家族や親族が亡くなった場合、まずは葬儀のことが頭に浮かびます。しかし、実際にするべきことは、「死亡届」の提出なのです。そして、葬儀の準備のスタートもこの「死亡届」の提出から始まります。今回は「死亡届」とはどのようなものなのか?提出の仕方、注意すべき点を確認していきます。
死亡届とは?
死亡届とは、人が亡くなった場合に提出が義務づけられている書類のことです。各市区町村の役所で入手できますが、最近ではインターネットでもダウンロードできるようになっています。また、病院にも用紙が備えられています。
死亡届の用紙は、左側が「死亡届」となっていて、右側には「死亡診断書(死体検案書)」の構成になっています。左側の死亡届は、届出人が必要事項を記入し、署名または、押印してから提出をします。一方、右側の「死亡診断書」は、臨終を看取った医師や死亡を確認した医師が作成をします。
死亡届を提出するタイミング
死亡届は、死亡を知った日を含めて7日以内に提出する必要があります。また、正当な理由なく提出期限を過ぎてしまうと、戸籍法という法律の定めに違反するため5万円以下の罰金が科せられることとなります。
また、海外などで亡くなるなどして、把握に時間を要した場合には、死亡の知らせを受けた日から3カ月以内に申告をします。
ポイントとなるのは、亡くなった日からではなく、亡くなったことを知った日を含めた7日以内に死亡届を提出する必要があるということです。
死亡届の書き方
死亡届には、大きく二つの情報を記載する欄が設けられています。その一つが死亡した故人の情報を記入する項目です。もう一つが、届出人の情報を記入する項目です。
故人に関わる情報に関する項目と届出人に関わるの情報に関する項目を合わせると大きく15項目程度の情報を記載しなければなりません。
また、公文書ですから、記載に当たっては黒、または青のボールペン等を使用する必要があります。さらに、訂正をする場合は二重線で消し、上部に正しい記入をした上で押印をする必要も生じます。ミスなく丁寧に記載することが大事です。ここでは死亡届の書き方を解説します。
1.故人の情報を記入する
故人の情報として記載しなければならいない項目は、大きく9項目あります。まず最初に記入しなければならいのが、1つ目の項目の故人の氏名とフリガナです。次いで、2つ目の項目の性別と3つ目の項目の生年月日を記入します。
4つ目の項目は、死亡した日時で、5つ目の項目が死亡した場所の記載になります。この2つの項目は、右側の死亡診断書にも記載欄があります。同じ記載内容となるように注意が必要になります。
そして、6つ目の項目は故人の住所、7つ目の項目は故人の本籍を記入します。8つ目の項目には死亡した人の妻または夫に関する情報を記載し、最後の9つ目の項目で亡くなった方の仕事に関する情報を記載します。
故人の氏名に旧漢字など、役所に届出している漢字を使用する必要があるので、確認をして記載をする必要があります。
2.届出人の情報を記入する
届出人は、親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者とされています。広く解釈をすれば、多くの方が届出人となれることとなります。
死亡届に届出人の情報として記載する項目は、亡くなった人との関係、住所、本籍、氏名、生年月日、連絡先の6つの項目になっています。
また、届出人と実際に役所に提出する人が異なっても問題がありません。しかし、区役所で提出する際には、「火葬する火葬場の名称」や「埋葬する場所の名称」などを聞かれることがあります。あらかじめ確認をしておき、メモを取って「火葬する火葬場の名称」や「埋葬する場所の名称」を把握しておくとよいでしょう。
用紙の入手から火葬許可までの流れ
死亡届の用紙を入手することで、葬儀の準備が進められることとなります。それは、死亡届を提出しないと火葬許可が得られないからです。
まずは、死亡届の用紙を入手してから、死亡届を記入して提出します。 ここでは火葬許可証を取得してご遺体を火葬するまでの流れを順を追いながら確認をしていきます。死亡届の提出から始まる流れを確認することで死亡届の重要性も確認できるはずです。
用紙の取得
死亡届の用紙は、市区町村役場で取得ができるほか、インターネットを利用してダウンロードすることも可能です。また、病院にも置いてある場合が多くあります。
死亡届は、全国共通の書式ですから、どこの自治体のホームページからダウンロードしても問題なく利用することができます。
また、死亡届には必ず医師が記入する「死亡診断書(死体検案書)」が必要になります。「死亡届」と「死亡診断書」は合わせて1枚の書式となっています。そのため、医師が「死亡診断書」を作成していれば自ずと手に入ることになります。また、事件や事故で亡くなった場合には、警察が「死体検案書」を作成しています。この場合も「死体検案書」と「死亡届」は合わせて1枚の書式になっているので、わざわざ区役所に用紙を取りに出向かなくとも手に入る場合が多いのです。
記入、提出
記入は、死亡届の届出人が行います。届出人となれるのは、親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者とされています。これら届出人に該当する人がいない場合には、病院長などが届出人になる場合があります。この場合、届出人欄の「公設所の長」にチェックをつけて提出をします。
提出先は、死亡した場所、届出人の所在地、または、死亡した方の本籍地のいずれかの役所の戸籍課戸籍係となっています。
火葬許可書(埋葬許可書)の取得
火葬を行うためには「火葬許可証」が必要になります。また、埋葬を行う場合も「埋葬許可証」が必要になります。この許可証を取得せずに火葬をした場合には、2万円以下の罰金、または拘留、もしくは科料とされています。また火葬許可証がなければ火葬場が受け付けをしてくれません。
この「火葬許可証」は、役所に「死亡届」を提出する際に、「火葬許許可証申請書」を一緒に提出して受理されれば、その場で交付してもらえます。交付された「火葬許可証」は、火葬の際に必要になるので大切に保管する必要があります。
死亡届提出時の注意点
死亡届の提出先は、住民票や本籍ある役所の戸籍課が基本となります。戸籍課では、356日24時間、婚姻届や出生届と同じように死亡届を受け付けています。ですから、慌てて提出することはありません。
しかし、死亡届を提出する際にはいくつか注意をすべきことがあります。ここでは、実際に提出する際に困らないように注意すべき点を解説します。
1.期日を守る
死亡届には、提出期日があります。死亡を知った日を含めて7日以内に提出をしなければなりません。役所の窓口で24時間受け付けを行っていることから、7日もあれば十分に提出が可能なはずです。
7日以内に提出できないと5万円以下の罰金が科せられる可能性が生じます。また、この死亡届と同時に「火葬許可証申請書」を提出しないと「火葬許可証」を取得することができません。火葬を行うためにも必要となるので期日を守って提出する必要があるのです。
2.提出する前に原本のコピーを取る
万が一のことを考えれば、提出する前に「死亡届」の原本のコピーを取っておけば安心できます。死亡届を提出することで、火葬など葬儀の準備をすることが可能になります。それ以外にも故人の状況によっては、年金受給停止手続きや介護保険喪失届、世帯主の変更など行わなければならないことが多い実情があります。
なかでも、亡くなった方が世帯主だった場合は、世帯主変更届を14日以内に提出しなければなりません。つまりは、煩雑なことが多く発生するので、万が一のことを考えて提出した書類のコピーを取っておけば安心に繋がるのです。
提出は葬儀会社が代行することも可能
死亡届の提出は、葬儀会社が代行することも可能です。火葬場の手配、葬儀の準備と合わせて考えれば死亡届の提出も葬儀会社に依頼をするのも一つの選択肢として選べることになります。
もちろん、葬儀会社に依頼をすれば、それなりに費用が発生しますが、さまざまな対応を考えれば、まとめて葬儀会社に依頼をすれば手間も省ることにも繋がります。
この場合は、葬儀会社へ依頼をする前にしっかりと見積もりをしてもらう必要があります。見積もりの料金を確認した上で、依頼をするかしないかを決めるのが理想的です。見積額を見て納得の上の依頼となれば、後々になって高い費用を払うことになったと後悔することもありません。事前にしっかりと確認をすることはとても大切なことになります。
まとめ
人が亡くなると何かとしなければならない事が多いことに驚くはずです。その手始めとなるのが「死亡届」の作成です。
この死亡届を提出しなければ、火葬も埋葬も行えません。しかし、多くの人がこの死亡届の作成や提出の経験がないのです。
葬儀の準備を円滑に行い、故人とのお別れ、故人の供養と気持ちよく事を進めるためにも、自分自身の不安は取り除いておきたいものです。
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