急にお葬式をすることになったりお葬式に参列することになったり、お葬式は突然やってきてしまいますよね。心の準備もないままにお葬式になることは、とても多いと思います。その中でももちろん喪主が一番忙しいのですが、それを支える周りの方も忙しくなってしまいます。
何を準備するのか、誰に連絡を取るのか、右も左も分かりませんよね。自分の親戚が急に亡くなってしまったり、自分が喪主になったりすることもあるはずです。急なことに慌てないためにも、予習をしておくと段取りが分かるので気持ちはずいぶん楽になります。
今回は、お葬式で喪主になったときの段取りや、参列するときのマナーをお伝えしていこうと思います。
急な葬式での事前知識。火葬式や直葬式など
亡くなってからお葬式をするまで、基本的には三日間かかります。亡くなって次の日にお通夜を行い、その次の日に告別式を行い荼毘に付します。火葬を行う際は友引を避けて行うことが多くなっています。
しかし、日をまたぐことなくその日にお通夜を行えることもあります。それは朝に亡くなった場合です。これは、ご臨終してから荼毘に付すまで、最低24時間のご安置をすることが法律で決められていることに由来します。その為当日の夜にお通夜を終えて、次の日には火葬をすることもあります。
火葬場がフル稼働している場合、火葬まで1週間待つこともありますが、その反対でご臨終してから24時間で荼毘に付すこともあります。
実は今需要が高まっている一日葬のようにお通夜や告別式のどちらかを省略することや、火葬式、直葬式といった、お通夜と告別式のどちらも省略して行う葬式が多くなってきていることによって日を飽くことなく火葬を行うことも多くなりました。火葬式や直葬を選ぶと、ご臨終してから1日で火葬を行うこともできてしまうのです。
そんな時に喪主になってしまったらどのような準備をすればよいのでしょうか。
急な葬式、どのような流れ?喪主は何を用意すればいいの?
火葬式や直葬は急なことが多く、参列する人数も少ないことが多くなります。
喪主は、亡くなった方から一番近い関係の方が行います。配偶者、長男、長女、兄弟、一緒に住んでいる子供などです。近親者が揃って喪主を決めていきます。
喪主になると、決めなければいけないことが沢山あるので忙しくなってしまいます。
特に直葬や火葬式の場合、火葬場が開いていれば一日開けてすぐにでも火葬を行うことが出来てしまうので、ますます早く決めなければいけません。一般的に行うお葬式の流れは、
ご安置→お通夜→告別式→火葬→骨上げ→還骨法要や初七日法要、精進落とし
このようになっていて、お通夜と告別式で日を変えて行うので3日ほどかかります。
一日葬は、告別式をあげないで火葬を行います。
火葬式や直葬は、お通夜も告別式も行わず、ご安置した後に火葬を行います。
このように式によって大きく変わってきますので、自分たちにあった式の方法を選んでいただければと思います。
【一般葬、一日葬、火葬式(直葬)で喪主がすることの違い】
実はこれらの間で、喪主がすること自体はほとんど変わらないのですが、一般葬と一日葬、火葬式(直葬)とでは、決めなくても良いことがあります。喪主の仕事自体がなくなることもあるので、どういったことをしていくのか見ていこうと思います。ぜひ参考にしてみてください。
●葬儀会社を決める・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
●宗教の確認をする・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
※宗教やお世話になっているお寺や教会などの確認を行います。
●予算や場所、日取りを決めていく・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
※お通夜や告別式を行う場合の式場、葬儀の内容やいつ行うのかも決めていきます。
●参列者へ連絡をする・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
※この時に式の内容も伝える。特に一日葬や火葬式といった普通のお葬式とは違う場合、この時にきちんと伝える
ようにします。
●遺影を決める・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
●書類の手配・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
※亡くなってからの死亡届、火葬許可証、埋葬許可証など
●式を取り仕切る・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)〇
ここまでは喪主はやることは一緒です。ここから、式によってやることが変わってきます。
●手伝ってもらう人を決める・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)△
※受付や会計係など頼む人を相談して決めていきます。火葬式の場合、必要がない場合があります。
●挨拶や接待・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)△×
●弔辞の依頼・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)×
●僧侶を呼ぶ・・・一般葬〇 一日葬〇 火葬式(直葬)△×
●返礼品や接待の為の料理の手配・・・一般葬〇 一日葬△ 火葬式(直葬)△×
※香典返しや通夜振る舞いや精進落としなどで必要になる料理などの手配をしていきます。香典を受け取らないことがある一日葬や、火葬式では必要ない場合もあります。香典を受け取ると返礼する必要があるので、参列者に連絡をする時点で香典についても記載があると親切です。
このように参列者や式の内容によって必要がないものもあるので、しっかりと確認していきましょう。
火葬式にした場合、お寺とのトラブルになる場合があります。お寺に最初に相談するなどしてトラブルを事前に避けましょう。
僧侶やお坊さんは、読経をしていただくだけでなく、亡くなった方の戒名を付けたりお墓の管理などがあります。火葬式で読経をしてもらわないから連絡をしないのではなく、きちんと連絡をし、僧侶を呼ぶか呼ばないかを判断してくださいね。
急な葬式で準備に困ったら。参列者が気を付けることとは?
お葬式は急に連絡が来るもの。分かってはいるけど、一日葬や火葬式になってしまった場合、参列する側も準備などどのようにしていいのか迷いますよね。
十分に用意が出来ないですし、駆けつけることが出来た方は急なこともあってマナーもわからずに参列することもあると思います。
火葬式や直葬式は、親しい間柄の方を呼ぶので、特にマナーが気になります。
急に行われる火葬式や直葬式では、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
【服装】
男性も女性も一般葬と一日葬、火葬式(直葬)は特に変える必要はありません。
~男性~
まず、男性は、喪服を用意します。喪服を持っていない方は、上半身は白いワイシャツ、下は黒いズボンと、黒い靴下を履いていきましょう。できれば、光沢のない黒いネクタイを締めていってください。靴ももちろん光沢のない黒い靴を用意します。
腕時計と結婚指輪以外の装飾物はつけないようにします。タイピンも光るので避けましょう。また、ベルトも光らないものにします。
~女性~
女性も基本は喪服を用意します。喪服が用意できないときは、黒い光沢のないワンピースで、ひざ下丈のものを選ぶようにします。
素足や厚手のタイツでの参列は失礼にあたります。30デニールほどのストッキングを着用します。靴も光沢がないものにします。サンダルなどの前が空いている靴や、ピンヒールなどは避けます。
アクセサリーは、女性もシンプルな時計や、結婚指輪だけにします。真珠のものであればつけても問題ありませんが、つける場合は二重にならないものにしましょう。
バックはふくさとハンカチなどが入る小さめの黒いカバンを用意します。このときも光沢があるものや皮のものは避けるようにします。
~共通~
男性も女性も共通して身に着けてはいけないものがあります。
殺生を意味するので、皮でできたコートやバック、靴も避けます。もちろん蛇もよろしくありません。
【香典】
一般的な葬儀では、関係性によって金額が変わってきます。しかし、火葬式(直葬)では、香典をもらわないことが多いです。訃報の連絡がきた時に香典のことに触れていなければ一般的な金額の香典を用意しておくと無難です。
まとめ
急なお葬式には誰しもが困ることが多いと思います。
実際に今では東京で行われているお葬式の約20~30%が、火葬式(直葬)を選んでいるといわれています。
しかし、まだまだ一般葬で行うお葬式の形が一番多く、火葬式は認知されていないところも少なくありません。一日葬や火葬式(直葬)など違った形式で故人を送る場合は、きちんと参列者や寺院に説明をしてトラブルが起きないようにしましょう。
突然一般葬と違う葬式をすると決まってもするべきこととしないことを明確にして、喪主になる方も、参列する方も急なお葬式に慌てずに過ごすようにしてくださいね。