自然に触れる機会が少なくなりがちな現代だからこそ、亡くなった後は自然に包まれて眠りたいと願う人も増えています。
そういう方に人気の埋葬方法として樹木葬がありますが、知名度は高くありません。
今回は特徴と費用についてなど、樹木葬についてをご説明します。
樹木葬とは？
一般的に墓地は墓石をお墓のシンボルにしますが、墓石の代わりに樹木をシンボルとして、その周辺に納骨するというのが樹木葬です。
山林や海など自然の中に遺骨を埋葬して弔う自然葬の一つで、霊園によっては樹木でなく花をシンボルにしていることもあります。
初めて樹木葬が執り行われたのは1999年と言われ、比較的新しい埋葬方法です。
比較的新しいと言っても、自然の中で眠りたいと希望する方は以前から少なからずいましたし、現実的に実現しやすく、埋葬する寺院や霊園の場所次第では遺族も墓参りしやすいと言う特徴もあり人気があります。
樹木葬のメリット
樹木葬には自然葬としても墓参りしやすいということ以外にもさまざまなメリットがあり、それが登場して20年程度ながら日本全国に広まっている理由でもあります。
自然葬に共通のメリット、樹木葬ならではのメリットもあるので、メリットを把握した上で、他の自然葬ではなく樹木葬を選ぶのがベストなのかを考えることをおすすめします。
永代供養ができる
霊園の管理者がいるとしても、お墓の管理や供養は遺族がする必要がありますが、忙しくて墓参りもままならない方、やり方がわからない方も現代では多いです。
樹木葬はその管理を寺院や霊園の管理者が行うので、遺族の方々がお墓の管理をする必要のない、いわゆる永代供養になります。
故人は大切な人だったけど諸事情でお墓の管理は難しい、でもお墓を放置するのはしのびないという方にとって、管理供養を任せられ、子孫がお墓を継承する必要のない永代供養ができるのは大きなメリットです。
費用を抑えて供養ができる
樹木葬は墓石の代わりとなる樹木が見た目に大きく立派に見えますが、必要となるスペースとしては遺骨を納める分だけですし、墓石の購入代金も掛かりません。
なので墓地に掛かる費用が、既存のお墓と比べて大きく抑えられます。
また樹木葬には幾つか形式があり、方法によってはかなりの低額かつ、年間の管理維持費もかからない方法もあります。
近年では葬儀やお墓にお金を掛けず、遺族に少しでも多く遺産を残したいと考える方も増えているので、そういったニーズにも噛み合っているでしょう。
故人の思いを尊重できる
近年では老若男女問わず自然への意識が強い方も多く、最期は自然に還りたい、最期までエコロジーな埋葬方法をしてほしいと考える方は多いです。
樹木葬は正に自然に還る事のできる埋葬方法ですし、無機質な墓石ではなく樹木や草花を墓標にすることから、自然環境にも優しい側面もあります。
樹木葬が増えているのは、そうした自然を意識していた故人の思いを尊重できるというのも、間違いなく理由の一つです。
具体的に樹木葬を希望する方もいますし、自然に優しく、自然に還る形で弔ってほしいという故人が生前に残した言葉に従い、自然葬の中から樹木葬を選ぶ方もいます。
樹木葬のデメリット
樹木葬にはデメリットもあり、後々になって問題が起こることがしばしばあります。
自然を大切にしたいという故人の遺志に従って樹木葬をしたはいいものの、問題が起きた後に対処ができないこともあり得るでしょう。
樹木葬はデメリットもちゃんと知っておき、本当にそれでいいのか、後で遺された人に迷惑がないか、よく考えて決める必要があります。
後で分骨や改葬ができない
樹木葬で取り返しのつかないデメリットが、この分骨や改葬をすることができない点です。
埋めた場所にまで根が張って、遺骨を取り出そうとして掘り起こしたら根を傷つけ樹木がだめになる可能性があります。
合葬で骨壷から出し布袋に入れて他の遺骨と一緒に埋葬していた場合、目的の遺骨だけ探し出して掘り出すことができないなどの理由で、樹木葬をすると埋葬方法を変えることができません。なので後々問題が起きても対処法が何もなくて後悔する人もいるようです。
樹木の手入れや管理費が必要
樹木葬をする場合霊園など都市部に埋葬するなら、その管理者に手入れを任せることができます。
ですがもし里山で樹木葬を行う場合、手入れを遺族でする必要があり、それの管理に費用も掛かるでしょう。そして樹木は墓石よりも、手入れに手間やコストが掛かることも。
他人の家族と同じ場所に埋葬する形の樹木葬なら、管理費用がかからないことも多いですが、区画を分ける形での樹木葬をするなら、管理費用も毎年払う必要があります。
樹木葬の内容を理解して、なるべくデメリットにならない場所を選ぶ必要があるでしょう。
親族の同意を得ないと、トラブルになることも
葬儀というものは今までの伝統に倣うことが重要と考える方は少なくありません。
埋葬方法も同じで、手間や費用ばかり考えて墓石の一つも用意しない樹木葬なんてけしからんと考えるご年配の方もいらっしゃいます。
なので親族の同意を得ずに樹木葬をすることで、そう言った考えの方から不興を買い、遺恨が残る可能性もあるでしょう。
樹木葬は自然葬の中ではお墓参りがしやすいので、比較的トラブルが起こりにくいとも言われます。ですが実際に樹木葬にしたことが原因でトラブルが起きた例もあるので、事前に親族と相談し、同意を得ておくことが大切です。
樹木葬の平均費用は？
樹木葬の平均費用は、形式によって10万円から70万円ほどです。
詳しくは後述しますが、樹木葬には複数の埋葬方法があり、どの方法を選ぶかによって費用の相場は大きく変わります。
合祀の場合は10万円から20万円、共同埋葬なら15万円から60万円、そして個別埋葬なら20万円から80万円が相場です。
費用は大きく変わりますが、遺骨の扱いを考えるとどれも同じとは言い難いので、埋葬方法と費用の額を天秤に掛けて考える必要があるでしょう。
樹木葬の埋葬方法
樹木葬は、具体的に説明すると3つの埋葬方法があります。
・合祀(合葬)
・共同埋葬
・個別埋葬
合祀は骨壷から遺骨を取り出し、他の遺骨と一緒に埋葬する方法で、合葬とも呼ばれ一番費用が掛かりません。
共同埋葬は同じ樹木の根本に、他の遺骨とは区分けをして埋葬する方法です。
個別埋葬は一本の樹木の根元に一人、あるいは一家族分の骨を埋葬する方法になります。
自然に還すという意味では合祀が一番自然に近いかもしれませんが、大切な人の遺骨を他人の遺骨と一緒くたにすることに抵抗を感じる方もいるでしょう。
親族の同意や理解の得やすさも変わるので、よく考えて埋葬方法は選ぶべきです。
樹木葬のことなら雅葬会へ
雅葬会では葬儀の執り行いから、今回ご説明した樹木葬の他にも、お墓や永代供養、手元供養など多種多様な供養、埋葬のプランをご用意しています。
ご相談いただければ、葬祭の専門的な知識を豊富に持つプロが、故人やご遺族の遺志や価値観に合わせた最適なプランのご提案が可能です。
神奈川県相模原市・川崎市、東京都八王子市でどのように葬儀をすればいいかや、故人の遺志を尊重した供養の方法にお悩みであれば、ぜひ雅葬会までご相談ください。
