葬儀の豆知識
密葬とは?秘密裏に行う葬儀の意味とやり方
「家族でゆっくり故人を見送りたい場合に選ばれる「密葬」。芸能人や企業の社長などが亡くなった場合に用いられてきましたが、最近は一般の方からも多く選ばれています。今回は、密葬の流れやよくある質問について解説するので、ぜひ参考にしてください。」
密葬とは?
密葬は、芸能人や企業の社長など、多くの参列者が見込まれる葬儀を行う前に、近親者だけで秘密裏に行われるものを指します。多数の方の参列が予想される場合、準備や参列者の対応に追われるため、家族とゆっくりお別れする時間を取れない可能性があります。そのため、後日にお別れ会を開くことを前提とし、近親者だけで密葬を行うのです。
なお、一般人でも秘密裏に行いたい希望があれば執り行うことができます。家族やごく親しい友人だけを集めて行われるため、「静かにお別れしたい」という理由から選ぶ方も増えています。
家族葬との違い
家族葬も密葬も、どちらも参列者を家族や親しい友人などに限定して行われます。しかし、家族葬の場合は、本葬の後にお別れ会が設けられることはありません。家族や親しい友人たちのみで行う葬儀ですべて完結します。
一方、密葬の場合は、密葬の後に本葬やお別れ会を設けるケースがほとんどです。密葬だけで完結せず、本葬やお別れ会とセットで行われる点が家族葬との大きな違いといえます。なお、密葬は本葬やお別れ会とセットで行われるため、家族葬より費用が高くなりやすいです。
密葬を行う流れ
ここからは、密葬を行う流れについて詳しく解説していきます。一般的な葬儀と異なる点があるため、密葬をスムーズに執り行うためにも、密葬を検討している方はぜひ参考にしてください。
1.密葬の参列者や菩提寺に連絡を入れる
2.一般的な葬儀の儀式を行う
3.本葬やお別れ会の日程を発表する
4.本葬やお別れ会を行う
では以下にて、詳しい内容を見ていきましょう。
1.密葬の参列者や菩提寺に連絡を入れる
密葬を執り行うと決めたら、参列者や菩提寺に対して連絡を入れましょう。このとき、密葬であることを告げて他言無用のお願いをすることが重要です。著名人が亡くなった場合、ファンやマスコミに知れ渡ってしまっては大変です。
家族間で認識のずれが起きないように、事前に参列者の範囲を話し合っておくことも大切です。
2.一般的な葬儀の儀式を行う
葬儀の内容は、一般的な葬儀の儀式と同様です。納棺の後に通夜と葬儀を行い、出棺・火葬という流れで行われます。
なお、家族葬だけでなく密葬の場合も挨拶状の準備が必要です。密葬は家族や親友など限られた人しか参列できないため、後から知って残念に思う方が多くみられます。そのため、関係者の方には生前のお礼も込めて挨拶状を準備しましょう。
3.本葬やお別れ会の日程を発表する
家族とごく近しい友人のみでの密葬が終わったら、本葬やお別れ会の日程を発表します。本葬の日程を発表する場合は、弔電や香典の有無についても伝えましょう。
お別れ会は、日程が決まったら1ヵ月前には招待者に対して案内状を送付するのが一般的です。香典を受け取る形か会費制にするか決め、会費制にする場合は金額についても記載しましょう。案内状の返信が届いたら、その中からお別れの言葉を読んでもらう人を決めます。
4.本葬やお別れ会を行う
お別れ会は、「会食パーティー形式」「セレモニー形式」「混合形式」のいずれかで行われるのが一般的です。会食パーティー形式の場合は、最初に献花や弔礼を行い、そのあとに立食スタイルの会食を行います。特に決まりがなく、献花だけの参加や会食を途中退場するのも認められています。
セレモニー形式の場合は、一般的な葬儀に近い感じで行われる場合が多いです。なお、参列者が困らないためにも、事前に当日の流れや開催時間などについても簡単に伝えておくのがおすすめです。参列者が気持ちよくお別れできるようにするためにも、しっかりと準備しておきましょう。
密葬に関するよくある質問
ここからは、密葬に関するよくある質問を紹介します。近年は、著名人でなくても「家族だけで先にゆっくり見送りたい」として、密葬を選ぶ方が増えています。しかし、密葬には一般的な葬式と異なる点がいくつかあります。
「どの葬儀社に依頼すればいい?」「何人くらい呼んだらいい?」など、分からないことが多いでしょう。以下では、密葬を選択した場合の葬儀社の選び方や会社へ連絡する方法なども紹介します。密葬を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
服装や持ち物は?
密葬に参列する服装は、案内状に記載されている通りに従うのがマナーです。案内状に平服で来るように書かれていた場合は、喪服ではなく平服で参列しましょう。男性であれば黒や紺のスーツ、女性であれば黒のワンピースを選ぶのがおすすめです。
案内状に服装についての記載がない場合は、お別れ会が行われる会場に合わせて選びましょう。セレモニー形式の場合は喪服が望ましいですが、ホテルで行われる会食パーティー形式の場合は、他のお客さんのことも考えて喪服は避けましょう。
葬儀社はどこにすればいい?
密葬を検討している場合は、密葬に慣れた葬儀社を利用するのがおすすめです。密葬は、基本的に家族やごく近しい友人だけでひっそりと行われるものです。密葬を扱った経験がない葬儀社だと対応に慣れていない可能性があるため、必ず実績をチェックしましょう。
なお、葬儀社選びに迷った場合は、複数の葬儀社から見積もりをもらって比較検討するのがおすすめです。葬儀社ごとにプラン内容が異なるため、希望に沿った式を行うためにもしっかりと比較検討しましょう。
会社への連絡はどうしたらいい?
故人が会社に勤めていた場合は、亡くなった時点で早めに訃報を知らせましょう。そのときに密葬であること、周囲に情報を漏らさないでほしいことを伝える必要があります。密葬であることを伝えないと、参列者が来てしまうので注意が必要です。
供花や香典などを辞退する場合も、密葬であることを言うタイミングで伝えておきましょう。密葬が終わったら、無事に葬儀を終えたことを報告し、お別れ会に関する案内状を渡します。
密葬には何人くらい呼べばいい?
ひとくちに密葬といっても、人によって呼ぶ範囲は異なります。50人以上が参列するものもあれば、家族のみで行う場合もあります。特に人数の縛りは設けられていないので、故人と生前に話し合って決めておくのがおすすめです。
ただし、プランによっては人数制限が設けられている場合もあります。人数によって選ぶ会場も変わってくるため、葬儀社と相談しながら決めていきましょう。
密葬の香典はいくら包めばいい?
密葬は参列者が少ないため、一般的よりすこし多めに包むとよいでしょう。会費制が設けられている場合は、案内状に記載された金額を包みます。白無地の封筒に会費を入れ、住所と名前を記載して持参しましょう。
お別れ会の会費の相場は、1~2万円程度と言われています。案内状に「香典辞退」と書かれている場合は、香典を持参しないのがマナーです。無理に渡すと遺族の負担になるため、案内状の内容をしっかりと確認しましょう。
まとめ
今回は、密葬の流れやよくある質問について解説しました。密葬は、「静かにお別れしたい」という理由から選ぶ方が増えている葬儀形式です。密葬なら、多くの参列者の対応に追われることなく、故人との最後の時間をゆっくりと過ごすことができます。
どの葬儀社に依頼すればいいか迷った場合は、複数の葬儀社から見積もりをもらって比較検討するのがおすすめです。ぜひ本記事で解説した内容を参考にして、故人を気持ちよく送り出すための葬儀を検討してみてはいかがでしょうか。