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お花代の封筒の選び方や書き方は?渡すときのマナーと合わせて解説
葬儀の際に香典を準備することはなんとなく知っていても、「お花代」についてはよく分からないという方もいらっしゃいますよね。
いざ「お花代」を渡す立場になったとき、マナーを知らずに礼を欠いてしまうといけませんので、社会人として適切な対応ができるよう、今回は一般的な仏教式の葬儀で渡す「お花代」について見ていきましょう。
お花代とは
お花代は、故人へお供えする花の費用として、参列者や親族が遺族側に渡すお金です。故人へのお供え物の基本は「花」「光」「香り」の三つで、お花代はそのうちの「花」にあたるものです。
もちろん生花をそのまま渡しても構わないのですが、便宜上、生花を贈る代わりに現金を包んで渡すことが一般的に行われています。
お花代を渡すケースとしては次の三つがあります。
通夜や葬儀の「生花代として」
葬儀が済んでから「香典の代わりとして」
法事の際の「供花代として」
香典との違い
では、香典とはどのような違いがあるのでしょうか。香典は、かつては遺族への支援という意味合いで品物を渡していたものが、形を変えて現金を渡すようになったものです。
香典の“香”は線香や抹香などのお香、つまり、前述の「花」「光」「香り」でいうと「香り」にあたります。“典”は供えることを意味しますので、故人の霊前で焚く香などのお供え物ということですね。
このように現代では、故人に供える花は「お花代」、お香などの供え物は「香典」という名目で、現金を包むことが一般的になっています。
御花料との違い
お花代と混同されがちなものとして「御花料(おはなりょう)」があります。御花料はキリスト教式の葬儀で遺族に渡す金銭を表すもので、その意味合いは仏教式の“香典”と同じと考えられます。
キリスト教式の葬儀では品物ではなく“献花”に重きを置くことから、名目は「御花料」とするのです。
このように、「お花代」と「御花料」は宗教が異なりますので、仏教式の葬儀で渡す封筒に「御花料」と書いてしまったり、いい間違えたりしないように気を付けてください。
お花代の費用相場
お花代の相場は、香典とは別に渡す場合と、香典の代わりに渡す場合とで金額が異なります。
【香典とは別にお花代を渡す場合】
この場合は“供花”と同等程度の金額とされていて、一般的には1万5千~2万円程度が中心です。お返しなどが遺族の負担にならないように高額でも3万円程度が適切とされています。
ただし、故人とそれほど親しい関係でない場合は3千円からで良いとの考え方もありますので、故人との関係や葬儀の規模を考慮して、3千~3万円の間で決めると良いでしょう。
【香典の代わりとして渡す場合】
通夜や葬儀が済んでから渡す場合は“香典”の金額が目安となり、故人との関係によって次のような金額が相場となっています。
《両親》5万~10万円
《兄弟》3万~5万円
《祖父母》1万~5万円
《その他親族》1万~3万円
《職場関係者》5千~1万円
《友人・知人》5千~1万円
お花代の封筒の選び方
お花代を渡す際には“封筒”に入れることがマナーで、郵便用とは異なる“弔事用”の封筒を使用しなければなりません。近年、弔事用の封筒はコンビニや百均、スーパーなどでも立派なものが売られていますので、手軽に手に入るようになっています。
ただし、封筒の選び方には細かな決まりがあり、それらを守らずに渡してしまうと相手に失礼になってしまいますので、ルールに沿って適切な封筒を選ぶ必要があります。では、封筒の選び方を見ていきましょう。
一般的なのは不祝儀袋
お花代を入れる封筒は、“結び切りの水引(みずひき)”を用いた不祝儀袋を使用するのが一般的です。結び切りの水引にはいくつかの色の組み合わせがあり、地域によっては「黄白」や「青白」を使用することもありますが、「黒白」「双銀」が全国共通で使用できます。
水引が付いている不祝儀袋がない場合は、白無地の封筒を使用しても構いません。
白無地の封筒はどの宗教でも使用できますが、蓮の花が描かれているものは仏教式用、ユリの花や十字架が書かれているものはキリスト教式用と決められていますので、間違えて使用しないようにしてください。
水引は金額によって選ぶ
不祝儀用の封筒には、水引が印刷された略式のものと、実際に水引がかけられているものがあります。また、封筒の大きさも、お札が数枚入る程度のものから大きめのサイズのものまで、いくつかの種類が見られます。
水引が付いた不祝儀袋を使用する場合は、包む金額に応じて水引の色やデザインの豪華さを変えなければなりません。目安は次の通りです。
1万円まで
水引が印刷された略式のもの
3万円まで
黒白の水引が付いたもの
3万円以上
双銀の水引が付いたもの
10万円以上
大判で、ひだ折りのある高級和紙製のもの
お花代の封筒の書き方
包む金額に応じた封筒を用意したら、表書きをし、中袋にも必要な事柄を記入していきましょう。
表書きや中袋には「薄墨(うすずみ)」で書くことが正式とされています。これは故人との突然の別れに、悲しみの涙で文字が滲んでしまったということを表します。
薄墨がない場合は普通の濃さのものでも構いませんが、ボールペンやサインペンは避けてください。文房具店やコンビニ、百均などで「薄墨に見える筆ペン」が購入できますので、利用すると便利です。
この他にも封筒の書き方にはマナーがありますので、具体的に見ていきましょう。
表書き
封筒の表に書く事柄は、名目と送り主の名前です。
【名目】
「御花代」または「お花代」とします。
書く位置は、
《水引がある封筒の場合》
水引の上部、左右のちょうど中心に位置するところ。
《水引のない白無地の封筒の場合》
封筒の中央よりやや上寄りに、同じく左右の中心。
【表書きに書く送り主の名前】
書く位置は、
《水引がある封筒の場合》
水引の下部、左右のちょうど中心に位置するところ。
《水引のない白無地の封筒の場合》
封筒と中央よりやや下の位置で、名前の書き終わりが封筒の底辺ギリギリにならない位置で、同じく左右の中心。
いずれも縦書きで、名目はやや大きく、送り主の名前はやや小さめに書くように意識しましょう。
連名にする場合
表書きの送り主の名前を連名で書く場合は、年齢や地位の高い人の氏名から順に右から左へ並べて書いていきます。上下関係がない場合は五十音順で書くのがおすすめです。
また、連名で書くときは見た目のバランスを考慮して3名までが望ましいとされています。
4名以上で出し合う場合は「代表者氏名 一同」や「代表者氏名 他〇名」とし、別紙に全員の名前を記して添えると良いでしょう。
送り主が法人である場合には「会社名」を記入し、その左側に「〇〇部(課)一同」といったように書きます。
いずれの場合も封筒の左右の余白がなるべく均等になるよう、中心の位置にバランス良く書くのがポイントです。
中袋
封筒に中袋がついている場合は、中袋にも記載事項を書き記します。これは、外包みを外してしまうと誰から幾ら受け取ったかが分からなくなるのを防ぐためです。
《表側》
包んだ金額をやや大きめに、中央に書きます。このとき、金額などの表記は旧字体の漢数字を使用することが適切です。
1万円は「金壱萬圓也」、2万5千円は「金弐万伍仟圓也」となります。
《裏側》
送り主の郵便番号・住所・氏名をやや小さめに、左下に書いてください。
住所などの数字はアラビア数字ではなく、「一丁目二番地三号」や「一ノ二ノ三」のように日常で使用する漢数字を使用します。
また、中袋がついていない封筒を使用する場合には、外袋の裏側に送り主の郵便番号・住所・氏名と、包んだ金額を記載します。書く位置は左下で、やや小さめに書きましょう。
この場合も、金額だけは旧字体の漢数字を使用してください。
お花代でお札を入れる際の注意点
表書きなどをして封筒の準備が整ったら、紙幣を入れていきます。お花代として包む紙幣は何でも良いというわけではなく、選び方や入れ方、包み方にもマナーやルールがあります。遺族に対して失礼のないように細かな部分まで気を配って、きちんと準備してください。
では、紙幣についての注意点を見ていきましょう。
お札の選び方
まず、紙幣の選び方ですが、「祝儀は新札」「不祝儀は旧札」を使用することが慣例となっています。これは、不祝儀の場合に新札を使用すると「まるで死を予期して準備していたかのよう」な印象になり、遺族に失礼にあたるからです。
葬儀の際の「お花代」も不祝儀になりますので「旧札」を準備します。旧札といってもあまりボロボロの紙幣では相手に不快感を与えてしまいますので、きれいな旧札を選んでください。きれいな旧札がない場合は、新札に軽く折り目を付けて入れるという方法でも大丈夫です。
お札の入れ方・包み方
紙幣を封筒に入れる際には、すべての紙幣の向きを揃えることが基本です。一般的には封筒を正面から見て右手で紙幣を取り出すことを前提とし、取り出したときに人物の顔が見えないように入れるのが慣例となっているようです。
また、このとき紙幣の上下が正しくなるように入れると良いでしょう。
上包みがある不祝儀袋のたたみ方ですが、下側を先にたたみ、その上から上側を重ねる決まりになっています。これは、香典など不祝儀では共通のたたみ方になりますので覚えておいてください。
お花代を渡すときのマナー
一般的に、通夜や葬儀で渡すのは香典が基本です。お花代を包んで渡す場合には香典も別に包み、お花代と香典の両方を渡すことがマナーとなっています。お花代だけを渡すことは基本的にはマナー違反となりますので注意してください。
また、この他にも、親族や参列者など遺族との関係によっては渡し方が異なってきますので、ご紹介しておきます。
親族の場合
親族としてお花代を渡す場合は、以下のように自身と遺族との関係を考慮した上で、「お花代」を包んで渡すか、または「供花代」を負担することになります。
《遺族と自身が家族の場合》
葬儀の打ち合わせに参加し、自身の名前で「供花」を出すか、または葬儀費用として「一部負担金」を喪主に渡します。
《喪主と近い関係にあるが遠方に住んでいる場合》
葬儀の打ち合わせには参加せず、自身の名前で供花を出すように頼み、あとで「供花代」を喪主に直接渡します。
《親族でも葬儀の打ち合わせに参加する立場ではない場合》
「お花代」として包んで喪主に直接渡すと良いでしょう。
《遠縁にあたる親族の場合》
一般参列者とほぼ同じ立場で「お花代」として包み、喪主に直接渡すか、通夜や葬儀の受付で渡します。
参列者の場合
友人・知人や仕事関係者がお花代を渡す場合は、基本的には通夜や葬儀の受付で渡します。お花代を渡す代わりに個人で直接「供花」を手配しても構いませんし、“友人一同”や“法人”として「供花」を手配することも可能です。
また、通夜や葬儀に参列できない場合などには、香典の代わりに「供花」を贈ることもあります。
このように、そのときの状況によって「お花代」ではなく「供花」を贈ることもありますが、執り行われる葬儀のスタイルや規模に合わせて花の色合いや豪華さなどを考慮しなくてはなりませんので、「供花」を贈る際には必ず喪主に確認をして了承を得ることを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、「お花代」に関するマナーを中心に、故人との関係による渡し方の違いについても解説しました。
お花代を贈るということは故人の死を悼む「気持ち」を伝える行為です。せっかくの気持ちを台無しにしないよう、封筒の選び方や書き方、紙幣の入れ方などもおろそかにせず、きちんとマナーに沿って準備することが大切です。
ただし、マナーや慣習は宗派や地域によって異なる場合がありますので、お花代を贈る際には必ず親族や葬儀会社などに確認するようにしましょう。
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