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散骨は違法?合法?注意点も知っておこう
散骨は違法?合法?注意点も知っておこう
散骨は違法?個人的に散骨するのは不可能?故人が希望する海に散骨できるの?こんな散骨に関する、疑問についてお答えします。「そもそも散骨とは?」という初歩的な話から法律の話も交えて、分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
散骨は違法ではない?
結論から言うと、「散骨」は違法ではありません。
「墓地、埋葬等に関する法律」(以降 墓埋法)では「埋葬」「墓地」を以下のように定義しています。
第一章 総則 第二条
この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ)を土中に葬ることをいう。
この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可をうけた区域をいう。
引用:
厚生労働省 墓地、埋葬に関する法律
したがって、散骨を合法に行うには、「都道府県知事の認可を受けていない区域で散骨するなら、遺骨を土中に埋めない、遺骨に土をかけない」ということになります。
散骨の可否を規定する法律は無い
では、散骨の可否を規定する法律はあるのでしょうか。残念ながら、散骨は新しい葬送の方法のため、法律はありません。
しかし、法律に代わるものとして、2020年に厚生労働省がホームページで「散骨に関するガイドライン」を公表しました。「散骨に関するガイドライン」は、散骨業者に向けたものですが、国が作成した散骨のルールとして個人も遵守すべきものとなっています。
参考ページ:
厚生労働省 散骨に関するガイドライン
(散骨業者向け)
散骨が出来るのは特別な許可がおりている場所だけ
日本国内で散骨をするには、場所をしっかりと吟味しなければなりません。
私有地の場合は権利者の許可が必要になりますし、一部の市区町村では条例で散骨を禁止・規制している地域もあり、違反すれば刑罰金が科せられることもあります。
また、海洋散骨の場合は、養殖場周辺の海域や海水浴場等などで行うことはできません。人に迷惑がかからないよう、海岸から離れた沖で行うのが一般的です。
個人で行う散骨は違法行為ではありませんが、このようにさまざまな決まりがあるので特に注意が必要です。
散骨を条例で禁じている自治体も
地域によっては、自治体が条例で散骨を禁止または規制している場所があります。
自治体ごとに条例の対象が「個人と散骨業者」「散骨業者のみ」と異なり、内容も
墓地以外の場所への散骨を禁止
散骨場以外の場所への散骨を禁止
散骨業者へ散骨場に関するルールを設けている
といったようにさまざまです。
いずれの地域も、マナーを守らない散骨が行われていたために「地域住民から苦情が出た」という経緯で条例が作られました。
散骨する際は、事前に自治体のホームページで条例の有無を確認しましょう。
個人的に散骨するのは禁止されている?
個人的に散骨することは禁止されていません。
しかし、散骨には以下のようなルールがあるので、見てみましょう。
遺骨は形状を視認できないよう粉末にする
墓埋法で定められている埋蔵・収蔵以外の方法でおこなう
陸地の場合は散骨場として定められた区域(川・湖沼を除く)
海洋は海岸から一定距離離れた海域でおこなう
など
引用:
厚生労働省ホームページ「海洋散骨に関するガイドライン」
このルールを見ると、個人での散骨は違法ではないものの、散骨に関するルールや条例は厳格に定められています。
遺骨をパウダー状にする、沖まで船を出すといったプロセスを、自分で行うのはハードルが高いのではないでしょうか。上記で紹介したように散骨する場所にも注意が必要なので、実際には葬儀会社や散骨業者に依頼するのが一般的でしょう。
散骨のトラブル例
個人的に散骨をしたために、トラブルに発展したケースを紹介します。
故人の希望で、故郷の川へ散骨したが、通行人に呼び止められた
故人が愛した山に散骨したところ、登山客に批判された
故人が好んだ街角に散骨したらジロジロ見られた
家から近い海辺で散骨をしていたら、散歩中の近隣住人とトラブルに
これらのエピソードは、散骨業者が後日談として顧客から聞いた話です。
マナーを無視して散骨した場合、周囲の人からクレームを付けられたり、不愉快な結果になる、といったトラブルが起こっています。
トラブルに発展しないよう、個人的に散骨をするのは避けた方が無難でしょう。
散骨は業者・葬儀社に任せよう
散骨は葬儀の一部です。滞りなく行うためにはトラブルを事前に回避する必要があるので、個人で散骨を行うより、散骨業者や葬儀社に依頼したほうがいいでしょう。
散骨業者は専門に散骨を引き受けているので、法律やルールを守って、散骨を速やかに行えますが、業者は全国にあり、船の大きさや料金、サービスの内容はさまざまです。
インターネットで散骨業者を検索する際、どの業者が良いのか迷う方も多いと思いのではないでしょうか。
業者探しに困ったら、まずは葬儀社に相談してみましょう。
散骨の情報を持っている可能性がありますし、既知の業者を紹介してもらえる場合もあります。
散骨の種類
自然葬には「風葬」「鳥葬」「獣葬」「樹木葬」「空中葬」「宇宙葬」などがあり、「自然に還る」ことを目的としています。
散骨は、自然葬の中の1つです。
ここでは、日本国内で行える「海洋散骨」と「山林散骨」について解説します。
海洋散骨
海洋散骨は、パウダー状に細かくした遺骨を海に撒く方法です。
「個別葬」「合同葬」「代行」といったプランが多く、料金は10,000円台から数十万円と幅があります。
これらのプランには、船上でお経をあげてもらったり、散骨後に花を撒くなどのセレモニーが含まれる場合があります。
釣りやサーフィンなどを好んでいた方だったり、海が好き、大海原に抱かれて自然に帰りたいといった希望をお持ちの方におすすめです。
散骨する海域も業者によってさまざまなので、故人の意向や遺族の要望によって選びましょう。
山林散骨
山林散骨は、パウダー状に細かくした遺骨を山や山林に撒きます。
海洋散骨と違い、寺や霊園、散骨業者が所有する山林に散骨するので、撒いた場所がハッキリわかるのも利点です。遺骨をすべて撒くか、一部を撒いて大部分を墓に納骨したりと、遺族の意向によりプランを選べます。
料金はプランによって30,000円から数十万円と幅があります。登山が好きだった方、故郷の山を恋しがっていた方におすすめです。
なぜ散骨の人気が高まっているの?
最近は特にテレビや雑誌などでも散骨の話題を見かけるようになりました。
しかし、なぜ散骨が注目されているのでしょうか。
そもそも、散骨は葬送の方法として古くは奈良時代から行われていましたが、近代では墓に埋葬する方法が主流となったため、一時散骨は下火になりました。
しかし、核家族化、経済の低迷、宗教観の変化により、墓離れが進み散骨が注目されているようです。
では、散骨の人気の秘密はどこにあるのでしょうか。ここからは、散骨が人気の理由についてご紹介していきます。
費用が安い
散骨が注目されている理由の一つは費用の安さです。
お墓を建てると
永代供養料 500,000~2,000,000円
墓石代 1,000,000~2,500,000円
墓石のデザイン料・設置料 100,000円~
その他に法要の費用や墓石の修繕費、管理費などがかかりますが、散骨はその一切が不要なうえ、毎年の管理費や維持費もかかりません。
また、散骨の費用は10,000円台から数十万円と、リーズナブルな価格設定が人気の理由です。
墓を持たない人が増えている
墓を守ってくれる人がいない、子や孫に負担をかけたくないと言った思いから、現在は墓を持たない人が増えています。
また、墓を建立する際の費用が高額なため、消極的な考えを持つ人が増えました。
墓が遠方にある場合、業者に墓掃除やお参りを委託するサービスがありますが、管理費などと合わせると、年間に掛かる金額の負担は少なくないでしょう。
墓じまいを兼業する石材店が増えていることからも、墓を持たない人の増加が伺えます。
故人の意向
墓に対するイメージは、時代とともに変わりました。昔は、先祖代々の墓があって、みんなで墓参りをしたものです。先祖代々墓に入り、子や孫が墓参りにくる、こんな流れが普通でしたが、最近では、ひと家族に一つの墓となり、墓も核家族化しています。
そのため、誰も参ることのない墓を思い浮かべる人も少なくありません。
「暗くてジメジメした墓には入りたくない。」「だれも来ない墓に入るなんて寂しい。」こういった故人の思いを受けて、遺族が散骨を検討するケースが増えています。
散骨に関するお悩みは「雅葬会」へご相談ください
今回は、個人での散骨は違法になるのか?という疑問から散骨の種類など、散骨についてご紹介しました。
日本には散骨に関する法律がないため、一部の地域を除いて散骨を自由に行えます。しかし、散骨は厳粛な葬送の儀式であり、個人的に行うにはさまざまな条件をクリアしなければなりません。
雅葬会では船からの海洋散骨のプランを提供しており、プライベートプランやペットと一緒に眠るプラン、代理プランなど、さまざまなプランのご用意があります。ご遺族様に寄り添ったサービスを提供しているので、お気軽にお問い合わせください。
大切な故人をきちんと送るために、専門家の助けを借りてルールやマナーを守り散骨を行いましょう。
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