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葬式の花輪の値段相場はどのくらい?贈り方やマナーと合わせて解説
お葬式で飾られる花には、主に「花輪(はなわ)」「供花(きょうか)」「枕花(まくらばな)」「献花(けんか)」の4種類があります。本記事では、これらの中から「花輪」について解説していきます。
開店祝いなどで花輪が店舗の前に飾られているのを目にすることがありますが、花輪はお葬式でも飾られるものです。お葬式で飾る花輪とはいったい何を意味するものなのでしょうか。
この記事では、供花や枕花との違いから、値段の相場や贈り方、マナーや注意点まで詳しく見ていきましょう。
葬式における花輪とは
お葬式を行う家や斎場の外に飾られている大きな花輪は、ただの飾りではなく、「お供え物」の1つです。故人の死を悼み、弔意を表す意味合いのものとなります。花輪を贈るのは、故人とつながりの深い血縁者や友人・知人、故人や遺族の勤め先など、故人と関係性が高い人が一般的です。
花輪は、生花または造花を輪の形に組み合わせて足のついた台の上に置いたもので、1~3mほどの大きさがあります。遠くからでも目立つため、“ここで葬儀が行われている”という目印にもなるのです。
供花との違い
では「花輪」と「供花」は、どのように異なるのでしょうか。一番大きな違いとしては、花輪が会場の外に飾られるのに対して、供花は式場内に飾られるということです。
そして、供花は必ず“生花”で、フラワースタンドやフラワーアレンジメントなどの形に生けられ、祭壇の両側に置かれます。死者の霊を慰めるお供え物であることは花輪と同様ですが、供花には祭壇を飾るという役割もあります。
また、供花は個人的に贈ることが多く、花輪は故人や遺族の勤務先や取引先、同級生一同など団体名や連名で贈ることが一般的です。
枕花との違い
「枕花」は、安置されている故人の枕元に飾る花です。形としては小さく控えめな籠花で、通夜の前から葬儀が終わるまでずっとご遺体のそばに置かれます。いち早く訃報を受けた故人と関係の深い人が個人名で贈り、格式ばったものではなく、故人への哀悼の意を表現し、遺族に寄り添い慰める気持ちが込められた花なのです。
このように、故人への弔意を表し、供養のために供えられる花であることは同じですが、「花輪」「供花」「枕花」はそれぞれに異なる役目を持っています。
葬式の花輪の値段相場
ここで、花輪の値段を確認しておきましょう。基本的に花輪はレンタルで、葬儀が終了すると業者によって回収されるのが一般的です。値段は花輪の大きさにもよりますが、1万〜2万円程度が相場となっています。
故人が取引先の社長や自社の重役であるなど、高い地位の人であった場合には相場以上の花輪を贈ることもありますが、そのような特別な場合を除いては相場の金額から大きく外れないほうが良いとされています。
葬式での花輪の贈り方
ここからは、花輪の「贈り方」について紹介します。お葬式の花輪は、執り行われる葬儀の宗教・宗派や、地域の慣習などによってもルールが異なり、デザインや形、大きさ、飾り方などにも違いが見られます。
贈る際にはそれぞれのルールに合わせ、他の花輪とのバランスを崩さないように注意してください。詳しく見ていきましょう。
手配方法
手配方法としては主に、下記の3つがあります。
地域の花屋に直接依頼する
インターネットで注文する
葬儀社を通じて贈る
まず、「地域の花屋に直接依頼する場合」は、花輪を扱っている花屋を探すのが難しかったり、葬儀社や葬儀会場によっては指定の花屋が決まっていて、それ以外の花屋からの持ち込みを禁止したりしている場合もあるので注意が必要です。
また、「インターネットで注文する場合」は、そこから地域の業者に委託される形になることが多く、どこの業者に発注されるか分かりません。場合によっては委託している花屋が地域にない場合もあり、インターネットでの手配ができないこともあります。
このように、葬儀社を通さずに独自に手配をするのは意外に面倒であったり、トラブルの原因になったりすることも考えられますので、葬儀を執り行う「葬儀社を通じて贈る」のが最も無難で確実な手配方法であるといえるでしょう。
選び方
次に花輪の選び方です。花輪は、地域によってよく使われるデザインというのがあり、花輪の中央に「忌」や「合掌」の文字を入れる場合と、入れない場合があります。花輪のデザインや大きさ、花の色合いなどが揃っていないと見苦しく感じられますので、統一感が重要になります。
また、花輪は贈る人の序列を考慮して選ばなければなりません。序列を考えずに相場以上のものや相場以下のものを贈るのはマナー違反となりますので、注意してください。大きさや豪華さをどの程度にすれば良いか分からない場合には葬儀社に相談をして、斎場の規模や故人との関係を考慮した適切な花輪を教えてもらいましょう。
飾り方
お葬式の花の飾り方にはそれぞれ決まりがあります。花輪の場合は外に設置され、故人との関係が深かった人のものから順番に、入り口に近い場所から並べられます。
この順番は基本的に、故人との関係性を喪主や遺族が判断し、葬儀社スタッフに指示をして並べてもらうことになりますので、並べ方に関しては贈る側が気をつけることではありませんが、並んでいる順で故人との関係性の高さが分かるということを、葬儀の常識として覚えておくと良いでしょう。
葬式で花輪を贈る際のマナー
花輪には送り主の名前が入った「芳名名札」をつけるのがマナーとなっています。これは、誰から贈られたものかを明示するためにつけられるものです。書き方は以下の要領になります。
《企業から贈る場合》
企業名 代表者役職 代表者氏名
《故人や喪主の勤務先の部署で贈る場合》
企業名 部署名 一同
《同じ部署の人が数名で贈る場合》
企業名 部署名 個人名を人数分
《友人が数名で贈る場合》
学校名(またはサークル名など) 友人一同
《親族が数名で贈る場合》
〇〇家 子供一同(または孫一同など)
このとき、会社名は正式名称で、氏名はフルネーム、連名の場合は右から順に序列の高い人から書くというのがルールとなっています。また、連名で氏名を羅列する場合には3名までが適切とされています。
葬式で花輪を贈る際の注意点
お葬式では、お供えとして花を贈る際にも決まりや注意すべきことがあります。せっかく故人やご遺族に対して弔意を示すために花を贈るのですから、注意を怠ってご迷惑をかけてしまったり、礼を欠いてしまうことは避けたいですね。
そのような失敗を避けるために注意点を3つ紹介しますので、花輪を贈る際には必ず確認してください。
贈っても良いのかを事前に確認する
まず、花輪はそれなりの大きさがあるため、置くためのスペースが必要になります。しかし、家族葬や直葬など規模が小さいお葬式の場合には花輪を置くスペースがないこともあり、確認せずに贈ってしまうと相手に迷惑をかけてしまうことになります。
また、指定の花屋を利用しなければならなかったり、持ち込みを禁止されていたりする場合もありますので、贈る前には喪主や葬儀社、葬儀会場などに“贈っても良いかどうか”を必ず確認することが重要です。
地域ごとの違いに気をつける
また、花輪を飾る慣習は地域によって異なりますので注意が必要です。例えば、一般的に花輪は1基で贈ることが多いのですが、地域によっては2基を一対として贈るところもありますし、関西では花輪ではなく樒(しきみ)を飾る地域もあります。
都市部ではスペースの関係で花輪を飾らないところも増えていますし、そもそも地域によっては飾る習慣がないところもあるため、見たことがないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのように、花輪の取り扱い方は地域によって大きく異なりますので、贈る際には十分に気をつけましょう。
宗教・宗派を確認する
花輪は宗教や宗派などによっても、デザインや大きさ、飾り方が異なります。
特にキリスト教式のお葬式では花輪を飾る習慣はなく、必ず“生花”をフラワーアレンジしたものを自宅に贈ることが決まりとなっています。ですので、カトリックやプロテスタントなどの宗派を問わず、花輪は贈らないということを覚えておきましょう。
また、仏教式のお葬式であっても、宗派によって使ってはいけない花が決められていることもありますので、花輪を贈る際には宗教・宗派を確認して、葬儀社や花屋とよく相談するようにしてください。
花輪を受け取った場合のお礼
最後に、花輪を受け取った場合のお礼についてです。
本来、香典は遺族に贈られるものなので香典返しをしますが、花輪は故人へのお供えなのでお返しをしなくても良いとされています。しかし、なんらかの形でお礼はすべきですので、花輪については「お礼状」を送ることが基本になります。
花輪と香典の両方を受け取った場合には、お礼状とともに、花輪と香典の合計金額の3分の1~半分程度の品物をお返しするようにしてください。団体名義で贈られた場合には、個包装されている菓子折りなどにお礼状を添えて届けると良いでしょう。
まとめ
今回はお葬式の「花輪」について解説しました。花輪は、外に飾るため風雨に強い“造花”で作られることが多く、ほとんどの場合がレンタルです。
花輪のデザインや大きさ、取り扱いについては地域の慣習や宗教・宗派によっても異なりますので、贈る前には喪主や葬儀社、葬儀会場などに必ず確認をし、よく相談をして贈るようにしてください。
また、喪主や遺族が花輪や供花を辞退されるケースも増えてきていますので、そのような場合には意向を尊重して、贈るのを控えるようにしましょう。
花輪を贈る際には、遺族に失礼になったり迷惑をかけたりしないように配慮することが重要です。
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