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葬儀の豆知識
お通夜は平服でもマナー違反にならないって本当?
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突然の訃報に慌てて喪服を探したけれど喪服がないという方や「平服でお越しください」という案内が届いた方など、お通夜に平服で参加しても本当にマナー違反にならないのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

今回は、「そもそも平服とはどのような服装を指すのか」、「お通夜に平服で参加してマナー違反にならないのか」、「平服で参加する場合には、どのような服装がお通夜にはふさわしいのか」平服についてのさまざまな疑問にお答えします。それでは見ていきましょう。

 

お通夜は平服で参加してもいい?


結論から述べると、お通夜に平服で参加することはマナー違反ではありません。葬儀や告別式、遺族の場合などは喪服の着用がマナーとなりますが、一般会葬者の場合には、お通夜に平服で参加しても問題ないでしょう。

しかし、平服で参加していいといっても一体平服とはどのような服装なのか疑問に思いませんか?そもそも平服って何?と思う方もいるはずです。

ここからは、今更聞けない……という基本的な疑問から解説していきます。

平服とは


平服は「へいふく」と読み、広辞苑では「日常に着る服。普段着」というように説明されています。

また、「平服」の「平」は「平常時」という言葉にも用いられるため、文字通りに「平服=普段着ている服」というように解釈できます。

しかし、「平服」とは、言葉通りの「普段着」ではないので、日常で着用しているTシャツやジーンズを平服として捉え、お通夜に参加してはいけません。

 

平服=カジュアルな普段着ではない


一般的には「平服=普段着」とは捉えられていません。

先ほどもお伝えしたように、多くの方がお通夜では男性はスーツ、女性であればスカートやワンピースなど、普段着よりかしこまった服装を選びます。

故人を偲ぶ気持ちに服装は関係ありませんが、目立つことを避けたい場合には、「平服」だとしても、カジュアルな普段着は控えた方が無難でしょう。

 

あくまで喪服(礼装)よりも格式を下げるという意味


では、結局のところ「平服」とはどのような服装を指すのでしょうか。

平服は、事実上の意味としては「堅苦しい服装ではなく、礼服よりも格式を下げた服」として考えられています。

礼服のように、ネクタイやスーツの色まで深くは気にしなくても良いですが、Tシャツやジーンズなどといった普段着まで格式を下げてはいけない服装のこと、つまり、「普段着以上礼服未満の服装(略礼服)のことを平服という」と考えることができます。

 

お通夜に平服で参加してもマナー違反にならない理由


お通夜に喪服で参列することは逆に失礼にあたると考える方もいます。

これは、訃報というものは突然の連絡である場合が多いことから、お通夜に喪服で参列するということは、前もって準備していたように捉えられてしまうからです。

現代では携帯電話ですぐに連絡が取れる時代であるため、訃報を受けてから準備をして、お通夜に間に合うことができますが、昔の風習の名残から、お通夜は平服でもマナー違反ではありません。

 

お通夜に参列する場合の平服マナー


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平服でお通夜に参列する際には、厳かな喪の雰囲気に合わせたきちんとした服装が求められます。とはいえ、具体的にどのような服装がふさわしいのか悩ましいところですよね。

平服の場合は白やピンクなどの派手な色を避け、地味な色で無地の服装を選びましょう。

スーツの着用やワンピース、セットアップなどを選ぶことが基本的なマナーです。

以下から、男性の場合、女性の場合、子供の場合の平服の選び方について、詳しく説明します。

 

男性の場合


男性の場合、基本的には白無地のレギュラーカラーのワイシャツ、黒色のネクタイ、ブラックスーツの着用が基本的なスタイルで、お通夜の会場で浮いてしまうことはないでしょう。

ネクタイは地味な色であれば問題ありませんが、黒色のネクタイを選ぶ方が無難です。結ぶ際にはくぼみ(ディンプル)をつくらないことがお悔やみの場でのマナーとなっています。

ワイシャツに関しては、色柄のものやボタンダウンのシャツは避けた方がいいでしょう。

 

お通夜に限り、グレーや紺のスーツでもOK


スーツの色は、黒以外にも、グレーや紺のスーツなど、地味な色であれば問題ありません。柄は本来、無地が望ましいですが、織柄や薄いストライプ程度ならマナー違反とはならないでしょう。

黒以外のスーツを着用する場合には、ネクタイは必ず黒色のものを着用するようにしてください。また、靴下やベルトは黒無地でシンプルなもの、靴は黒の革靴を選ぶといいです。

エナメルやスエード素材の靴は、マナー違反となるので注意しましょう。

女性の場合


黒や紺、グレーなどの地味な色のワンピースやセットアップ、アンサンブルが基本的な平服の装いです。ストッキングは30デニール以下の黒ストッキングが基本です。

中に着るトップスも白色のものは避け、黒などの暗い色を選びましょう。

露出の多いデザインは控え、スカートの丈は膝からふくらはぎが上品な丈です。

アクセサリーは真珠のものが定番ですが、連なっているものや2重になっているものは不幸が重なる連想になるため、避けてください。

 

子供の場合


学生の場合は学校の制服を着用すれば問題ありません。

制服によっては無地ではなかったり、明るい色の制服もあるかと思いますが、学生服自体が正装に当てはまるので大丈夫です。

子供の場合や制服がない場合には、地味な色合いのシンプルな服を着用しましょう。制服に似たような、白シャツに黒やグレーのスカートやパンツを合わせた装いであれば問題ありません。ただし、キャラクターなどのデザインが入ったものは避けてください。

 

お通夜に持参するべき小物


ここからは、お通夜に持参するべきものをご紹介します。

お通夜では普段とは違う服装だけではなく、日常ではあまり使用しないような持ち物が必要になります。うっかり忘れてしまわないように、必ず確認しておきましょう。

具体的には、ふくさ、数珠、ハンカチの3点が基本的な持ち物です。他にも女性であれば予備のストッキングやメイク道具、男性であれば予備のシャツや髭剃りなど、必要なものはありますが、全員に共通するものとして、ふくさ、数珠、ハンカチの3点について、詳しく説明していきます。

 

ふくさ


ふくさは漢字では「袱紗」と書きます。ふくさとは、祝儀や香典を包むために使用される布のことで、お通夜の際には左開きで使用します。

慶事には暖色系のふくさを利用できますが、弔事の場合は紫、緑、紺、藍色、灰色などの寒色系のふくさを利用するのが一般的です。紫色のふくさは慶事にも弔事にも利用できるので、1枚もっておくと便利です。

ふくさの模様は無地ものであれば、お通夜に限らず、どのようなシーンでも使いやすいためおすすめです。

 

数珠


数珠は念珠とも呼ばれ、仏教のお通夜に参列する際に持参します。数珠の種類は豊富であり、宗派によって珠の形や結び方、形状が異なるものです。

故人の宗派が仏教でない場合や、自分自身が仏教徒でない場合などは、数珠を持たなくても失礼にはあたらないので大丈夫です。また、数珠の貸し借りはタブー視されているため注意しましょう。手元にない場合は持参しなくても特に問題はありません。

数珠を持参した際にはお焼香の場面で使用しますが、使わない時でもお通夜の間は手に持っておきましょう。

 

ハンカチ


普段ハンカチを持たない方は最も忘れやすい持ち物ですので注意してください。お通夜のマナーとして白か黒の無地のハンカチを持って行くといいでしょう。派手な柄が入っているものや派手な色、タオル生地のものは避けるのが無難です。

女性であれば、座った際にハンカチを膝に乗せることもあるため、黒色のハンカチを持参すると服装と同化し、目立ちづらくなります。近年ハンカチについてそこまで厳しいマナーは求められませんが、ラメが入ったハンカチなど華美なものは避けましょう。

 

葬儀・告別式は喪服で参列するのがマナー


お通夜では平服を着用して参列することがマナー違反とはなりませんが、葬儀や告別式に参列する場合にはきちんと喪服を用意しましょう。

これまで葬儀に参加したことがない方や、久しぶりに喪服を着たらサイズが合わないという方は、即日仕立て可能な店で購入したり、レンタルサービスや知人・親戚に借りるなどして対応しましょう。葬儀や告別式に平服で参列するのはマナー違反となってしまいますので注意してください。

また、遺族はお通夜、葬儀、告別式において喪服を着用するのが基本的なマナーです。

 

まとめ


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今回は、お通夜に参加する時には平服で参加していいの?という疑問にお答えしました。

結論としては問題ありません。ただし、「平服=普段着ではない」という点に注意しましょう。

お通夜に平服で参加する場合には、男性や女性、子供の場合も共通して、黒や紺、グレーなどの地味で落ち着いた色のシンプルな服装が望ましいです。

また、平服で参加してもマナー違反とならないのは、あくまでお通夜の場合であり、葬儀や告別式に参加する場合には喪服を着用しましょう。