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戒名ってどんなもの?今更聞けない戒名の意味・相場を徹底解説
亡くなった際に故人に付けられる戒名。聞いたことはあるけれど、実際どんなものなのか、何のためにあるのか、解らないという方も多いと思います。
今回の記事では、戒名とは何なのか、その特徴や意味を説明し、実際に付けて頂く場合のお値段の相場や、つけなかった場合に起こりうる弊害などについて説明していきます。
戒名って何?
戒名とは、仏教で亡くなった方に付けられるお名前のことで、お墓や位牌に記載されるお名前のことです。
ちなみに、生前に使用していた氏名は「俗名」と呼ばれています。
本来戒名というのは、例えば出家したお坊さんたちのように、生前に仏教の教えを守り修行を重ねてきた方にのみ与えられるお名前でした。
仏の教えというのは、三帰五戒(さんきごかい)という仏教の基本的な戒律で、三帰は仏=「仏様」・法=「仏様の教え」・僧=「仏教の修行者組織」の3つをを信仰することを表しています。
五戒は「生き物を殺さない」「盗みを犯さない」「夫婦でない異性とみだらな関係にならない」「うそをつかない」「酒を飲まない」の5つを守ることです。「生き物を殺さない」というのは、動物を食べている以上なかなか一般的な暮らしでは守るのが難しいですよね。なので現代では、仏の教えを守っているか否かに関わらず、仏教式のお葬式を挙げる場合には、死後に戒名を頂くのが一般的になっています。
戒名と位牌の関係
位牌とは、故人の没年月日、俗名、行年(享年)、そして戒名が記された木の札のことです。基本的には仏壇に飾るか、お寺の位牌堂に安置して頂きます。位牌は、故人が遺族の呼びかけに答えて現世にやって来る際に位置を把握するためのアンテナのような役割を担っているといわれています。位牌がないと、故人が自宅に帰ってこれなくなってしまうので、とても大切です。
さて、この位牌ですが、仏教とである場合、仏教式のお葬式を行う場合には、戒名を入れるのが必須となりますが、もしあなたの家が無宗教であるという場合には、無理に戒名を入れる必要はありません。ただし、おうちに仏壇が無くてお寺の位牌堂に位牌を安置して貰いたい場合、戒名がないとおいて頂けない場合もありますので、注意しましょう。
戒名を授かるには「戒名料」がかかる
残念ながら、戒名は無料で授かることはできません。「戒名料」と言われるお金がかかります。「戒名料」というのは、戒名を授けてくれたお寺に収めるお布施、つまりお寺へのお礼金のことです。お布施は仏教では欲に囚われないようにするための心の修行の一つとされていて、お布施としてお寺に差し出した金額が高ければ高いほど、高く徳を積むことができると教えられています。
また、戒名には種類があり、その種類によって金額が変わってきます。
戒名の種類と値段の相場
位牌などに記載のある戒名を見ると、とても長い名前はついているな、と思われるかもしれません。実は位牌に記載されているのは、上から順番に「院殿号・院号」、「道号」、「戒名」、「位号」の4つの要素に分かれています。
元々は違っていましたが、現在はこの4つの要素を全てひっくるめて戒名と呼んでいるため、とても長いです。ただし、全ての要素が全ての人に与えられているわけではありません。
ここでは、戒名の種類と相場をご紹介します。
信士(しんじ)・信女(しんにょ)
まず、位号の一つ目は、「信士(しんじ)」と「信女(しんにょ)」です。
「士」がついているのは男性で、「女」がついているのが女性の位号となっています。
これが最も一般的な位号で、意味は「信仰している人」、つまり一般的な仏教徒の方に付ける位号ということです。
この場合、戒名料はお願いするお寺にもよりますが、おおよそ20~50万円となっています。
居士(こじ)・大姉(だいし)
次に、「居士(こじ)」と「大姉(だいし)」という位号です。これは先ほど紹介した「信士(しんじ)」と「信女(しんにょ)」よりも、少し位の高い位号ということになります。「居士」が男性を、「大姉」が女性を表し、出家をするという程仏教の教えを熱心に学んでいた訳ではないけれど、日常生活の中で仏教の教えを大切にし、仏道に励んだ場合に付けられる位号です。
こちらは先の「信士(しんじ)」と「信女(しんにょ)」よりも戒名料が高くなり、おおよそ50~80万円が相場とされています。
院号
院号とは、位牌の一番頭にくる名前のことで、元々は天皇陛下などの皇族の方や、武士の方のような身分の高い人に付けられたのが始まりとされています。身分の高い方の他にも、お寺を建立したなど、仏教に対して大きく貢献した人にもつけられているお名前です。貢献度、という言葉からも解るように、院号を頂く場合には、それ相応のお布施を必要とする場合がほとんどです。お寺で授かる場合には、最低で50万円、高ければ200万円程度かかることもあるようです。
院殿号
院殿号とは、院号よりも下の位に当たる戒名のことで、これも位牌では一番最初に来るお名前です。本来は院号よりも下の位だったのですが、室町時代から江戸時代にかけて、皇室の方が使用する院号と分けるために歴代の将軍や大名などに限定して使用するようになったため、現在では院号よりも希少価値が高くなっていて、その分お値段も高くなっています。現在では、総理大臣を経験した者や政治家など、国や地域を治め指導する役割を担う職業の人や、国や地域に大きな貢献をした人に贈られるお名前となっています。そのため、希少性が院号より高くなって、現在では院号よりも上の位の戒名になってしまいました。お値段も高く、おおよそ500万円程度かかるようです。
宗派別の戒名料の相場
戒名料は、同じ位であっても、宗派によってばらつきがあります。
宗教
信士
信女
居士
大姉
院信士
院信女
院居士
院大姉
浄土真宗
20万円~
50万円~
なし
なし
浄土宗
30~40万円
50~60万円
70万円
なし
日蓮宗
なし
なし
30~50万円
100万円~
臨済宗
30~50万円
50~80万円
なし
100万円~
真言宗
天台宗
30~50万円
50~70万円
80万円~
100万円~
曹洞宗
30万円~
50~70万円
100万円~
100万円~
宗教によって金額にばらつきがあることが判明しました。
浄土真宗や浄土宗は金額が高い戒名は無く、逆に日蓮宗は金額が安い戒名は付けないので、覚えておくと良いでしょう。
戒名を選ぶ際の基準
戒名は本来、お寺のご住職に、故人の寺院への貢献度や社会的地位を考慮して貰ってつけて頂くものです。ただし、現在では本人や遺族の希望に沿った戒名を付けて貰えることも多いので、戒名を付けて頂く際には住職とよく相談し、希望があれば余さず伝えるようにしましょう。
戒名を付ける際には、先の章で述べたお値段の問題もありますので、まずは無理のない範囲での位を選ぶようにしましょう。
そのうえで、他にも判断基準がいくつかありますので、そちらも確認しておきましょう。
例えば、先祖と同じ墓に入る場合、先祖よりも高い位の戒名は付けない、というのが一つ。また、夫婦で同じお墓に入る場合には夫婦で同じ位の戒名にする、などの判断基準もあります。
細かい基準などはご住職に聞けば教えて頂けますので、よく確認を取るようにすると良いでしょう。
戒名を授からない場合の注意点
先の章までで述べてきた通り、戒名の費用が高いと感じられている方もいるかと思います。この金額がかかるといわれると、戒名をつけるのに抵抗を感じる、という方もいるのではないでしょうか。
実際、戒名を付けなければ故人の弔いを行うことができない、というわけではありません。
しかし、戒名を付けない、という選択肢を取った場合、注意しなければならない点がいくつかあります。
次の章では、戒名を付けないことを選択した場合の注意点について述べていきます。
戒名がなければ葬儀ができない?
戒名がないと全く葬儀ができない、ということはありません。ですが、宗教的な要素を入れた葬儀はできません。例えば、お葬式の時にお坊さんにお経を読んでもらってお焼香をする、というのは仏教のお葬式のやり方になるので、このようなことは不可能です。その代わりに、故人の好きだった音楽を流しながら司会者が葬儀の進行を行うというようなやり方で行う必要があります。
そのため、元々無宗教で、宗教的な葬儀をするつもりがない、という事であれば特に戒名は必要ない、ということになります。
戒名なしで供養を行う場合はどうする?
先祖代々のお墓がある場合、戒名がないとそのお墓に入れて貰うことができない可能性があります。これは寺院によって方針が異なるので、もしも戒名なしでの供養を考えている場合は、あらかじめお寺の住職に相談するようにしましょう。
特に決まったお墓がないという場合、寺院ではなく、民営や公営の霊園であれば、戒名が無くても問題なく納骨することができます。
ですので、戒名は付けないで供養がしたい、と考えている場合には、埋葬地として民営や公営の霊園も候補に入れてみると良いでしょう。
まとめ
ここまで、戒名について由来から意味、実際に付けて頂く際のお値段や付けなかった場合の注意点などを説明してきました。
戒名はお葬式の宗派にこだわらないのであれば絶対に無ければならないもの、というわけではありませんし、金額も頂く位によって様々ですが、どの位であってもかなり値の張るものであるといえます。
雅葬会では、葬儀ディレクターの資格を持ったスタッフが、戒名についてのご相談をお受けしています。お葬式で一番大切なのは故人を弔う気持ちですので、故人がどうしてほしいと思うのかをよく考えて、戒名を授かるか否かを考えてみて下さいね。
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