一日葬に喪主挨拶は必要?
最近は家族のあり方の変化に伴い、お通夜を行わずに一日でお別れを済ませる
「一日葬」というのが増えています。
一般的なお葬式と比較した場合、葬儀の期間が短くなるため喪主が挨拶を行うタイミングも少なくなることが考えられます。
しかし一日葬においても、喪主の挨拶は必要であり、完全に省略できるものではありません。
一日葬儀とはいえ、喪主は葬儀の主催者であり、集まってくれた参列者に対して感謝の言葉を伝える必要があるからです。
そこでこの記事では、一日葬の喪主の挨拶について、どのようなタイミングでどのような挨拶をすれば良いのかについて詳しく紹介します。
一日葬での喪主挨拶のタイミングは?
一日葬ではお通夜を行わないため、基本的には告別式で挨拶を行うことがほとんどです。
お通夜を省略したとしても、会場の準備をしたり、お焼香したり普通の葬式と同じように実施します。
一般的なお葬式では、お通夜の際にも挨拶するのですが、そのお通夜の挨拶がなくなったものと考えておけば良いでしょう。
挨拶のときには、簡単な自己紹介をした後に参列者への感謝の言葉を伝え、亡くなった故人に関しての思い出話を添えます。
ただしこの挨拶のタイミングは、葬儀のスタッフが指示してくれるのでそこまで心配する必要はないでしょう。
一日葬における喪主挨拶のマナー
一日葬だからといって一般的なお葬式の挨拶と内容が大きく異なるわけではありません。
葬儀の挨拶として基本的なことを押さえておけば問題ありません。
ここからは、葬儀において喪主が挨拶をするにあたり覚えておきたいマナーについて紹介していきます。
忌み言葉を避ける
葬儀の挨拶では忌み言葉を避けるのがマナーです。
意味言葉は不幸が続くことを連想させてしまうため、出席者に不吉な印象を与えてしまうからです。
忌み言葉とはどのようなワードでしょうか。
例えば、
- ・浮かばれない
- ・迷う
- ・破れる
- ・無くす
- ・おしまい(最後)
などです。
また、忙しいというフレーズを思わず使ってしまいがちですが、この
「忙しい」も忌み言葉にあたるので注意が必要です。
重ね言葉を避ける
葬儀では忌み言葉と同様に重ね言葉を避けましょう。
重ね言葉は不幸が連鎖するような印象を与えてしまい、忌み言葉と同様に参列した人に不吉な印象を与えてしまいます。
この重ね言葉にはどのようなものがあるでしょうか。
例えば
などが挙げられます。
こういった言葉は日常の会話の中でたくさん紛れ込んでいて、ふとしたときに無意識で行ってしまいがちです。
葬儀の挨拶の場合、このような重ね言葉を思わず言ってしまわないように事前に何を言うべきかある程度把握しておくと良いでしょう。
3分程度に収める
一日葬に限らず喪主の挨拶は、3分位を程度に考えておくと良いでしょう。
喪主の挨拶は、3分以内にしなければいけないというルールがあるわけではありませんし、思いが溢れてきて、思わずいろいろなことを伝えたいと思ってしまいがちですね。
しかし、葬儀に参列してくれている人の中には、忙しい中何とか時間を作ってきてくれている人もいます。
そういったことを考えると、喪主の挨拶はだらだらと続けるより、3分程度の目安を区切っておくほうが参列する人も有難いかもしれません。
話し足りなければ、告別式が終わった後、タイミングを見計らって個人的に挨拶をすると良いでしょう。
一日葬における喪主挨拶作成のポイント
簡潔に、重ね言葉や意味言葉を使わないようにスマートな挨拶をするために、事前にどのような挨拶をするのか考えておくことが大切です。
ここからは一日葬での喪主挨拶を考える際に押さえておきたいポイントについて説明しましょう。
挨拶の流れを予め決める
詳細な挨拶文を考える前に、どのような内容を話すのか、おおまな流れを決めておきましょう。
まずは簡単な自己紹介と、故人との関係を参列者に説明します。
参列者の中には、故人とのつながりはあるものの、
「喪主とは初めて顔を合わせた」というケースも十分にあり得るからです。
次に忙しい中、参列してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えます。
最後に故人とのエピソードを語ります。
個人的な内容ではなく、できれば参列者たちが関係があるような内容を含めると心に残るでしょう。
最後に、僧侶への挨拶の言葉を使って締めることができればスマートな印象を与えます。
冒頭文はコンパクトにまとめる
自己紹介をする際には、だらだらと長くなってしまいがちですが、ここは簡単な自己紹介に留めておきましょう。
特に話し始めは緊張しているため、頭が真っ白になりよくわからないことを言ってしまいがちです。
冒頭をシンプルにすることで、緊張をほぐす効果もありますし、シンプルなほうがより印象に残りやすいでしょう。
また、語り出しをコンパクトにすることで挨拶自体も長引かず終わらせることができます。
原稿やメモ帳などのカンペを用意する
葬儀の喪主挨拶は、原稿やメモ帳などのカンペを用意しても問題ありません。
何も見ずに話そうとすると途中で何を話していいのかわからなくなってしまったり、緊張して頭が真っ白になってしまったりすることもあります。
参列した人に感謝の気持ちを伝えることが大切ですから、無理に話す内容を覚える必要はないのです。
例えば、感謝の気持ちを伝えるときは、自分の言葉で伝えるなど臨機応変に対応しても良いでしょう。
一日葬における喪主の挨拶例文
それでは具体的にどのような挨拶をしたら良いのか、例文を紹介しつつ説明しましょう。
喪主の挨拶例文
本日は、母(父)〇〇の葬儀に参列いただきましてありがとうございます。父は〇〇という仕事をしていましたが、私が子供の頃は忙しい中でも、時間を見つけて遊んでくれました。
定年した後は、趣味の旅行やカラオケなどを楽しんでおり、お付き合いしていただいた方々には大変お世話になったことと思います。
長い間、病気と戦っていましたが、月 日、享年〇〇歳で永眠いたしました。皆様に参列いただき、さぞや喜んでいると思います。本当にありがとうございました。
喪主代行の喪主挨拶例文
本日はご参列いただきましてありがとうございます。喪主に代わって親族を代表いたしましてご挨拶をさせていただきます。故人とは〇〇の関係でございます。本日は突然のことにもかかわらず、〇〇の一日葬にご参列いただきまして誠にありがとうございます。
たくさんの方々に見送っていただき、さぞや喜んでいることでしょう。また喪主も心強く感じております。故人と喪主に代わりまして厚く御礼申し上げます。
おかげさまをもちまして、無事に葬儀を執り行うことができました。お時間の許す限りゆっくりしていただければ幸いです。
一日葬の喪主挨拶に関するよくある質問
最後に、一日葬の喪主挨拶に関してよくある質問に対してのQ &Aを紹介します。
家族葬の場合、喪主挨拶は不要?
一日葬であったとしても、基本的に喪主の挨拶は必要です。
喪主の挨拶とは参列してくれた方々への感謝の気持ちを示すものであり、欠かすことはできません。
ただし、家族や親族の少人数だけで小さく執り行う場合には、省略できるかもしれません。
わざわざ故人と喪主との関係を説明する必要もありませんし、感謝の気持ちは直接一人、一人にかければ良いでしょう。
喪主挨拶の際に泣いてしまいそうです
喪主は故人との結びつきが強いことがほとんどですから、思い出から挨拶をしながら泣いてしまうかもしれません。
喪主の挨拶の最中に泣いてしまっても、それは失礼なことではありません。
ただし、号泣してしまって挨拶ができないようでは困りますので、対処法を紹介します。
・息を止める、深呼吸をする
呼吸を整えるだけで、一瞬だけ冷静になることができます。
・口を開ける
口を開けると涙が止まることがあります。
まとめ
この記事では、一日葬における喪主の挨拶について紹介しました。
喪主の挨拶は、参列してくれた人への感謝の気持ちを伝える大切な行為であり、一日葬だからといって喪主が挨拶をしなくていいわけではありません。
喪主の挨拶文は、忌み言葉や重ね言葉を避け、事前に原稿やカンペを作っておくことをおすすめします。