故人が亡くなった後、遺族は葬儀の日程を決めたり相続の相談をしたりやらなくてはいけないことがたくさんあります。なかでも大変なのが「遺品整理」です。大きな家に住んでいるほとほど遺品が多く、自分たちだけで行うには根気が必要になるでしょう。
そこで、遺品整理の方法や業者に頼むときの注意点などを細かく解説します。
遺品整理っていつから始めるの?
一般的には葬儀や四十九日が終わってから遺品整理を始めます。
相続手続きの目途がたったり完了した後から始める方も多いですが、正式に始める時期は決まっていません。しかし、中には亡くなった方が賃貸物件に住んでいたという方も多くいらっしゃいます。そんな方は1日も早く解約しなければ賃料が発生するため、早めの遺品整理が必要です。心の整理が出来ないまま、遺品整理を始める場面もありますが、お金が発生する場合はなるべく早めに取り掛かると良いでしょう。
遺品整理を家族だけでやるのは大変?
家族だけでの遺品整理は大変なのでおすすめできません。
核家族化が進む日本では、故人と遺品整理を行う遺族が同居していることが珍しくなってきました。同居していないと何がどこにしまってあるのか見当がつかなかったり、いるものといらないものの仕分けだけでも莫大な時間を要します。
特に一軒家だと遺品も多く、場所も家から離れていればさらに大変です。自分の時間を割いてまで遺品整理をすると心身共に辛くなってしまうことも多いので、なるべく専門の会社に委託するのが好ましいです。
思い出の品が処分しづらい
遺品に故人の思い出がたくさん詰まっています。
本人がいないと何を処分して何を残せば良いのか判断できなくなり、状態では遺品整理が一向に進みません。
中には仏壇や故人の思いの詰まった品物など処分の仕方が判らないものも出てきます。
作業の進行を妨げるものが多くて進まないのが遺品整理です。
遺品の量が多い
一般的な一戸建て住宅の場合、4トントラック3台分の遺品が出てくると言われています。
特に、人間は歳を重ねるごとに思い出の品や物が増えていき荷物がどんどん増えて、さらに判断力の衰えから捨てて良いものと残すものの判断が鈍くなりがちです。
結果、遺品整理する遺族は遺品の量に圧倒されて、何から手を付けていいのかわからない状態になるでしょう。
本人がいないと仕分けが難しい
遺品の中には本当に不要ものと金銭的に価値があるもの(資産)が混ざり合っています。
本人が生きていれば確認しながら整理できますが、亡くなった後だと遺品に対する判断ができないです。
ひとつひとつ残された遺品をチェックしながら、判断していくには莫大な時間が掛かりますし、後になって捨てたものが希少価値の高い高額商品だったなんてトラブルは避けたいですよね。
そうなと、やはり専門の人にお願いするほうが良いといえます。
遺品整理を業者に依頼する場合
専門の業者にお願いするメリットは、短時間で間違いのない遺品整理ができることです。
遠方の方や忙しくて時間の無い方、故人が賃貸に棲んでいてスピード性を求められる方におすすめの手段で、遺品の仕分けや廃棄だけでなく、ハウスクリーニングなどの専門的なサービスを依頼することもできます。
業者の種類
遺品整理をお願いできる業者は大きく分けて2つ存在します。
一つは不用品回収業者です。
「不用品の回収・廃棄」に特化しており費用が安いのが特徴です。
ただし、全ての遺品をゴミとして扱うため仕分けがなく、思い出を大切に扱うこともありません。思い出をあまり持ち帰らない人におすすめです。ただし、一般廃棄物処理業許可を受けていない不正業者も多いので注意しましょう。
もう一つは遺品整理業者です。
「遺品」として扱いや仕分けだけでなく、品物の分類や査定・買取、探し物の捜索をまで手伝ってくれます。
こちらは整理の専門業者が多く、専門的な知識を得ている人が多いです。そのため、不用品回収業者に比べると、きちんとしています。
ただし、全ての業者がルールのなかで営業しているわけではないので注意しましょう。
費用相場
遺品整理の金額は部屋の広さと遺品の量によって決まり、建物の状況や立地条件でも異なってきます。
遺品を回収するトラックをそばに停められる一軒家よりエレベーターで運び出すマンションの方が手間は掛かるので高くなる傾向です。
1R・1Kで1~2名の作業員が1~3時間で作業した場合の相場は30,000~80,000円。
3DKで3~7名の作業員が4~10時間で作業した場合の相場は170,000~500,000円となっています。
作業の費用には不用品の回収・処分、仕分け、貴重品の捜査、買取品の査定、合同供養、作業後の清掃が含まれます。
具体的な金額を知りたい方は業者に問い合わせて見積もりを作成してもらうのが良いでしょう。
遺品整理を業者に依頼するのは注意も
遺品整理業者の中にはごく一部ですが悪徳な業者も含まれます。
遺品整理士という資格をご存じでしょうか?
一般社団法人遺品整理士認定協会が発行している資格で、遺品整理にふさわしいものだけが持てる資格となります。
この資格保有者が在籍している遺品整理業者であれば、安心して依頼ができます。
また、その業者の持つ許可書のチェックも大切です。一般廃棄物収集運搬業許可、古物商許可や一般貨物自動車運送事業許可を持つ業者を選ぶとより安心でしょう。
悪質な業者によるトラブルが多発
遺品整理を業者に依頼すると、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
大切な遺品を手荒く扱われるだけでなく「予定より遺品が多かった」「仕分けする商品が多かった」など、後から高額な追加料金を請求されることもあるでしょう。
そういったトラブルがないように、見積もりを取るときは、不明な点や使い料金についてきちんと話聞いたり、念のため見積もりに金額を記載して貰ってください。
必ず、どの作業にいくらかかるのかという詳細なものを取るとより安心です。
遺品を転売されるケースも
遺品の中には高額なものも含まれます。故人にしか価値の判らないものが多数紛れ込んでいるため、中には価値が無いものと仕訳けて後から転売する悪徳な業者も存在します。
ワザと安い価格で査定してから転売する業者も存在するようです。そもそも、遺品整理業者の主な仕事は遺品を整理することで、遺品の鑑定に関しては深い知識が有りません。
もし、骨董品や貴金属、時計などの遺品が多い場合は専門の買取業者に相談することをおすすめします。
遺品整理をするなら葬儀社に相談すれば安心
一般的に遺品整理は葬儀が終わってから始めるものです。
お葬式をお願いした葬儀社の対応が良く、信頼できる場合は葬儀社に遺品整理業者を紹介してもらうのが良いでしょう。
アフターサポートが充実している葬儀社は、必ず遺品整理業者と繋がりを持っています。
下手な業者を紹介すれば本業である葬儀に対して信用を失いかねないため、葬儀社はお客様にいい加減な業者を紹介することはまずありません。
葬儀業者のスタッフが実際に作業現場を確認し、遺品整理業者とも必ず面談していたり、実績を確認して信頼できる業者であると判断してから提携しています。
葬儀場の紹介という事もあり、見積もりは無料の場合が多いのでおすすめです。
まとめ
思い出の詰まった個人の大事な遺品整理を知らない業者に任せるのは不安も大きいと思います。
しかし、自分たちだけで遺品整理をすることが難しい場合は信頼できる遺品整理業者に委託するほうが時間もお金も節約になるでしょう。
雅葬会では、葬儀だけでなく遺品整理のサービスも承ります。
葬儀後の遺品整理はもちろん、生前に行う生前整理もできます。
通常の整理・清掃はもちろん、特殊な汚れも追加料金で清掃が可能なので、気軽にご相談ください。