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葬儀の豆知識
葬儀でお出しするお料理について
葬儀に料理は欠かせないものですよね。

参列して頂いた方におもてなしとして出すお料理。

葬儀で使われる料理にも、たくさんの種類があります。いったい「どんなもの」を「どんな基準」で選んでいけば良いのでしょう。

また、お葬式の際に料理にも「出すタイミング」というものがあります。

 

今回は、それぞれ、どんなプランがあって、どのように選んで、どのように出すのか。また、料理を出すタイミングや回数、料理の基本的な予算などをまとめていきたいと思います。

 

葬儀で料理を出す回数は?


2015和オード

葬儀の時に料理を出すタイミングは、実は「二回」あります。

一回目は「通夜振る舞い」といって、お通夜に来てくれた方に出す会食です。

二回目は、告別式が終わって火葬をしているタイミングや、火葬が終わったタイミングで火葬と一緒に行う際に出す「精進落とし」です。初七日法要が終わってから出します。

基本的に告別式では料理は出しません。

これは一般的な形式の葬儀での食事のタイミングです。お料理を出さない葬儀の仕方もあるので注意しましょう。

葬儀には、「火葬式(直葬)」「一日葬」といった少し省略化した式の形式が存在しますが、その中でも、「火葬式(直葬)」に関しては料理を出さない場合もあります。ただ、最近では遺族の方のご要望で、火葬式の場合も「精進落とし」は振舞われる事が多くなっています。

 

告別式が終わったあとや火葬中、または火葬が終わった時に行う初七日法要ですが、本当は亡くなってから7日目に行う法事です。そのため、葬儀とは別に初七日法要を行う場合は合わせて料理を用意する必要があります。その時は葬儀ではないので、法事というスタイルでのお食事となります。

また、今では火葬と併せてお料理を出す事が多くなっていますが、中には火葬の場で料理が出さず、違う日に会場を用意して、別途場を設ける事もあります。これを「繰り上げ法要」「繰り込み法要」といいます。多くなったとはいってもまだ初七日の法要は別に行うこともありますので、地域のしきたりや、葬儀と合わせて行っても良いのか確認する必要があるでしょう。

 

料理の選び方。通夜振る舞いと精進落としで出す料理の違い


花水木

「通夜振る舞い」や「精進落とし」としてのお料理は、読経をしてくれたお坊さんや、わざわざ来てくれた参列者の方へのおもてなしとして出される料理です。これには、大切な方が無くなって沈んだ気持ちを、皆さんで会食することによって和らげてくれるという利点もあります。

しかし、「通夜振る舞い」と「精進落とし」として出されるお料理は全く同じものというわけではありません。この二つの間にも若干異なる点があります。

 

「通夜振る舞い」だと、お寿司やサンドイッチ、オードブルといった料理が多く出される傾向があります。和食や養殖、中華など、種類が豊富なのが特徴です。

一方、「精進落とし」として出される料理には、一人一人にふるまえるようなお弁当やお膳などで用意するものと、オードブル形式で用意されるものの二つがあります。

 

お料理を選ぶときの注意点ですが、基本的に、オードブルは系統がかぶらないように頼むようにするとよいでしょう。

お寿司をメインのオードブルにする場合は、お寿司、唐揚げ、などが比較的多く感じます。お子様が参列する場合は、小さな子でも食べやすいものも入れておくと良いでしょう。

偏らないように、メインを多めの割合にして置き、サブになる他の種類のものをそれぞれ同じ割合で置いておくとバランスがとれてきます。

 

例として、お寿司をメインにする場合、お寿司(稲荷や巻きずし含め)4割、唐揚げなどの揚げ物2割、中華2など、幅広い層の人が味わえるように組み立てるのが一般的ですが、前提として、参列する方の年齢などに合わせた選び方をする事が大切です。

 

また、今ではそこまで気にされる事は少なくなっていますが、昔は故人が亡くなった当日は肉や魚などを食べることはタブーとされていました。精進料理でも肉や魚などは使わず、野菜やきのこなどを使った料理が出されることは今でも多くあります。

地域やご親族内での慣習でそういった決まりがあるケースも存在しますので注意しましょう。

 

実際にお料理を選ぶ際には、基本的に葬儀会社と提携している仕出し屋があるので、その仕出し屋から出されている料理を選ぶ形となります。他の仕出し屋などから頼むよりは金額も安くすみます。ほとんどの葬儀社や仕出し屋でプランもいくつかありますし、単品で頼むこともできるので自由度も高いです。

また、提携の仕出し屋がなく、自分で選ばなければいけない場合は、お弁当屋さんやお寿司屋さんなど頼む分を事前に予約しておかなければいけません。

どれくらい料理を頼むのか。予算や会食時の注意点など


 
電卓

さて、葬儀で料理を頼むとき一番悩むのが、「どのくらいの量を頼むのか」というところだと思います。

結論から申しますと、参列される方の人数の6~7ほどの量を用意しておくのが一般的です。親族やお手伝いの方は後でゆっくりと食事がとる事が可能なので、そこに含めるかどうかは状況・予算などによって変わってきます。

一人当たりの予算は、「通夜振る舞い」で2,000円~4,000ほど。

「精進落とし」に関しても大きくは変わらず、2,000円~5,000を平均として用意します。

また、どちらの席でも、ジュースとお酒の両方を用意しておく必要がありますが、「精進落とし」の場合は、少しお酒を少なめにするなどの配慮が必要です。

 

参列者の人数にもよりますが、実は、葬儀での予算の3分の1がこの料理代と返礼品を合わせた価格とも言われています。

 

日本では、葬儀でお食事をする際はじめに、「献杯(けんぱい)」をするしきたりがあります。会食ではこの言葉がないとお料理に手を出してはいけないのでとても重要です。喪主が挨拶してから、代表者の挨拶があり、そのまま「献杯」といって会食するのが一般的です。

その際、杯などは打ち合わずに、高く上げることなく静かに乾杯といいます。拍手もしないようにしましょう。また、飲み干す必要などもありません。

これらのしきたりも地域によって変わってきますので、事前に確認するようにしましょう。

 

そしてその後喪主は、「おもてなしをする」立場なので、一人一人に挨拶することになります。

精進落としでの席順は、僧侶が上座で、世話役の方、続いて会社関係、友人、知人、親族の順に座ります。ご遺族や喪主は一番入口に近い末席に座るようにします。

その際僧侶に席を決めてもらってもよいでしょう。

 

まとめ



以上のとおり、「通夜振る舞い」と「精進落とし」、二つの会食の場があるので、葬儀の場で出すお料理の場は二種類あります。「通夜振る舞い」が大皿で、「精進落とし」で出される料理はお膳であることが多いと覚えておきましょう。

お金が多くかかるといわれている葬儀ですが、お料理は費用のうちの大きな部分を占めています。しかし、これらのお料理は「参列してくれた方へのおもてなし」や「故人を心をこめて偲ぶ場」としてのとても大切な役割をもっています。

その為、一番重要なのは、たくさんの費用をかける事でも高級なお料理をそろえる事でもなく、参列者の方が心ゆくまで故人の思い出話が出来るような、しっかりと偲べるような場を用意していく事だと考えております。

 

お葬式の際のお料理。丁寧にお選び頂ければ幸いで御座います。