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直葬の流れやメリットとデメリットやマナーも徹底解説
直葬・火葬
直葬の流れやメリットとデメリットやマナーも徹底解説
一昔前とは違い、親族が遠方に住むことが増え、逆にご近所付き合いが減ってきている近年では、葬儀の規模が縮小されつつあります。
葬儀のスタイルも多様化し、一般葬だけでなく、家族葬、一日葬、お別れ会など多種多様な葬儀形式が選択できるようになりました。なかでも、年々増加傾向にあるのが「直葬」です。この記事では、直葬の基礎知識や、事前に把握しておくべき全体の流れや注意点などについて説明していきます。全体の流れを把握しておくことで、式までの段取りをスムーズに進めることにつながるでしょう。
直葬とは
直葬とは、一般的な葬儀における通夜式や告別式を省略して、火葬のみを行うというシンプルな葬儀の形態で、「火葬式」とも呼ばれます。
病院や施設などの遺体を安置する場所から直接火葬場へと遺体を搬送し、故人の家族や、生前ごく親しかった人など、ごく少人数で執り行います。
しかし、周囲に気遣うことなく故人を偲ぶことができる反面、お別れの時間が通常の葬儀に比べて短いのが特徴です。
現在、首都圏などでは葬儀全体の2割ほどが直葬で執り行われています。近年は人々の宗教観や価値観の変化などから、従来の宗教形式にこだわらない人が多くなったことや、一般的な葬儀より料金が掛からないという理由で、選ばれることが増えている葬儀形式です。
直葬の流れ
臨終を迎えた故人は、死後24時間は火葬・埋葬をしてはいけないと法律で決まっているため、故人の遺体は丸1日安置しておき、葬儀の計画を葬儀社と相談・契約し、自治体での手続きを済ませてから、葬儀当日を迎えるのが一般的です。
当日は、遺族が火葬場に集合して、最後のお見送りを行います。親族以外にも、故人と親しい方が弔問などを望まれる場合には注意が必要です。
直葬では弔問などの受付は行わないため、事前に伝えておかなければなりません。
以下では、葬儀社に依頼した場合を想定して、直葬の流れを順番に解説していきます。
臨終
通常、病院で臨終を迎えると、医師に死亡診断書を発行してもらい、その場で受け取ることになります。
病院以外の場所で死亡した場合には、警察による検視を行い、事件性の有無を確認する必要があるので、自宅で亡くなった場合は遺体を医師や警察に検分してもらいましょう。
確認が終わったら、葬儀社へ連絡をして遺体を搬送する手配をします。その際は病院名や場所を間違えず正確に伝えましょう。
事前に葬儀社が決まっていない場合は、病院から紹介してもらうこともできます。
お迎え、安置
安置場所は、自宅の一室か、葬儀社の用意する安置施設か、ご遺族の状況によって選択することが可能です。
近年では葬儀社によるサポート体制が整っているため、専用の安置施設へ搬送するケースが圧倒的に多くなっており、遺体を安置するための場所へは葬儀社が搬送してくれます。
葬儀社へ連絡を入れてから、だいたい1時間程度でお迎えの車が到着します。
霊安施設では家族が付き添う必要もないため、家族はそのまま自宅へ帰宅することが可能です。
納棺、出棺
安置の時間が経過した遺体は、仏衣に包まれた後に遺族の立ち合いのもとに納棺されます。
一般的には、花や故人が好んでいたものも一緒に納めます。
ただし、不燃物等の、素材によっては一緒に入れることができない場合があるので、事前に担当者に確認しておきましょう。
故人にお花を手向けたり、お別れの言葉を伝えたりしてお別れの時間を過ごし、故人を見送る用意が整ったら、火葬場に出棺されます。
納棺から出棺までにかかる時間は、おおよそ1時間です。
火葬
遺体が火葬場へ到着したら、最後のお別れを5分~10分程で済ませます。
直葬は通常よりも故人と過ごす時間が短いため、葬儀会社によってはお別れの時間を30分~60分ほどに伸ばすこともできます。
そしてお坊さんをお呼びし、火葬炉前でお経を読んでもらいます。その間に、喪主から焼香を始め、血縁の深い順に回していきましょう。
火葬は60分~90分ほどで終了しますので、その間に待合室などで家族や親族に軽食を取ってもらう場合などは、事前に葬儀会に注文しておくことも可能です。
骨上
火葬後には、収骨室に案内され、遺骨を骨壷に納める「骨上げ」を行います。
骨上げの作法は2人1組となり、箸で遺骨を両側から同時に挟んで拾い、骨壷に納めます。
「骨上げ」は喪主を始めに、血縁の深い方から順番に行いましょう。
お骨は足側から頭に向かって遺骨を拾い上げていき、最後にまた喪主が喉仏を骨壺に納めるという方法が一般的です。
収骨を終えると、遺骨と共に埋葬許可証が骨壺を納める桐箱の中に入れて喪主に渡され、直葬・火葬式は終了となります。
直葬のメリット
直葬は参列者が少ないため、近所への挨拶回りや香典返しの手配など、遺族にかかるさまざまな負担を最小限にすることができます。
直葬を望む理由は、個人の価値観や経済事情、親族がいないなどのさまざまな理由がありますが、もしも故人が生前に小規模な式を望んでいたのであれば、その希望を叶えることで故人に報いることもできます。
そして、故人をきちんと見送るためには、直葬を行うことのメリットとニーズがしっかりと合致していることが重要です。
ここでは直葬を考えている方の参考として、直葬のメリットを紹介します。
葬儀費用を抑えられる
まず直葬のメリットとしては、一般的な葬儀に比べて費用が少なく済む点が挙げられます。
通夜や告別式、あるいはそれに伴う僧侶や参列者へのおもてなしなどの諸経費が不要となり、儀式を省略する分、故人を見送るためにかかる費用全面を抑えることが可能です。
通夜と告別式のどちらも行わないため、式場利用料を払う必要がなく、一般葬や家族葬、一日葬よりも費用がかかりません。
遺体安置施設を利用する場合には費用が発生しますが、最低限必要なのは、棺代や火葬代、骨壷・骨箱代などです。
参列者への対応がない
もう1つのメリットには、時間と労力の負担軽減があります。
通夜・告別式を行わない直葬では、受付係や通夜振る舞いなど参列者へ対応するための諸々の手配や、それらを考える手間や時間も要りません。
葬儀となれば、どれだけショックを受けていても弔問に訪れた人への接待で、気丈に振る舞わなければならない場面も多く、身体的・精神的負担が大きくなってしまいます。親族のみと参列者が限られていれば気を遣う必要もありませんので、精神面での負担も軽く済むでしょう。
葬儀後の香典返しも負担が少ない
葬儀を行う場合は弔問者から香典を頂く事になり、そのお返しが必要となるので、あらかじめ香典返しの品を用意しておく必要があります。
葬儀の準備で忙しく、すぐに品を準備することが困難な場合は後日改めて香典返しをすることになります。直接会える人には手渡しで、遠方にいる人には郵送しなければならず、これも負担になってしまいがちです。
しかし直葬では、香典をもらうことがあまりないため、香典返しの用意が負担になることは少ないと言えるでしょう。
直葬のデメリット
直葬は一般の葬儀とは異なり、参列者がごく少数に限定されるので、世間への周知も遅れることになります。直葬を選択するケースが少しずつ増えてきたとはいえ、地域によっては未だに理解が得られない場合もあることを踏まえておきましょう。
直葬を執り行う場合はトラブルが起きないように、自分たちのことだけでなく、故人がお世話になった人達の事も考慮した上での検討が必要です。
本当に直葬が適しているかどうかを確認するためにも、以下のデメリットも参考にしてください。
親族の理解が必要
直葬を「あまりに質素で寂しい見送り方だ」と受け取る人もいます。
従来の形式にこだわる親族がいる場合は、後々のトラブルを避けるためにも事前にお伺いを立てて理解を得ておくことが大切です。
例えば、直葬の参列者を限定してしまったがゆえに、後になって親族や故人と親しかった友人などから不平不満の声が上がることがあります。直葬を選択した場合は、なるべく速く事前にその旨を伝えて、きちんと理由の説明をしておくことが必要です。
参列できない人への対応が必要
葬儀の参列を希望すると思われる人には、葬儀を直葬で執り行う旨をきちんと連絡しましょう。
連絡を怠ることで、葬儀への参列が叶わなかった相手との関係がこじれることがあります。親しい知人には、特別に弔問の機会を設けるなど、対応を考えておくことが肝心です。
また、火葬に立ち会えなかった近隣の人や故人の友人から、後々個別に弔問を受ける場合があります。
その場合は弔問を受けるにしても遠慮してもらうにしても、多くのやり取りが必要になりますので「こんなことなら、ちゃんと葬儀を行っておけばよかった」と後悔することになるかもしれません。
菩提寺に理解してもらう必要がある
故人が代々お世話になっている菩提寺がある場合には、事前に相談しておくことが大切です。
もしこれを怠り、菩提寺の宗教的儀式を行わずに省略してしまった事で心象を悪くしてしまうと、お寺側からお墓への納骨を拒否されるというケースもあり得ます。
このような事態を避けるためにも、事前に話をして承諾を得るか、万が一納骨が難しい場合は別の納骨先を探しましょう。
火葬炉前の読経や四十九日などの法要を行うことで、受け入れてもらえることもあります。
直葬を行うときのマナー
直葬の場合、事前にその旨を連絡しておくことがマナーです。
服装については、葬儀は身内だけで済ませるので、厳密に喪服を選ぶ必要はありません。
ただし、常識の範囲内で、普段着や派手な服装は避け、黒や地味な色合いの平服を心がけましょう。
また、香典には返礼品を贈ります。香典が必要ない場合は、参列者が迷わずに済むようにその事をはっきりと伝えておきましょう。
そのほか、直葬では基本的に食事の場を設けませんので、食事は別個に済ませることになります。ただし、火葬場によっては、待機時間や火葬後に食事の場を設けることもできるため、事前に確認するとよいでしょう。
まとめ
直葬には通夜や葬儀がなく、簡単なものになりますが、心を込めて故人を見送ることは可能です。身内のみで執り行われる直葬は、葬儀の規模も小さいため、参列者へ対応も少なく済み、費用も大幅に抑えられるというメリットもありました。
一方で、理解度が未だ低い地域があることや、伝統にこだわる人もいるため、後になって大きな問題にならないように注意が必要です。
直葬を選択する場合は、関係各所に事情を説明し、親戚や友人の理解も得ておくと良いでしょう。
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