親族が亡くなり、急な葬儀があり、そして瞬く間に相続手続きが始まる。
ただ、人が亡くなるということだけでも感情が大きく揺れ動くものにも関わらず、相続というお金がかかわる冷静な手続きまで行うというのは大変な労力を必要とするものです。
そのため、事前に知識として、
・葬儀をするのに必要な準備
・相続をするのに必要な準備
を一連の流れで今回はご紹介していきたいと思います。
葬儀から相続までの時間
まず知っておきたいこととして、葬儀~相続までどれくらいの時間がかかり、またどれくらいまでに終わらせなければいけないのかということです。
まず人が亡くなってから5日間が大切といわれています。
この段階で、どれだけ葬儀の準備と実施・相続の準備が出来るのかが、そこからかかる時間を左右してきます。
なぜ5日間というと、亡くなり、連絡し、葬儀が終わるのが約5日間だからです。
葬儀と相続には必要なモノとヒトが重なる部分も多いため、段取り次第では流れで進めていくことが可能になります。
まず葬儀と相続を円滑に進めるために、一番の問題になるのが「ヒト」でしょう。
例えば、遠方に住んでいる親族の方が多い場合は相続の相談や交渉が行われる際に毎回呼び出していてはお互いの金銭面なども不安になる場合があります。また体力的にも行き来する必要があるため余計疲れが出始めます。葬儀を行うことでさえ、体力・精神力を使うことのため、そういった違う部分のストレスが相続へ影響したりしてしまいます。
また相続などにおいて「遺言書」は大切なものです。しかしここで疑念が生まれてしまってはいけません。葬儀がある程度落ち着いたタイミングなどで、全員で確認することが一番安心感をもって進めていくポイントにもなります。
それでは、まずは葬儀・相続の大切なポイントである「ヒト」の準備についてお伝えします。
葬儀・相続にかかわる「ヒト」の準備
まずは、葬儀にかかわる「ヒト」について
・法定相続人および相続人
・葬儀社
・お寺や教会などの僧侶、神父など
・親戚
・故人の友人
・故人の仕事関係者
こういった人が葬儀を準備するのに、大切な「ヒト」になります。
最近では葬儀の形がかわり、故人が生前関わった人を全て呼ぶような形式の葬式から、「火葬式」や「一日葬」などなるべく近親者や本当に近しい人物だけを呼ぶ葬儀も増えてきました。そのためどのような形式で葬儀を行うべきか。ということは「葬儀社」に相談をすることがおすすめになります。
なぜならば葬儀については、「故人」のためであり、残された「家族」のためでもあるからです。「故人」がどのような友人関係を保っていたのか、会社でどのような立場だったのか、そして残された「家族」が今後そのような方たちと、どのように関係性を保っていくのかということまで考えて葬儀の種類は選択する必要があります。
そしてこの「葬儀に必要なヒト」のなかで注意が必要なポイントがあります。
それは、「法定相続人」と「親戚」の違いです。
意外に、「法定相続人」=「親戚」と思われている方も多いのではないでしょうか。
法定相続人とは?親戚との違い
法定相続人とは、民法によって定められた故人が残した遺産を相続することができる人(相続人)を指します。民法によって定められている法定相続人を優先順位でご紹介します。
第1順位:死亡した人の子供
第2順位:死亡した人の直系尊属・・・故人の父、母、祖父母等
第3順位:死亡した人の兄弟姉妹・・・故人の姉、兄、妹等
となっています。
実は親戚といっても、法定相続人には親戚すべてが含まれるわけではないのです。
地域によっては親戚ぐるみの付き合いが多く、相続が大変だと思われる方も多いかもしれませんが、実は法律上関係してくる「ヒト」はそこまで多くないのです。
またこの順位というのは、相続における遺言書がなかった場合などに利用されるもので、「相続の分割」についての優先度になります。
このなかで疎遠になっていたり、人間関係がうまくいってなかったりするため、葬儀に呼ばないという場合もあるかもしれません。しかしかならず「相続」を行うためには必要な人物になります。
「遺言書」があり、法律的には問題ない状態が担保されていたとしても、そこからトラブルに発展してしまっては相続にかかる時間が長くなってしまいます。またそのトラブルが発端で事件や民事裁判まで突入してしまう場合さえあるので、注意が必要です。
まずは「法定相続人」は「葬儀」になるべく呼び、遺言書の確認や相続放棄などの意思をしっかりと確認をして手続きに進んでいきましょう。
相続の準備に必要なモノとヒト
続いて相続にかかわる「ヒト」や「モノ」についてお伝えします。
【ヒト】
・法定相続人
・相続人
・弁護士等
【モノ】
・遺言書
が挙げられます。弁護士や行政書士などは、必要がある際となりますが初めての相続手続きなどの場合や、故人の資産・負債が大きい場合などはトラブルに発展しやすいため依頼することがおすすめになります。どのような人に頼めばいいのかわからない場合や、付き合いがある士業の方がいない場合などは葬儀の際に葬儀社の人に相談すると、紹介をしてくれる場合などもあります。
そして「法定相続人」と「相続人」の違いですが、法律によって定められている「法定相続人」というのは先ほどあげられた3つの範囲です。それに対して「相続人」は遺言書に書かれている相続の対象となるヒト全てを指します。例えば「友人」「愛人」に相続をさせたいといった遺言書を残した個人がいる場合は、そのヒトも相続人になります。
まとめ
「葬儀」は、式のため進行管理がうまい葬儀社にしっかりとどのような式を行いたいという意思を伝え、任せることで、しっかりと故人を偲ぶことができる式ができるでしょう。
しかし「相続」は、手続きのため「期限」や、そしてその手続きまでいく「交渉」が必要になる場合があります。特に遺言書がない場合や今回ご紹介した「相続人」が多かったり、「法定相続人」の関係が複雑だったりする場合は、しっかりとした準備が必要になります。
けっして「仲が悪い」「関係性が薄い」などではなく、
・遺言書はあるのか?
・法定相続人は誰なのか?
・相続人は誰なのか?
・遺産はどれくらいあるのか?
を確認をし、葬儀の準備から相続の流れを円滑に進めていけるしましょう。