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コートやマフラーを身につけてもいい?葬儀の防寒対策について
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コートやマフラーを身につけてもいい?葬儀の防寒対策について
防寒対策といっても、やはり葬儀の場ですから、マナー違反にならないように気をつけなければなりません。
「喪服の上にコートを着ていくのはマナー違反?」「マフラーや手袋のまま参列しても大丈夫?」そんな疑問も多いことでしょう。
そこで今回は、お葬式に適したコートや、着用可能な防寒具の選び方、そして気をつけたいポイントなどを詳しくご紹介します。
冬場の葬儀。防寒はどうする?
まず防寒対策というと、男女問わずに喪服の上に着るコート、そしてマフラーや手袋、女性の場合はタイツやブーツなどが思いつくでしょう。それ以外にも、重ね着をしたり、インナーで寒さ対策をする方法もあります。ただ、普段着として着用しているもので大丈夫なのか判断に迷うこともありますね。
それでは、どんなアイテムなら大丈夫なのか、色や素材、デザインなどの選び方、またそれらの着用の仕方などを、葬儀のマナーを考慮しながら詳しくみていきましょう。
コートなどの防寒着を着ることはマナー違反ではない
実は葬儀で防寒具を着用することはマナー違反ではありません。むしろ、しっかり寒さ対策をしていったほうがいいでしょう。
基本的には、コート・マフラー・手袋は、葬儀場に入るまでは失礼にはなりません。しかし、会場内では防寒着は着用しないことがマナーです。
会場に入る前に外し、クロークがある場合には預け、クロークがない場合には、コート類は手に持って会場に入ります。
焼香する場合には椅子の上に置くか、一時手荷物置きなどを利用するとよいでしょう。
冬場の葬儀にはどんな服装がふさわしい?注意点を紹介
寒い時期であっても、喪服の基本的なルールを守ることは重要です。
防寒具を着用する場合も、色やデザインには気をつけなければなりません。喪服とのコーディネートを意識して、コート・マフラー・手袋などの防寒具もカジュアルに見えるものは避け、華美にならないようにシックでシンプルなデザインのものを選びましょう。
色は黒やグレーを
欧米の影響もあり、日本でも葬儀には黒い喪服を着用するものという意識が戦後から今日までの間に浸透し、マナーとなっています。
そのため、喪服はもちろん、防寒具としてのコート・マフラー・手袋を着用する場合も黒いものを選ぶのが基本です。
また、黒であっても質感の違いには注意が必要です。素材については下記で紹介するので、参考にしてくださいね。
黒以外では濃紺や濃いグレーでも大丈夫ですが、いずれにしても遺族に対して弔意を表す意味で、地味な色味でひかえめな印象になるように心がけましょう。
華美なデザインや素材は避ける
お悔やみの場では喪服はもちろんのこと、防寒具もまた華美にならないよう、デザインはシンプルで、きちんとしたものでなければなりません。
明るい色や、エナメル素材のような光沢のある素材は好ましくないでしょう。金ボタンやビジューなどの目立つ飾りがあるものも避けてください。また裏地であっても、ふとしたときに見えることもありますので、派手な色や柄の裏地のものは避けるべきです。
材質としては、保温性に優れたウールやカシミヤがおすすめですよ。
動物の毛皮はNG
革素材や毛皮は「殺生」を想像させるため、葬儀の場にはふさわしくありません。コートの襟のファーは本物であればもちろんのこと、ファイクファーであっても必ず取り外しましょう。もしも手袋やマフラーに取り外せないファーが付いているようなら、着用するのは控えてください。
また、革靴は仕方がありませんが、革のコートや手袋は避けたほうが無難です。コート・マフラー・手袋の素材としては、ウール調に織られたポリエステル素材のものもよいでしょう。
フードのついたコートは避けたほうがいい
近年ではフードのついたカジュアルスタイルのジャケットやコートが流行していますが、フードのついたジャケットやコートはカジュアルすぎるので、葬儀には不適切です。
喪服のマナーとしてはフォーマルが鉄則ですので、カジュアルに見えるフードは、外せるようであれば外して着用し、はずせないようであれば着用は控えましょう。
そういった観点ではセーターもカジュアルな服装になりますので、着用を控えたほうが無難です。
着物の場合は?
和装で葬儀に出席する場合は、春秋の肌寒い時期には黒紋付の羽織、真冬の防寒着としては袷(あわせ)の「道行(みちゆき)コート」を着用します。
道行コートは、襟あきが四角い形の、和装での外出用コートです。礼装の場合の上着ですので、葬儀の場に適しています。色は「黒」が最適ですが、濃紺やグレーなど暗めで地味な色合いであれば大丈夫でしょう。
道行コートやインナーで対処しよう
和装で道行コートを着ていく場合も、会場に入るときには脱ぐというのが洋装の場合と共通のマナーです。そのため、着物だけでは会場内では寒く感じることも考えられます。
とはいえ、フォーマルな場で着物に洋装のインナーを着ることは避けたほうがよいとされているので、「肌着・下履き・肌襦袢」などの「和装用インナー」で、防寒素材のものを着用するのがおすすめです。
また、ヒートテックの足袋バージョンともいえる「インナー足袋」もあり、こちらはフォーマルな席でも目立つことなく防寒できるので、和装での足もとの防寒として最適でしょう。
普段着のコートは着用してもいい?
喪服に合わせるコートというのは、「これでなくてはいけない」といった喪服専用のコートが特別にあるわけではありませんが、礼装にふさわしい印象のコートでなければなりません。
普段使用しているコートでも、ビジネス用のシンプルなデザインで、黒や濃紺などのコートであれば大丈夫ですが、カジュアルな印象であったり、アウトドアテイストの強いコートは避けたほうがいいです。
また、喪服に合わせるという観点で、コートの丈を選ぶことも覚えておきましょう。
トレンチコート、スプリングコート
トレンチコートはマナー違反とまではいきませんが、カジュアルすぎるという見方もあります。本来は避けたいのですが、どうしてもという場合は、黒の無地で光沢がなく、シンプルで目立たないデザインのものであれば、今の時代では許容範囲となっています。
白やベージュ、カーキなどの色は葬儀の場では不適切です。ダークグレーや紺でも、ストライプなどの模様が入っているものは避けたほうがいいでしょう。
春先に着るスプリングコートも同様です。
暗い色味でフォーマルな印象のものを移動中のみ着用し、葬儀場では脱ぐという対応をとってください。
ダウンコート
ダウンコートは基本的にはマナー違反ではありません。
特に極寒地帯や豪雪地帯での葬儀では許容されている場合もありますが、やはり色には気を配りたいところです。
こちらも基本的には光沢のない黒、または濃紺やダークグレーが望ましいでしょう。デザインも、スポーティーな印象が強いものは避け、シンプルな街着用のデザインであることが条件になります。
また、足もとは女性であればヒールが3〜5cmのパンプスが基本ですが、極端に寒い日や悪天候の場合は、会場まではブーツで行き、パンプスを持参して会場で履き替えるというのも一つの方法です。
ダッフルコート
ダッフルコートは、その起源が北欧の漁師の仕事着といわれているフード付きの防寒コートです。厚手のダッフル生地や、最近ではフリース素材のものあり、フロント部分に「トグル」という浮き型の留め具がついているのが特徴となっています。
こちらも、その由来が作業着であることや欧州の海軍が制服の上から着る防寒着であったこと、そしてやはりフードが付いているとカジュアルに見えてしまうので、葬儀にふさわしいとはいえないようです。
色は紺や濃いグレーなど暗めのものが多いので、どうしてもという場合は移動中のみ着用し、葬儀場では脱ぐようにしましょう。
不安な場合は礼装用コートを
普段使っているコートでは葬儀の場に適しているのか、判断に迷うこともあるでしょう。
不安な場合は礼装用コートをレンタルすることもできますし、急に必要になる場合も想定して、礼装用のコートを一着購入しておくのもおすすめです。
ライナー付きであれば、冬の寒い時期はライナーを付けて着用し、ライナーを外せばそれほど寒くない春秋に羽織ることもできて便利ですよ。
礼装用が一着あれば、葬儀のときだけでなく、式典やイベントシーンにも着用することもでき、利用範囲も広く重宝します。
どのようなコートがよいのか迷ったら、喪服と同様にフォーマル専門店で相談するとよいでしょう。
どうしても寒い場合はインナーやカイロがおすすめ
コートなどの上着やマフラー・手袋は会場に入るときには外さなければなりませんので、会場内に入ると喪服だけでは冷えることも予想されます。そういった場合に備えて、喪服の下にヒートテックや裏起毛などの保温性のあるインナーを着用していくといいでしょう。
着ぶくれしないように薄手のもので、喪服に合わせて黒を選ぶのが無難です。
また靴下やストッキングを2枚重ねで履いたり、足裏カイロを利用するのもいいですし、カイロを背中や腰に張ったり、ポケットに忍ばせていくのも男女問わずにおすすめですよ。
タイツは黒の無地で60デニールまでであれば一般的にはOKですが、カジュアルに見えるものは避けましょう。
まとめ
基本的な喪服の着用にマナーがあるのと同様に、防寒具を身につけていく場合もマナーがあることがわかりましたね。
急な場合にも慌てずに済むように、冬場のフォーマルな場面に合わせた冬物の上着や防寒具、靴下やストッキングなどを揃えておくと安心でしょう。
普段と同じ防寒着を着用していってマナー違反にならないよう、また、防寒が不十分で周りに余計な心配をかけないように、大人としてTPOに合った装いを意識することが大切です。
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