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葬式饅頭ってなに?葬式饅頭の由来や地域の違いについて
葬式饅頭と聞いてもピンと来ない方も多いかと思いますが、葬式饅頭は葬式の返礼品として昔から親しまれてきた食べ物です。
最近では、返礼品といえば「お茶」や「海苔」であることが増えたため、マイナーな返礼品となりつつあります。しかし、昔から親しまれている大切な伝統であり、葬式饅頭を取り扱っている地域もまだまだあります。そこで、今回は葬式饅頭の知識や地域による違いなどを解説していきます。
葬式饅頭って?
葬式饅頭とは、通夜・葬式などで、弔問客に振舞われるお饅頭のことをさします。
最近では、配られることがほとんどないため、知らない人も多いでしょう。
形や色は地域によって異なりますが、一般的には丸い形で白・黄のお饅頭が1つずつ入っているものが多いようです。
そもそもなぜ饅頭?と思いますよね。これは、日本の食べ物に関する歴史が大きく関係しています。
昔の日本では、砂糖がとっても貴重なものとされていたため、故人の財産をお饅頭に変えて感謝の気持ちを周りに振舞うといった意味でお饅頭が振舞われたようです。
ほかにも、故人が生前ため込んだ物欲を世間様にお返しすることで、成仏できるようになるといわれており、故人の物欲を饅頭に置き換えて振舞われたともいわれています。
ただし、現在はそこまで高価なものを用意されることはなく、値段相場は5,000円〜15,000円程度となっています。
ちなみに饅頭がなかった時代は、小銭を紙にくるんだ「おひねり」を配っていたようです。
葬式饅頭の歴史
葬式饅頭の始まりは、三国志の時代までさかのぼります。
中国に伝わる「事物起源」によると、諸葛孔明が軍と共に凱旋している途中、近くの川が氾濫して、先に進むことができず困っていました。
その地域では「蛮人49人の首を切り神にお供えすることで川の氾濫が収まる」との言い伝えがあることを知らされ、蛮人49人の首を切ることを周りに進められたのでした。
しかし、孔明に49人の首を切ることは容易ではありません。
そこで考えた孔明は、小麦粉を沢山用意するように周りへ命令しました。
その小麦粉を丁寧に水と合わせて練り始め、丸くまとめて人の頭のような形にしあげたのです。この塊を49個作り、蛮人の首の代わりに川の神へお供えしました。
すると、見事に氾濫が収まったという言い伝えがあります。
このことをきっかけに、饅頭は神へお供えするものとして世の中へ浸透していきました。
その概念が引き継がれて、日本でも葬式のに饅頭が用いられることとなり、葬儀やお盆などで食べられているようです。
日本に饅頭が伝わったのは、1349年頃だといわれています。当時は中身が豚や羊の肉でしたが、仏教では肉食は禁止されていたため、代わりに餡が使用されることとなり現在の饅頭となっています。
葬式饅頭は地域によって異なる?違いを紹介
葬式饅頭は、日本全国全く一緒というわけではありません。色や形などさまざまな違いがあるので、ここでは、地域ごとにどんな違いがあるのか紹介します。
北海道地方
北海道で配られている葬儀饅頭は「中華まんじゅう」と呼ばれています。
中華まんじゅうというと、コンビニなどにあるひき肉の入った饅頭を想像する人も多いと思いますが、全く違います。
どら焼きのような生地に、餡を二つ折りで包んだもので、半月型をしているのが特徴です。
20㎝ほどの大きなものが主流で、バナナのようにも見えます。
ほかの地域で配られる葬式饅頭とは異なり、作りやすいものなので、参列者の多い田舎ならではの工夫がされています。
東北・関東・甲信越地方
東京、群馬、埼玉、山形、福島、静岡などでは葬式饅頭が配られることが多く、主な葬式饅頭は2種類です。
春日饅頭
緑白饅頭
春日饅頭の特徴は、小判型で中にこしあんが入っていることです。
白い薄皮の中央にシノブヒバの型が焼き付いているため、別名「しのぶ饅頭」「ひば饅頭」とも呼ばれているそうです。
シノブヒバのほかにも、柏やヒノキ、もみじの焼き印がされている場合もあります。
サイズは少し大ぶりですが、片手にのるサイズが多いようです。
緑白饅頭の特徴は、抹茶でできた緑色の皮で餡を包んだ饅頭と、白い皮で包んだ饅頭の2つセットで配られることです。
昔ならではの習わしで、葬式などの行事はこしあん、結婚式などの祝い行事は粒あんが使用されます。しかし、最近では中の餡の種類はあまり気にしないところもあるようです。
関西地方
名古屋などの関西地方で配られる葬式饅頭は2種類です。
黄白饅頭
おぼろ饅頭
黄白饅頭の特徴は、山芋を練りこんだふわふわの皮で、こしあんが包まれていることです。
黄色と白の2種類で配るのが基本です。
山芋を生地に使用しているため、地域によっては「じょうよう饅頭」「しょよ饅頭」と呼ばれることもあります。
おぼろ饅頭の特徴は、表面がおぼろ状になっていることです。
饅頭を蒸した後、表面の薄皮を剥がすことでおぼろ状に仕上げます。
中身はこしあんで、利休忌の茶事にも使用されています。
まとめ
葬式饅頭について詳しく紹介してきました。
この饅頭は葬式にお供えするものではなく、葬式に参列してくれた方に渡す返礼品になります。基本的に全国で取り扱われているものですが、最近では田舎の方でしか配っていない貴重な返礼品となっているようです。
しかし、現在でも配ることはできるので、返礼品に困っている方は、葬式饅頭を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
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