突然の悲しい知らせに驚いている間もなく、始まってしまうお通夜は、どうしてもバタバタしがちになり、特に香典の表書きや包む金額などには迷ってしまうものです。
しかし、故人や遺族の方に失礼のないようにしたいと思っていることでしょう。
そこで今回は、お通夜に行く際に迷ってしまう方も多い、
香典書き方や相場など詳しく説明していきます。
そもそも香典が必要な理由は?
香典とは、故人にお供えする金品のことで、線香や供花などの代わりとされています。
特に日本では昔から、故人を見送る際に蝋燭と線香の火を絶やさないようにしていました。
遺族や親族で行われている「寝ずの番」がこれに当たります。
現在は何日も火を灯し続けることは少なくなってきていますが、本来は、故人が亡くなってから四十九日まで行っていました。
そのため、以前は、大量の線香が必要ということもあり、お通夜にはその線香を持参していたのです。
香典には葬儀という突然の出費に対し、
お互いに助け合うという意味もあるのです。
香典袋の種類や選び方
・5千円以下:水引きがプリントされたもの
・1〜2万円:7〜10本の白黒か双銀の水引き
・3〜5万円ー:10本以上の双銀の水引き
・6〜9万円:双銀の水引きの中金封
・10万円以上:高級和紙などの大金封
香典袋の種類には、水引きがプリントされた簡略的なものから、白黒の水引きまたは双銀の水引きが付いたものまで、いくつかの種類があります。
それぞれの香典袋に見合った金額がありますが、大抵は香典袋を包装している外袋に目安になる金額が記載されていること多いので、確認してから購入します。
少ない金額に大金封の立派な香典袋を使用するのは遺族の方にも失礼に当たるので、中身と袋がアンバランスにならないよう、金額に合わせて選ぶようにしましょう。
お通夜での香典袋の表書きは「御霊前」と「御仏前」どっち?
故人の信仰によって香典袋の表書きは変わってきます。
一般的に、「御霊前」もしくは「御香典」と書くことが多いですが、これは仏教系の場合です。
しかし、浄土真宗の場合には、亡くなるとすぐに仏になるという考え方のため「御仏前」と書き、キリスト教の場合は「御花料」と記入します。
もしも
故人の信仰が不明の場合は、「御花料」もしくは「御霊前」と書くのが無難とされています。
また、表書きには薄墨の筆ペン漢数字で金額を記入し、裏側には自分の名前や住所を書いておくと親切です。
香典袋のお金の入れ方は?
香典にお札を入れる際は、
中袋の表面に対して、お札の肖像が入っているほうを伏せて入れます。
また、最近は気にしない人も多くなってきていますが、香典袋に入れるお札は新札を避けるようにします。
しかし、あまりにも汚れているお札を入れてしまうのは失礼に当たります。
そういうこともあり、万が一、新札しか手持ちがない場合は、一旦折り目を付けてから入れるようにすると良いでしょう。
お通夜での香典袋の渡し方やマナー
お通夜に行くと大抵の場合は、受付が設置されているので、まず受付を済ませます。
渡すまでは袱紗に入れておき、袱紗がない場合は、なるべく使っていないハンカチなどに包んで持っていきます。
そして、袱紗から取り出して、その上に香典袋をのせ、香典袋の向きを相手側にして両手で渡します。
その際、
お悔やみの言葉と共に香典を渡すようにしましょう。
お悔やみの言葉は「この度はまことに御愁傷様でした」など、一言で構いません。
香典の金額相場はいくらくらい?
それでは、実際に香典として包む金額は一般的にはどれくらいなのでしょう。故人との関係や、年齢、地域などによっても変わってきますが、概ね下記の通りなので参考にしてみてください。
身内
・父母:5〜10万円
・兄弟(姉妹):5万円
身内の場合は香典の金額も高めになってきます。
しかし、自分が喪主や葬儀費用の負担をしている場合には香典を包むことはありませんし、無理にたくさん包むこともありません。
また、
学生の場合など、自分が扶養されている立場の場合も必要ありません。
配偶者
・配偶者の父母:5〜10万円
・配偶者の兄弟(姉妹):3~5万円
配偶者の身内であっても、香典に包む金額の目安は、自分の親や兄弟(姉妹)と同じになります。
他に兄弟(姉妹)などがいる場合は、後で揉めることのないよう、あらかじめ相談して金額を決めておいたほうが良いでしょう。
親戚
・親戚:5千円〜2万円
身内などとは違い、
どの程度親しかったかによっても香典の金額の目安は変わってきます。
何年も会っていない遠い親戚の場合もあるでしょう。
参列するには遠くて出向くことができない場合は現金書留や弔電を利用するのもひとつの方法です。
友人・知人
・友人・知人:5千円〜1万円
友人や知人も、
故人との関係性によります。
親しい友人で、生前にとてもお世話になったという場合は少し多めに包んでもいいでしょう。
しかし、受け取った遺族が負担になるような金額にするのはやめておきましょう。
職場
・上司、同僚:5千円〜1万円
職場の場合は、職場の仲間でまとめて渡す場合も多いので、代表者を決めておきましょう。
また、まとめずにそれぞれ個人で渡す場合、職場の同僚の年齢層がさまざまであれば、他に渡す人達との金額のバランスを考えて渡すのが無難です。
特に、
ひと回り上の年齢の先輩よりも、金額を少なくするといった配慮も必要になります。
お通夜の香典に関するよくある疑問
一般的なお通夜については、説明してきましたが、いつもと違う場面に出くわすことがあるかもしれません。ここでは、お通夜の香典に関するよくある質問を紹介します。
香典を渡すタイミングや回数は?
香典を渡すタイミングは、まず受付を済ませて、その後にそのまま受付で渡すようにします。
もしも受付がない場合は、お焼香をするときに、霊前にお供えするようにします。
また、香典は何度も渡す必要はないので、
一度渡すだけで大丈夫です。
香典が必要ないケースはある?
最近では、
遺族が香典を辞退するケースも増えてきています。
前もって分かっている場合が多いので、その場合には香典を用意する必要はありません。
また、香典を受け取ると、香典返しの用意が必要になるので、その負担を減らすために香典を受け取らないようにしたいと思う遺族もいるのです。
何かしなければという気持ちになるかもしれませんが、遺族の意思を尊重することが大切です。
葬儀や告別式などお通夜以外にもその都度、香典を渡す必要がある?
お通夜と告別式の両方に行くことになった場合にも、
香典は一度渡すだけで大丈夫です。
ただ、お通夜で香典を渡していても、告別式に参列するのなら、受付で芳名帳には記入するほうが親切といえます。
遺族は誰が参列したかを記録として残しているからです。
その際に、前日にお通夜で香典を渡したことを伝えるといいでしょう。
まとめ
なかなか難しいお通夜や香典のことですが、少し覚えておくだけで、余裕をもった気持ちで故人を見送ることができるのではないでしょうか。
最近はマナーについても、あまりこだわらない人が増えてきています。
とはいえ、誰も不快な思いをすることなくスムーズなほうが故人も喜ぶでしょう。ぜひこの記事を参考にしてくださいね。