葬儀と言うと、どうしても多くの費用がかかるイメージがあるかもしれません。
現在、実際のデータだと全国の平均で約196万円と出ているようです。
確かに、身内の方が無くなって、急にこんな金額がかかるのは大変だと思われる方も多いでしょう。
しかし実は、年々葬儀にかかる費用は低下していっているのです。
今、葬儀の相場自体が低下している理由と、葬式の形式によって変わる費用の相場をまとめてみました。
葬儀の相場は毎年下がっていっている?その理由とは
葬式にかかる費用の相場は、2017年度の調査では195.7万円との事。
もちろん地域によっても差はありますが、どの地域でも、年々費用が安くなっている傾向があるようです。 (※参考資料:日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」)
そして、お葬式の相場が下がっている一方で、葬儀自体の数は増えています。
というのも、2014年の1年間で亡くなった方は127万3千人とされ、10年ほど前と比較すると25%程度増加しています。そのため葬儀の件数が増えていて、2039年には亡くなる人の数がピークになると予想され約167万人にもなるといわれています。
葬儀の件数は増えている事と葬儀の費用相場が低下している事には、なにか関係があるのでしょうか?
公正取引委員会が2017年に公表したデータによると、葬儀1件辺りの費用の相場が前よりも低下していると答えている葬儀会社が79.0%との回答が出ました。また参列者の数が減ったと回答した割合が86.8%で、葬儀に参加する人数が減ってきていることを表しています。
これはお葬式の件数は増えている一方、参列者が減っていることで、一回に使う費用が少なくなってしまいお葬式の平均費用が下がっているということです。
それに伴って、葬儀の内容が大きく変わってきているのが相場が下がっている理由になっています。
今までは一般的だった一般葬や社葬が減ってきているのに対して、参列者や費用が少なくすむ家族葬、直葬、一日葬が増えるようになりました。
それでは、葬式の形式によって変わってくる費用の相場を見ていこうと思います。
葬儀にかかる費用の内訳とは?
まず、お葬式にかかる一般的にかかる費用の内訳です。
お葬式は大きく分けて三つの出費があります。
基本的な葬式にかかる費用は、葬式一式費用といわれ、葬式をするために必要な、お通夜や告別式や火葬などに必要な棺、祭壇、設備や物品、遺体の搬送にかかる寝台車などや、人件費といった費用のことを言います。
接待するための飲食費用は、香典返しや返礼品にかかる費用だけでなく、参列してくれた方に対して通夜振る舞いや精進落としとして、お通夜の時と火葬の後に食事をふるまうことをいいます。
参列者の人数や、規模、仕出し内容にもよってかかる金額が変わってきます。
読経や戒名を付けていただく際にお寺やお坊さんや僧侶などにお渡しするお布施です。
読経は、お通夜や、告別式、火葬するときなど大体2日に渡ってお坊さんにきていただきます。戒名する場合はもっと費用がかかります。
目安として、東京で20~30万円が相場になっています。戒名の名前の種類によっても料金が変わります。15万円から50万円すると覚えておくとよいでしょう。
葬儀会社にどのくらい包むのか聞くのもよいかもしれません。
葬式の費用は実際に棺や祭壇や骨壺などの種類によって変わってきます。
祭壇だけでもグレードによって基本の金額から約200万円のふり幅があります。また、地域によって変わることや、頼んだ葬儀会社によっても斎場代が別途必要になることもあるのできちんと確認するようにしましょう。
オプションとしてプラスの料金がかかりますので、しっかりと確認をしましょう。
プランを100万円とした場合、飲食費用や宗教者へのお礼にも100万円ほどかかってくることになります。プランだけ見て安いと感じるだけでなく、参列してくれる人数や、お布施の費用などもしっかりと計算する必要があります。
葬式内容で変わる葬儀の相場とは
【一般葬にかかる費用平均とは】
一般葬は、お通夜と告別式を行い、参列者が50人以上を目安としております。
一般そうにかかる費用の平均はお布施を除いて、60万円から300万円ほどです。これは規模や人数にもよって変わってきます。このほかに、お布施として僧侶に対して、お通夜と告別式と火葬での読経料金、戒名料金、来ていただいたときのおもてなしのお料理、車代などの移動代が含まれます。15~50万円ほどかかるとされています。
一般葬は、お通夜、告別式、火葬、初七日法要、精進落としが行われます。もちろん地域によって変わってきます。
葬式にかかる費用の他に、通夜ぶるまい、精進落としにかかる飲食代、返礼品、などがかかります。
【家族葬にかかる費用平均とは】
家族葬は、家族やごく親しい人だけで見送ることです。参列者の数を把握しやすく、参列者をもてなすための出費もかかりません。
お布施を除いて40万から100万円が平均で、こちらも規模によって変わってきます。
家族葬は告別式を行わないことが多く、返礼品や接待にかかる飲食代を必ずしも必要としないのでその分安くすませることができます。お通夜、告別式(やらない場合が多い)、火葬、初七日法要を行います。
お布施は、あまり変わらないことが多いです。
【一日葬にかかる費用平均とは】
お通夜を行わないので告別式から火葬までを一日で済ますことができます。
一日葬の葬儀費用の平均は25万円から60万円となっております。このほかに宗教者へのお礼がかかります。
【火葬式や直葬】
お通夜や告別式を行わずに、ご遺体を一日ご安置した後に火葬式を行う方法です。
参列する人数も少数で、お通夜や告別式を行わなくてよいので、費用も15万円から40万円と最小限に抑えることができます。
葬儀にかかる相場が変わりつつある?葬式の多様化とその相場についてのまとめ
お葬式にかかる費用は、葬儀会社が用意してくれるお葬式にかかる一式だけでなく、接待飲食代や、宗教関係者に支払う料金がかかってくるので、基本的なプランとプラス同じくらいの金額がかかると思ったほうが良いでしょう。
この頃は参列者の数も減ってきて、簡単な式で済ませる方が多くなってきました。
今では簡単な式の形にもいろいろあるので、自分たちにあったプランを選ぶことができます。
しかし、家族葬や一日葬、火葬式などの場合、参列できなかった方とのトラブルになることもあります。また、火葬式などあまりに簡略化した式だと、寺院の方で受け入れてくれないこともあります。式を行う前にいつもお世話になっているお寺さんなどに確認を取るようにしてくださいね。