香典の相場も関東近辺では両親が亡くなった場合は10万円を包むのが一般的ですが、北海道や沖縄などの地域では5万円が一般的となっています。
このように地域によって変動する部分もあるため、遠方で葬儀に参列するケースなどでは気を付けておいた方が良いでしょう。
また、金額以外にも関西一部地域などでは水引の色が黄白の地域があり、このように地域によって異なる部分があるため事前に調べておくことをおすすめします。
まとめ
紹介してきたように、香典には一般的に故人との関係性や、自分の年齢によって包むべき金額の相場が存在します。
相場の範囲内で、偶数や忌み数といった包んではいけない金額を避けつつ、香典の金額を決めていきましょう。
香典の金額は難しく考えがちですが、相場やマナーを知っていれば、おのずと金額も決まっていきます。
ただし、地域によって相場が変化するケースもあるため、自分が参列する葬儀がどの地域で行われるのかなどの情報も併せて考えましょう。