祖母や祖父、遠い親戚の、葬儀の知らせがあった場合、葬儀に参加して最後のお別れをしたいものです。そんなとき赤ちゃんがいる場合
「周りの方の迷惑になるのでは」と、参列したらいいのか迷ってしまう人もいるでしょう。
赤ちゃんや乳児を連れての葬儀参列は、気をつけなければならないポイントがたくさんあります。今回は、
「赤ちゃんをお葬式に出席させて良いのか?」「参列時の服装やマナー」について解説していきます。
赤ちゃんはお葬式に出席してもいい?
身内のお葬式(遺族の場合)には、参列しても問題ありません。故人が身内だった場合、最後のお別れには、赤ちゃんを連れて行きたいものです。
遺族が親族の場合は、お互い事情が分かっていますし、親もその赤ちゃんも血縁者の一員なので、連れて行った方が良いというケースもあります。ただ、身内だったとしても、喪家に事前に相談してみることが大切です。
何も言わずに連れて行くのではなく、話しあいをした後に参列するか決めましょう。
また、赤ちゃんを連れて行くときは、事前に葬儀社に伝え、授乳やおむつ替えができるスペースを確認することも大切です。
参列者の場合は赤ちゃんを連れての参列は控える
親族以外のお葬式では、赤ちゃんを連れての参列は控えるのが無難です。赤ちゃんを連れて参列することにより、遺族に気を遣わせることもありますし、赤ちゃんの鳴き声などによって、式の進行が滞ることもありえます。
また、生まれたての赤ちゃんは抵抗力が弱いので、普段見たことがない人がたくさんいる所につれていくと、体調を崩す可能性もあります。遺族から
「どうしても参加してほしい」と言われたのであれば、別ですが、そうでない場合は参列を控えた方が良いでしょう。
故人との関係や、葬儀の規模によって対応する
赤ちゃんを連れて行くのは難しいですが、絶対に、連れて行ってはいけないわけではありませんし、失礼にあたるようなこともありません。ただ、連れて行くかどうかは、故人との関係や、葬儀の規模などによって判断することが大切です。
故人の親族や遺族と親しい間柄なら、赤ちゃんの参加について理解してもらえる可能性が高いです。また、小規模の葬儀や、喪家から参列するように、言われたのであれば赤ちゃんを連れて行っても問題ないでしょう。
ただし、赤ちゃんが外出できる月齢でない場合や、体調に不安を感じるならば、無理に出席する必要はないです。その場合、しっかりと事情を説明し、夫婦だけ、もしくは夫か妻のどちらかが参列するようにしましょう。
赤ちゃんの服装はどうする?
お葬式に参列するときは、大人は喪服を着るのが普通ですよね。そこで浮かんでくる疑問が、
「赤ちゃんにも喪服を着せるべきなのか?」「どんな服装にすれば良いのか?」ということです。
的外れな服装をしてしまうと、悪目立ちしたり、故人や遺族への失礼にあたったりするかもしれません。ここからは、お葬式に参列するときの赤ちゃんの服装について紹介します。
色やデザインは落ち着いたものを
大人と違い、赤ちゃんには決まった服装というのはありません。そのため、基本的に気にする必要はないのですが、できれば、葬儀という場の雰囲気を考えた服装にするのが良いでしょう。色は、黒や白・グレーといった色味の服装がベストです。
黒にこだわる必要はないものの、派手なカラーの服や、大きくキャラクターが書かれたもの、フリルのついた服などは避けた方が無難です。色やデザインは、なるべく落ち着いたものを選んで行きましょう。
抱っこ紐はしていてもOK
葬儀で抱っこ紐を使うのは、正装という観点から見て
「NGなのでは」と考える人もいるでしょう。ですが、葬儀で抱っこ紐を使っても基本的には問題ありません。
長時間抱っこしているどうしても腕が疲れてしまいますし、赤ちゃんが動き回るのを防ぐことができるので、抱っこ紐があると非常に便利です。また、抱っこ紐をつけていれば、寝ている赤ちゃんを抱っこしたまま葬儀に参列することもできます。
不慣れな場所の場合は、抱っこ紐を使用することにより、赤ちゃんとママが密着し、赤ちゃんも安心することができます。
両親の服装はどうする?
小さい赤ちゃんの場合は、服装に関してあれこれ言われないかもしれませんが、大人であればそうはいきません。服装がTPOに合わない場合、その場の雰囲気を壊してしまうことになるので、しっかりとお葬式に合った服装で参列することが大切です。
ここからは、葬儀に参列するときの両親の服装について解説していきます。
両親は準喪服を着用
喪服には、
「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つの種類があります。一般的に喪服というのは、
「準喪服」のことを指しているので、参列するときの服装は、
「準喪服」でも問題ないでしょう。
「準喪服」は、男性は
「ブラックスーツ」、女性は
「ワンピース」「アンサンブル」「スーツ」などのブラックフォーマルを着用します。アクセサリー、小物、靴なども、できれば黒以外は身につけないようにするのが無難です。
赤ちゃんがいる場合、女性は授乳が必要になることもあるので、授乳に対応できるように前が開くような服装がおすすめです。
赤ちゃんを連れて行くときの両親の持ち物
赤ちゃんの落下事故を起こさないために、抱っこ紐やスリングを持っていくと安心です。また、赤ちゃんは、お葬式の最中にぐずったり、泣いたりすることもあるので、いつも使っているおもちゃや、タオルなど、赤ちゃんのお気に入りのものを持っていくと良いでしょう。
お腹が空くと泣いたりするので、幼児くらいの赤ちゃんであれば、ボーロやせんべいなど軽く食べられるおやつを持っていくのが良いでしょう。他には、おむつやおしりふき、着替えなどが必要になります。
赤ちゃんを連れて出席するときのマナー
赤ちゃんを連れてお葬式に参加すると、ときに、予想もつかないような行動や出来事に遭遇することもあるでしょう。赤ちゃんの起こした行動の責任は、全て親の責任になります。
他の参列者の方の迷惑にならないように、マナーをしっかりと守ることが大切です。ここからは、赤ちゃんを連れて出席するときのマナーを紹介しましょう。
やむを得ない場合は途中退室しても良い
お葬式に赤ちゃんを連れて行くとき、一番の不安要素となるのが、赤ちゃんの泣き声です。赤ちゃんが泣いてしまうと、式の進行を妨げてしまうことになるので、赤ちゃんが泣いたら途中退席しても良いでしょう。
他にも、具合が悪くなったり、吐き戻しや、お漏らしなどのトラブルに見舞われたりすることもあります。もしものときにいつでも、退席できるように、出入り口付近に座らせてもらうと安心できるでしょう。
抱っこ紐は外しておく
抱っこ紐を使用するのは、基本的にOKなのですが、葬儀の最中だけは、外した方が良いでしょう。ただし、赤ちゃんがぐっすり眠っているときなどは、起こしてしまう恐れがあるので無理して外す必要はありません。
抱っこ紐もカラーバリエーションが豊富なので、できれば喪服と違和感のない、地味目なものを選んでおくと良いでしょう。
お焼香のときのマナー
お葬式で必ず行うお焼香。焼香では、お香を焚いてから両手を合わせて合掌をしなければいけないので、誰かに赤ちゃんを預けておくのがベストでしょう。事前に、ご遺族や葬儀社に連絡し、控室を貸してもらうという方法もあります。
しかし、ママと離れることで泣いてしまう赤ちゃんもいます。預けたくない場合、お焼香を行うときは、焼香台に近づき過ぎず、焼香の煙が赤ちゃんの顔にかからないように注意しましょう。
火葬場に行くときのマナー
火葬場に赤ちゃんを連れて行くことは可能です。しかし、火葬は骨上げまで含めると2時間くらいかかります。赤ちゃんも初対面の人がたくさんいる場所で、長時間過ごすことにより精神的に疲れ、泣いてしまうこともあるかもしれません。
赤ちゃんを火葬場に連れて行くのは、問題ないですが、連れて行くなら事前に、ご遺族と相談しましょう。また、葬儀のときと同じように、出入り口に近い所に着席するといざというときに退出しやすくなります。
まとめ
赤ちゃんを連れての葬儀は大変です。身内のお葬式以外では、赤ちゃんは基本的に連れて行かない方が良いでしょう。しかし、遺族から
「参加してほしい」と言われたときは、参加しても構いません。
参加する場合は、遺族や列席者迷惑をかけないようきちんとマナーを守り、赤ちゃんが泣いたときなどの対策をしっかりと考えておきましょう。