どんな人でも葬儀に参列する機会は必ずあり、その機会は意外と身近なところにもあります。それは、祖父母が亡くなってしまったときで、急ぎで葬式を行うとなったとき、
「食事の準備などどんな風にすれば良いの?」など、さまざまな疑問があるでしょう。
特に孫にとって優しかった故人に対して、どのようなお手伝いをすれば良いのかわからないという人も少なくありません。そこでこの記事では、孫ができる役割や事前に準備しておくことなどをご紹介します。
祖父・祖母のお葬式に孫は出席するべき?
最近では、お通夜やお葬式を家族葬で行うことが主流になってきましたが、親族の方々や親しい知人が参列する葬儀も少なくありません。
特に祖父や祖母が亡くなったときには、昔ながらのお付き合いということもあり、従来のような葬儀になるケースも多くあります。
新型コロナウイルスの感染拡大によって
「孫でも出席するべきなのでしょうか?」という質問が増えてきていますが、孫も葬儀に出席するべきでしょう。
孫が葬儀に出席することで、親族として祖父母の最後の別れに立ち会うことができますし、葬儀ではやらなければいけないことがたくさんあります。
葬式で孫にできること
葬儀には多くの参列者がおり、非常に慌しい空気に包まれてしまいます。
遺族はやることが多く、忙しく動き回っていることが多いですが、そんな中、孫にも手伝えることがあります。
◆受付のお手伝い
孫が既に成人しているなら、お通夜や葬儀会場での受付対応をすることができます。
受付には多くの弔問客が訪れるので、芳名帳に記入や香典を預かる対応を行わうことが可能です。
ただし、受付をやる前に事前に葬儀の大まかな流れを確認しておく必要があります。
また、受付対応する際、孫であっても遺族の代表して対応するので、弔問客の方々に、
「忙しい中、お見え頂いたこと」に対して、きちんとお礼を述べることができることが大切です。
◆お茶出し
孫ができることの一つにお茶出しも挙げられます。
一見、地味なことに感じるかもしれませんが、お茶出しも大切なことの一つです。
親族は基本的に待合室に待機しているケースが多く、そのような場面にお茶出することで、悲しい思いに包まれている中である待合室が多少和むでしょう。
お茶出しは葬儀会社のスタッフが対応してくれることも多いのですが、やはり親族である孫が行うことで、より一層良い葬儀になります。お茶を出す際、祖父母に可愛がられた思い出を話ながら挨拶するとなお良いかもしれません。
◆子供の世話
葬儀の際、幼いお子さんが出席することも少なくありません。
しかし、葬儀がどういったことかあまり理解していない子供達は、悲しみに包まれている葬儀中でも、段々を飽きてしまい、ぐずったり騒いでしまうことも多くあります。
そんなとき、親御さんの代わりに孫がお子さんの面倒見ることで、遺族は葬儀の進行に集中することができるようになります。
◆挨拶(弔辞)を読む
故人に対して弔辞を読むという役割を孫が行うことも可能です。
孫が弔辞を読む役割を担うのであれば、祖父母との懐かしい思い出を語ると良いでしょう。
遺族や親しい人が挨拶をすると、どうしても堅苦しくなってしまう傾向がありますが、孫が行うことで、とても優しい言葉になり、和やかな空気に包まれます。
また、弔辞では形式を意識することなく、想いが伝わるような内容の方が良いので、それは孫に向いているといえます。
孫代表の挨拶(弔辞)を行うときのポイント
もし、孫がたくさんいた場合は誰が弔辞を行うかというと、基本的に年長の人が代表で弔辞を読むことになります。その際、どのようなことを注意しなくてはならないのか、ここでは弔辞を行う際のマナーや準備について説明していきます。
◆何を書くべき?
オーソドックスな内容にするなら、祖父母との思い出を語るような内容にすると良いでしょう。
孫が未成年の場合は、故人に対する気持ちを手紙形式で文章を組み立てると良く、成人している場合は、弔問者に対して故人との思い出や、その人がどんな人であったかなどを紹介する内容にすることがポイントです。
◆文字数と構成
弔辞の文字数は、おおよそ800字~1000字程度が適切な文字数となります。
弔辞が読まれる場面では、2~3人前後が弔辞を読むので、1人当たり3~4分で弔辞を読める文字数が良いでしょう。
弔辞の構成としては、故人の生前にどんなことを孫にしてくれたのかなどの感謝を述べて、亡くなったことを悼みながら、遺族の悲しみを慰めるような構成がベストです。また、単純な言葉だけを並べた形式的な文章にはせず、ちょっとしたエピソードを混ぜると、さらに心情を表すことができます。
◆避けるべき言葉
弔辞で避けるべき言葉は、いわゆる忌み言葉といわれている
「死=四」や
「苦=九」などで、これらの言葉は必ず避けなければなりません。
そのほかにも、神教や仏教、宗教や宗派によって言葉の遣い方も変わってくるので、事前に神教や仏教、宗教、宗派などを確認しておくと良いでしょう。
また、氏名や年月日等にも誤りがないか確認します。
さらには、故人の失敗談や欠点を述べるようなことも遺族の気持ちを害することになってしまうので、マイナス表現は弔辞の中に入れないようにしてください。
お葬式の香典は孫も必要?
孫が葬式で香典が必要なのか悩まれる人も少なくないでしょう。
故人と同居していたのであれば、孫は葬式を出す側の立場になるので香典は不要であり、扶養家族になっている学生や未成年の孫も、香典を用意する必要はありません。
ただし、一緒に暮らしていたとしてもすでに結婚している場合は、夫婦一世帯で香典が必要になります。
お葬式に出る前に知っておきたい孫のマナー
お葬式に参列する機会は頻繁にあるわけではありませんが、しっかりとマナーを守れていなければ恥をかいてしまいます。ここでは、お葬式で失礼のないように知っておきたい孫のマナーをご紹介します。
◆言葉遣いや立ち振舞い
孫が祖父母のお葬式をお手伝いをするときは、言葉遣いや立ち居振る舞いに注意する必要があります。
孫とはいえ、基本的に遺族を代表する立場であり、受付や香典を預かったりするように弔問客の対応を行うため、常に礼儀正しい振る舞いや言葉遣いを心がけなければなりません。
言葉遣いについては、前述したような縁起の悪いと忌み言葉を使つことはタブーであり、仮に弔問客が来ない時間帯でも、孫同士でお喋りすることは控えておくべきでしょう。
◆服装
孫がお葬式に参列する場合、服装も注意しておく必要があります。
成人していれば、男性なら黒や紺系のスーツ、女性なら黒などの暗色系スーツやワンピースを着て参列することが一般的です。
未成年で学生の場合は、学生服を着て参列するのが一般的ですが、学生服がない場合は、できるたけ黒系や暗い色の地味な服装にすると良いでしょう。
◆到着時間
葬儀会場の到着時間も意識しておくことが大切です。喪主であれば、葬儀会社や世話役と事前の打ち合わせが必要なので、2時間前には会場へ到着する必要がありますが、孫の場合は、葬儀が始まる1時間前には到着するのが理想的です。
香典の預かりや受付、通夜の振る舞いなどの準備を理解しておく必要があり、葬儀会社や喪主に確認することが多くあるため、少し早めに到着するようにしましょう。
どうしても出られない場合は?
孫であれば祖父母の葬儀に参加するのが一般的ですが、人によっては
「どうしても仕事で参加できない」や
「縁が遠い」、「生前に会ったことがない」など、そういった人もいるでしょう。
そういった場合は、参列しなくても問題ありませんが、葬儀が行われるまでに弔電を送って、遺族にお悔やみを伝えなければなりません。
遅くても通夜とお葬式に間に合うように弔電を送るのがマナーです。
まとめ
孫がお葬式やお通夜でできることを説明してきましたが、故人を偲ぶ気持ちがあってこそ、尊い時間になります。
そのために、お世話になった頃の思い出を想い出しながら、弔問客を迎えるようにしたいものです。また、恥をかかないようにしっかりとした言葉遣いやマナーを守るようにしましょう。