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自宅葬が増加傾向な理由|メリットや、デメリットへの対応策を解説
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自宅葬が増加傾向な理由|メリットや、デメリットへの対応策を解説
自宅葬とは、自宅を会場として執り行う葬儀の方法です。
自宅の部屋の一室に、祭壇や棺、供物・供花などを設置し、通夜および葬儀・告別式を行います(地域によっては、通夜のみを自宅で行い、葬儀・告別式は寺院や斎場で行うところもあります)。
自宅で行うため、故人の住み慣れた自宅で葬儀を行えるだけではなく、葬儀の日程はもちろん、内容についても、比較的自由に決められることが特徴です。
かつては葬儀の主流でしたが、集合住宅の増加などの影響から、斎場で行う「斎場葬」へと変わってきました。
ところが近年、自宅葬は増加傾向にあります。
今回は自宅葬が増加傾向にある理由や、自宅葬のメリット・デメリット、デメリットへの対応策などを解説しています。
自宅葬のメリット・デメリットを理解して、どのような葬儀にするのか検討してください。
自宅葬が増加傾向の理由
近年、自宅葬が増加傾向にあります。その理由として、コロナウィルス感染拡大の防止対策として小規模な自宅葬が選択されていることが挙げられます。
また、核家族化により故人との関係性があまり重視されなくなっていることや、故人の高齢化によって故人の友人や知人などが他界していること、在宅医療を選択した場合なども大きな理由に挙げられるでしょう。
近年の葬儀は形やしきたりに囚われることなく、自身の思う形で故人を送り出す傾向にあります。
実際、2020年の自宅施行件数(自宅に安置後、儀式は行わずに火葬する直葬も含む)は、前年比58%増と大幅に増え、全施行件数に占める割合は前年比2.2ポイント増の6.9%となっています。
参考:
「自宅葬」コロナ禍の今、じわり注目を集める背景 「家族だけでゆっくり見送り」を希望する人も
自宅葬のメリット
日本で古くから行われてきた自宅葬ですが、現代では集合住宅の増加や、大規模な葬儀には向かないことから斎場などで行うことがほとんどでした。
しかし上記のように、コロナ禍での感染防止対策による葬儀の小規模化や葬儀の自由化が進み、自宅葬の選択が増えています。自宅葬にはどんなメリットがあるのか、以下で詳しく解説していきます。
・住み慣れた家でお別れができる
・時間に縛りがない
・自由な形式で葬儀ができる
・式場を借りる費用がかからない
・少人数の葬儀に向いている
住み慣れた家でお別れができる
自宅葬は故人が生前住んでいた我が家で執り行われるため、最期の時間を住み慣れた家で過ごすことができます。闘病中でなかなか自宅に帰れなかった方や、在宅医療を選択した方も、「お別れは自宅に帰りたい」「最期はやはり住み慣れた自宅で過ごしたい」という方も多いと思います。
コロナ禍での背景としては、「病院に入院してコロナ禍で面会できなかったために、最後は自宅から送りたい」、「友人らを呼ぶために葬儀場での葬儀を検討していた遺族でも、密を避けるなどを理由に自宅を選びやすくなった」などの声も聞かれます。
また、自宅でなら故人の好きだったものを用意するのも手間がかからず、思い出のたくさん詰まった空間で通夜や告別式が行えるため、家族や参列者も思い出話に花を咲かせることができます。
時間に縛りがない
会場を借りて葬儀を執り行う場合は、さまざまな制約を受ける可能性があり、時間に縛りがあることもあるでしょう。しかし、自宅葬を選択していれば家族や参列する方にもある程度の時間の猶予があります。
例に挙げると、通夜での寝ずの番は葬儀会社の規則で禁止されたり、ペットの立ち入りを禁止されたりする例がありました。
自宅葬なら通夜での夜通しの番ができ、自由に別れを惜しむ時間ができます。
自由な形式で葬儀ができる
葬儀の形は、「こうじゃなければならない」という決まりはありません。
自宅葬では、故人を自宅に安置している期間を長めにとって、ゆっくりと見送りができるよう手配することもできます。
葬儀を葬儀社主導ではなく、遺族が望むことを遺族自身で選ぶことができるのです。
形式にとらわれず、遺族が望む形で自由に葬儀を執り行うことができるのが自宅葬の特徴であり、メリットといえるでしょう。
式場を借りる費用がかからない
葬場を借りて葬儀を執り行う場合は会場料がかかってしまいますが、自宅葬で行う場合その費用はかかりません。よって、経済的負担も少なく抑えられます。
しかし、葬儀会社によっては式場を含めたセットプランが用意されていることが多く、自宅葬を選択した場合の方がスタッフの派遣料などで費用が嵩む場合もあります。
安価を求めて自宅葬を選択しようとする場合、費用がどれぐらいかかるのかを比較し、確認しておくとよいでしょう。
自宅葬のデメリット
自宅葬にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。
・自力で行う場合準備が大変
・ご近所への対応が必須
・家庭のプライベートな面が見えてしまう
・ある程度の空間が必要
・霊柩車などの駐車スペースが必要
ご近所への配慮や設置準備など、遺族にかかる負担が大きくなってしまう部分などを詳しく解説していきます。
自力で行う場合準備が大変
自宅葬でも葬儀社に頼めばある程度の準備をしてもらえますが、自宅内の片付けや整備などはもちろん家族が行います。会場を借りる場合とは違い、自力で行う準備の手間がかかることは覚悟する必要があるでしょう。
祭壇の設置や参列者への食事(通夜振る舞いをする場合)の準備や後片付けに僧侶への手配など、手配することは多くあります。
ご近所への対応が必須
自宅葬ではご近所への配慮が必要になってきます。
葬儀の前後や当日は訪れる弔問客や業者の出入りが、近所に住んでいる方も気になるでしょう。そのため、ご近所の方にはあらかじめ挨拶をして自宅での葬儀と説明をしておき、トラブルになる前に事前に配慮する必要があります。
家庭のプライベートな面が見えてしまう
自宅葬のデメリットとして、家庭内のプライベートな部分が見えてしまう点もデメリットとして挙げられます。もちろん自宅で葬儀を行うことで参列者や葬儀社などの「家族以外」の人たちの出入りがあります。会場となる部屋のみならず、トイレなどの生活動線上にも気を配る必要があるでしょう。
ある程度の空間が必要
自宅葬では、飾りつける祭壇や故人の棺など、大きなものが入るかどうかあらかじめ確認する必要があります。
棺は幅があり、玄関が狭いと搬入出来ない場合があるので事前に玄関にものが多い場合は退かすなどする必要があります。
自宅葬が増加している昨今では自宅葬用の祭壇の用意や、棺の周りに供花を飾るのみの祭壇のスタイルもありますが、豪華な飾り付けをしたい場合などはある程度のスペースが必要になってきます。
自宅葬での祭壇の種類や大きさに関しては、
自宅葬の祭壇の種類や費用は?選び方のポイントや並べ方まで解説
で詳しく解説しているので参考にしてください。
霊柩車などの駐車スペースが必要
参列者には遠方から車で訪れる方や、小さなお子様連れの方がいらっしゃることも考慮し、駐車場のスペースが必要になってきます。
また、霊柩車が駐車するスペースがあるかどうかも確認しなければなりません。霊柩車は通常の自家用車と比べると一回り大きく、考慮する必要があります。
霊柩車の駐車スペースがない場合でも自宅葬ができるのか、葬儀社に問い合わせする必要があるでしょう。
自宅葬のデメリットへの対応策
上記デメリットに当てはまる場合は自宅葬での葬儀の対応策を講じなければなりません。
ここでは自宅葬のデメリットへの対策を解説していきます。
・式自体はなるべく少人数で行う
・弔問客は時間ごとに決め入れ替わりにする
・ご近所への配慮は事前に
・コインパーキングを見つけておく
・葬儀屋を介す
式自体はなるべく少人数で行う
自宅葬は葬儀場のように大勢の人が入れるスペースがありません。また、車で参列する人の
駐車場スペースの確保が必要なため、いっぺんに大人数の葬儀は難しいでしょう。
「家庭のプライベートな面が見えてしまう」「ある程度の空間が必要」「駐車スペースが必要」などのデメリットには、式自体の人数を最小限で行うことが回避になるでしょう。
1部屋に部屋に入る人数や、僧侶の部屋を確保することも考えると、式自体の人数を少人数で執り行うことが自宅葬をスムーズに行える対応策といえます。
弔問客は時間ごとに決め入れ替わりにする
弔問客が多いと、自宅葬の場合は家に入りきらないことがあります。
葬儀のみ近親者で行い、弔問客の方には時間ごとに分けて弔問してもらうようにすることで、デメリット回避になるでしょう。
ご近所への配慮は事前に
自宅葬の場合は近隣への配慮にも注意が必要です。自宅を葬儀の会場に使用することで、近隣住民にご迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのため、ご近所の方々にはあらかじめ事情を伝えて了承を得ておくことが大切になります。
また、葬儀が終わったあとも、あらためて挨拶に出向くと、今後のつき合いもスムーズにできるでしょう。無事に自宅葬を執り行えたことを報告し、感謝の気持ちを伝えましょう。
コインパーキングを見つけておく
「霊柩車などの駐車スペースが必要」のデメリットへの対応策を解説します。
自宅前に駐車スペースがない場合は、あらかじめ駐車場を確保する必要があります。
都心でもコインパーキングなどをあらかじめ探し、車で訪れる方には事前に案内しておきましょう。霊柩車もコインパーキングに入れてもらうか、時間を決めておくとよいでしょう。
もしコインパーキングが見つからなければ、参列者の方にはあらかじめ電車やバスなどの公共機関を利用してもらうようお願いしておきましょう。
葬儀屋を介す
自宅葬を親族だけで行う場合は、さまざまな手順を踏まなければなりません。しかし、葬儀社を介すことで負担が軽くなります。
近年の自宅葬の増加により、自宅葬専門の葬儀会社や自宅葬を取り扱う葬儀社も増えています。
葬儀社に依頼する場合も通常の自宅葬とプロセスは同じで、気になった葬儀社に自身で問い合わせや資料請求をします。
・自宅のスペースが葬儀ができる広さであるか
・駐車場のスペースや確保ができているか
・賃貸住宅や集合住宅の場合は大家さんや管理組合に了解を得ているか
以上が最低限自宅葬を行う際の注意点です。もし自身で確認が取れない場合は葬儀社に相談しましょう。スタッフが全ての疑問に対してサポートしますので、安心して自宅葬が執り行えるはずです。
自宅葬の費用相場
自宅葬の費用相場を表にしましたので以下でご確認ください。
棺
3万円前後
骨壺
3000円~5000円
ドライアイス
1日当たり5000円程度
自宅から火葬場までの霊柩車
2万円前後(走行距離10km以内)
火葬費用
8万円前後
会葬御礼品
1000円前後(参列者1人あたり)
飲食接待費
2000円~5000円(参列者1人あたり)
葬儀社によって費用はさまざまですが、大体上記くらいの金額が最低ラインです。
オプションとして行いたいことがあるようであれば別途追加料金で実行できる場合もあるので、葬儀社に相談することをおすすめします。
まとめ
自宅葬が増加傾向な理由や自宅葬のメリット、デメリットへの対応策などを解説してきました。
自宅葬が増えている理由は、葬儀の自由化と人との接触を避けるための対策でした。自宅葬は会場費がかからず、しきたりに縛られない自由な葬儀ができます。
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