お通夜や葬儀、告別式において、参列できなかった方からのお悔やみの言葉として「弔電(ちょうでん)」が読まれます。
親しい間柄でありながら、事情があって葬儀に参列できなかった場合は、弔電を送ることがマナーとなっています。
しかし、電報というものを日常的に送ることがなくなった昨今において、突然の訃報に対して、素早く正しい弔電を送ることは難しいと感じる方が多いでしょう。
この記事では、弔電の送り方から送る際のマナーなどをまとめて解説いたします。
初めての弔電でも戸惑わないよう、事前に準備をしておくことが大切です。
弔電とは?
弔電(ちょうでん)とは、親しい人の葬儀に参列できない場合に、葬儀会場へお送りする電報のことです。
近年、メールやスマホの普及によって電報というものはあまり利用されなくなっていますが、弔電は離れた場所から哀悼の意を伝えるための正式な方法として現在も使われています。
葬儀の日程というものは、結婚式などと違って予測ができないものであるため、日程の都合でどうしても葬儀に出られないということは起こり得ます。
参列できなくても、ご遺族に故人を悼む気持ちを伝えられるのが弔電です。
弔電で、初めて電報を送るという方もおられるかと思います。送り方やマナーなどをきちんと把握した上で、正しく弔電を送るようにしましょう。
弔電の送り方
弔電は、お悔やみの気持ちを表す電報のことですから、やり方は電報と同じです。
送り方には、3通りの方法があります。
1.郵便局に行く
2.電話で申し込む
3.インターネットで申し込む
一つずつ紹介いたします。
1.郵便局から送る
郵便局で弔電を申し込む場合は、最寄りの郵便局の窓口まで行く必要あります。
郵便局の受付時間外では取り扱ってもらえませんので、時間には注意しましょう。
郵便局の窓口で申し込むと、手書きの文字を送ることができたり、追跡サービスで配達状況を確認できる点がメリットです。
時間の制約はありますが、手書きで気持ちを伝えたいという方にはおすすめです。
2.電話で送る
続いて、電話で申し込む方法です。
電話で115番にかけて、オペレーターとやりとりをしながら文面や台紙などを決定します。19時までに申し込めば当日中に配達してくれるので、緊急時に便利なのがメリットです。
弔電は基本的に、葬儀や告別式の前に届いていなくてはいけません。
郵便局に行けず、急ぎで弔電を送らなくてはならない場合は、電話を活用しましょう。
3.インターネットで送る
最後にインターネットの場合です。画面上で弔電の台紙を選ぶことができ、文章も例文を参考にしながら記入できます。
配送や申し込み締め切りは、商品や届け先によって異なります。届け先が遠方の場合は、早めに手配するようにしましょう。
インターネットの電報サービスには、シチュエーション別に例文が掲載されていることが多いです。
仕事の取引先に送るときや、それほど付き合いが深くない場合などは、電報サービスに用意されている文例を参考にすると良いでしょう。
弔電を送ることのメリット
これまで弔電は、やむを得ずお通夜やお葬式に行くことができない時に送るものとして話を進めてきましたが、それ以外にも弔電を送るべきシチュエーションがあります。
それは、密葬、家族葬といった形式で葬儀が行われ参列を遠慮すべき状況や、「香典・供花・供物は辞退いたします」といった案内があった場合です。
この場合でも、弔電は送っても問題がないとされています。
お世話になった方や特別親しかった方とのお別れが密葬となった場合に、故人やご遺族の意向を尊重しながらも、お悔やみの気持ちを伝えることができるのが弔電です。
ご遺族にも、お香典返しなどの余計な心配をかけることなく、お悔やみの気持ちを受け取っていただくことができます。
葬儀に参列できない場合、香典はどうするの?
では、特に密葬ということではなく、こちらの事情でお弔いに参列せず弔電を送った場合には、お香典はどのようにすればいいのでしょうか?
故人を偲ぶ気持ちは多種多様であり、決まりをつくることはできませんので、お香典に関しても明確な決まりはありません。
弔電だけではいけないということもなく、お香典だけでもいけないということもありません。
しかし、故人を想う気持ちが強い場合には、たとえ参列できなくても弔電とお香典の両方を送るとより気持ちが伝わりやすいといえます。
お香典は香典用ののし袋に包み、お悔やみの手紙とともに現金書留で送るのがマナーです。
送るタイミングは訃報から一週間以内がよいでしょう。これは、ご遺族が四十九日の法要の頃にお香典返しを終えることが多いためです。
もしタイミングを外してしまった場合にもできるだけ早く、遅くとも一カ月以内にはお香典を送るようにしましょう。
お通夜やお葬式には間に合わなくても、後日時間がとれたり都合がついた場合には、事前に連絡の上、お香典を持参してお線香をあげに伺うと、よりいっそう気持ちが伝わります。
弔電を送る上でのマナー
弔電を送る際には、気をつけるべきマナーがいくつかあります。
葬儀会場に届いたあと、読み上げられる際のことまで考えて文面を作成しましょう。
弔電を送る正しいタイミングとは?
弔電は、いつ送ってもいいというわけではありません。
お通夜や葬儀、告別式が始まる前に届くように送ることがマナーです。
逆に、儀式の後に弔電を送ることは失礼にあたります。
葬儀の当日は、悲しみを抱える喪主やご遺族に少しでも負担をかけないよう、弔電を送るタイミングにも気を使うようにしましょう。
弔電にふさわしい文面、ふさわしくない文面とは?
弔電の内容は基本的に自由ですが、宗教や宗派によって使ってはいけない言葉や言い回しがあります。
例えば、仏式で一般的に利用される「成仏」「往生」といった言葉は、神式やキリスト教の方には使ってはいけません。
そのほか、重ね言葉や、死を連想させる言葉を指す「忌み言葉」も使用を避けましょう。
重ね言葉とは、「ますます」「たびたび」といった言葉です。また、「続く」「再び」「追って」なども繰り返しが連想される忌み言葉として、葬儀の場にはふさわしくないとされています。
初めて弔電を作成する場合は、インターネットの電報サービスに記載されている文例などを参考にすることをおすすめします。
一般的な葬儀の言い回しのマナーを守った文面になるようにしましょう。
最後に忘れてはいけないのが、差出人として自分の名前を記載する際に、ふりがなをつけることです。
葬儀会場では、読経の最中に弔電を読み上げます。その際に誤った読み方で名前を読み上げられてしまわないよう、ふりがなは必須です。
葬儀のお困りごとなら「雅葬会」へご相談ください
ここまで弔電について解説してきましたが、故人を弔う最善の方法は、可能であればお通夜やお葬式に参列することです。
どうしてもそれが叶わない場合には、落ち着いて弔電を送ることでお悔やみを伝えます。
訃報に動転して焦ってしまう気持ちはわかりますが、逆に失礼にあたる弔電となってしまわないよう細心の注意を払いましょう。
いつ何時、弔電を送る立場になるかわかりません。この記事でご紹介した基本情報を押さえ、きちんと哀悼の意を伝えるように備えましょう。
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