葬儀の豆知識
終活ノートを活用しよう!書き方とポイントをご紹介
人生の終わりのために準備をする活動を「終活」と呼びます。終活の中のひとつに、エンディングノート、または終活ノートと呼ばれるものを書くということがあるのをご存じでしょうか?終活ノートは、自分についてのさまざまな事項を記すもので、残された家族や大切な人に見てもらうノートです。今回は、終活ノートの書き方と活用方法などポイントをまとめています。
終活ノートとは?
終活ノートは、残される家族に向けて、大切な人に向けて、自分の思いを伝える目的で利用するノートです。遺言書と同じだと勘違いされる人もいますが、遺言書とは異なります。遺言書には、相続に関することを記すものですが、終活ノートにはそれ以外のことも記入します。終活ノートは、家族や親族に伝えたいことを記載する目的もありますが、これまでの人生を振り返って、これからの人生でやっておきたいことなども記録できるので、残された余生をより充実させるためのノートでもあります。終活ノートには、病気になった場合の治療方針なども書くため、万が一のことも考えてできるだけ早めに作成しておくことをおすすめします。
終活ノートに書くべき内容をご紹介
終活ノートには、さまざまなことを記入します。何を記入しなければいけないというような決まりがあるわけではありませんが、これは記入しておいた方が良いと一般的に言われている項目はあります。ここでは、終活ノートに書いておいた方が良いとされている内容について、ひとつずつみていきましょう。
自分自身について
終活ノートには、自分自身のことを書きます。これは、生年月日や生まれた場所、育った場所、小学校や中学校などの学校名、そして職歴などです。これらを記入するのは、さまざまな書類の手続きで必要になる可能性が高いからです。特に生年月日や本籍地は必ず記載しておきましょう。また、自分自身のことを振り返る意味でも重要な部分になってきます。生まれてからこれまでどのようなことがあったのか、振り返って懐かしい気持ちになるでしょう。
口座番号などの個人情報
亡くなった人が使っていた通帳が出てきて、口座にお金が残っていたけれど暗証番号が分からず引き出せない、利用していたスマートフォンの暗証番号が分からず、アプリなど使っていたサービスの利用停止ができないなど、個人情報が分からないことで、残された家族が大変な思いをしたというような事例があります。このようなことから、口座情報やパスワード情報など、終活ノートに記載しておくようにしましょう。
ペットについて
もしペットを飼っている場合、ペットのこともどうするか考える必要があります。特に、一緒に住んでいる人がいない場合、あなたが亡くなった後にペットだけが残されてしまうことになるでしょう。引き取ってもらえないとペットは保健所に連れていかれてしまう可能性もあるので、ペットをどのようにして欲しいのかきちんと書きます。そしてペットの世話で注意しなければいけないことや、ペット病院、病歴などの情報もしっかりまとめておいてください。
相続財産について
遺言書にも記載する内容ですが、遺言書にかけきれなかった細かい内容を、終活ノートに書くのがおすすめです。相続といっても、いろいろなものがあります。不動産や有価証券、株取引等は家族が知らずに放置してしまう可能性も高くなっています。これらは特に記載しておきたい内容です。家族が把握できるものに関しても、どのように分けて欲しいというような思いがあるなら、それを記しておきましょう。財産分与で親族が揉めることがないように、なるべく細かく明確に記載することが大切です。
葬儀の希望について
終活ノートには、どのような葬儀をして欲しいのか記載しておきましょう。葬儀の形式はさまざまです。残された家族が、どのように葬儀をすればよいか悩むことがないように、事前に希望を伝えておきましょう。ご家族は悲しみの中、準備を進めなければいけません。できるだけ負担を減らしてあげたいものです。葬儀の希望を書いておくだけで、準備もスムーズになります。例えば、家族葬にして欲しいとか、あまり盛大な葬儀は必要無いなど記載しておきましょう。
また、生前に葬儀の内容について強い希望があるなら、終活ノートで明確に伝えることで、自分の意思が反映される葬式を行うことができるでしょう。
介護・治療の方針について
持病を抱えている人は、今飲んでいるお薬やかかりつけの病院も記載しておきましょう。万が一、意識不明になった場合は、終活ノートに記載された情報を参考に治療などを行います。また、今後病気になった場合や、介護が必要になった場合にどのように治療をして欲しいのかということも記載しておきましょう。例えば、延命治療はしたくないなど希望がある場合は記載しておくなどです。特に延命治療は、ご家族も決めるかどうか悩むことがあるので、あらかじめ記載しておくと、周りも気持ちが楽になるでしょう。
知人や恩師の連絡先
終活ノートには、知人や友人、恩師などの連絡先も記載しておきましょう。これらは、葬儀を行う際に、連絡をするのに役立ちます。葬儀を親族だけで行うという場合でも、葬儀をしたことを知らせる必要があります。近年は、年賀状でのやり取りも減ってきているので、年賀状から連絡先を把握することが難しいです。またスマートフォンの連絡帳には、日頃良く連絡を取る人しか登録されていないことが多いので、その他の連絡先として記しておくようしましょう。
このときに、相手との思い出や関係性を簡潔に書いておくと、残された遺族が相手に連絡しやすいです。
終活ノートを描くときのポイント
終活ノートを書く際は、まず書けるところから書いていくようにしましょう。項目が多いので、順番に書こうとすると分からない、書けないとなってしまうことがあります。まずは書けそうな部分から書いて、分からないところはあとで時間をかけて考えてください。終活ノートに書く前に、まずは自分の気持ちを整理してみるのが良いでしょう。気持ちを整理してからまとめることで、分かりやすく書くことができます。
ほかの人が読む前提で丁寧に書く
終活ノートは、あなたのこれまでの人生を記したものであると同時に、残された家族や大切な人たちに向けたノートです。そのため、ほかの人が読む前提で丁寧に書きましょう。読めない字で書いてしまうと、書かれている内容を理解できません。終活ノートをより効率的にするためにも、いったんどこかに気持ちをかき出して、それから整理した内容を終活ノートに記すことをおすすめします。終活ノートには、家族や大切な人へのメッセージも記しておきましょう。
終活ノートを保管している場所を身内に伝えておく
終活ノートを書いたことと、保管している場所について身内に伝えておきましょう。せっかく書いたのに、誰もその存在を知らないとなると役立てることができません。終活ノートは、残された家族や親族が見て、あなたの思いを知るものです。普段から見えてしまうような場所に置くことはおすすめできませんが、「万が一の時は、ここに終活ノートがあるから」ということを家族には必ず伝えておきましょう。
まとめ
あなたの思いを伝える終活ノートについてご紹介しました。終活ノートは、とても大切なことを書くノートです。短時間で完成するものではありません。じっくり時間をかけて丁寧に書き上げてください。ノートはどのようなものでも良いですが、終活ノート専用のものもあるので、より書きやすいものを探しているなら利用してみてください。
雅葬会は、葬儀だけではなく終活のサポートも行っています。葬儀に必要な金額やどんなことをまとめておけば良いのかなど、終活に必要な知識や情報の相談を受け付けています。ぜひ気軽にご相談ください。