昔は、親戚や近所の人から葬儀のことについてアドバイスをもらって葬儀社を決めることが多くありました。しかし、近年では核家族化の進行や近所付き合いの希薄化が進み、葬儀について相談できる人がいないということがあると思います。
ネットなどでも情報が氾濫してしまっていて、どの情報を信じればいいか分からない
といった声も良く耳にします。
この記事では、全国の葬儀費用の平均、エリアごとの葬儀費用の平均、葬儀費用の内訳を全てまとめました。
全国の葬儀費用の平均は?
葬儀費用の全国平均は、178.2万円といわれています。(出典:鎌倉新書 お葬式に関する全国調査 第3回)
これは、宗教者へのお礼(お布施など)を除いた費用になります。
年々減少傾向にありますが、内訳として、40万円未満の葬儀の増加、240万円以上の葬儀の増加も見られ、今後は葬儀費用の二極化が進むことも予想されます。
葬儀費用には「県民性」がでる?
葬儀費用は、エリアによって費用平均が違います。これは、例えば関東地方や中部地方の方が関西圏に比べて宗教者へのお礼(お布施など)の金額が高くなる傾向にあるからだと考えられます。
全国エリアごとの葬儀費用平均
全国のエリアごとに葬儀費用の平均を表にまとめてみました。
順位 地域 儀式費用 飲食費用 返礼品費用 合計
1 中部地方 1,324,422円 366,618円 397,254円 2,088,294円
2 関東地方 1,279,969円 332,453円 328,261円 1,940,683円
3 北海道・東北地方 1,140,385円 315,705円 311,218円 1,767,308円
4 中国・四国地方 1,081,152円 269,372円 327,618円 1,678,142円
5 近畿地方 1,123,010円 260,208円 265,225円 1,648,443円
6 九州・沖縄地方 1,084,195円 215,805円 271,695円 1,571,695円
(出典:鎌倉新書 お葬式に関する全国調査 第3回)
葬儀の料金は、中部地方が1番高いという事がわかりました。核家族化が進んでいるので、多くの参列者を呼ばず、家族だけで執り行う葬儀も増えて来ていますので、これから葬儀の費用は少なくなっていくことが見込まれます。
葬儀費用の内訳
次に、葬儀費用の内訳です。葬儀費用が全体の5割~6割、飲食接待費用と返礼品費用が全体の2~3割、宗教者へのお礼も全体の2割~3割ほどです。
地域 儀式費用 飲食費用 返礼品費用 合計
平均 全国 1,171,111円 292,946円 318,459円 1,782,516円
儀式費用
葬儀の儀式そのものにかかる費用です。葬儀社から貰える見積書、請求書に含まれます。
葬儀に使用する会場の費用、祭壇や棺、遺影などにかかる費用、司会などの人件費、寝台車や霊柩車にかかる費用など、お通夜と葬儀・告別式を執り行うために必要な費用です。
火葬料は喪主が直接、火葬場に支払う場合と、葬儀社が立て替えて支払っている場合があります。葬儀社からの請求書に、火葬にかかる費用も含まれている場合は、立替費用の清算という意味です。
飲食接待費用・返礼品費用
通夜から葬儀にかけて振る舞う飲食費や人件費で、参加人数が多いほど費用がかかります。葬儀一式の費用とは区別して考えます。返礼品費用も、この中に含まれます。
一般的な形式の葬儀における飲食費の全国平均はおよそ30万円となっています。
ご自身で飲食店を手配するか、葬儀社に頼むこともできます。
返礼品費用は、香典をいただいた方へお礼として渡す返礼品です。 香典額の半分から3分の1くらいの品物をお返しするのが一般的です。 最近では葬儀の当日に3,000円程度の品物を返す即日返しが増えています。
こちらも参加人数が多いほど費用がかかってくるので、注意が必要です。
宗教者へのお礼
読経や戒名などのお礼として払う金額です。一般的に、金額がはっきり分かることはなく、各家庭や故人と宗教者とのお付き合いの度合いによっても変化します。「お気持ちで」といわれることも少なくありません。地域差もかなりありますので、親戚や葬儀社などに相談するのが良いでしょう。お付き合いをしている宗教が無い場合には、目安を伝えてくれるところもあります。
仏教に関して言うと、お布施の内訳は読経料・戒名料・お車代・御膳料(僧侶が会食に参加する場合は不要)に分かれます。
神道では「玉ぐし料」、仏教では「お布施」、キリスト教では「献金」と呼ばれることが多いですが、宗教者に渡す場合は「御礼」とするのが一般的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。葬儀の事は家族の内でもタブーとされてきた傾向にありました。聞くことも難しく、不透明な部分も多いことだと思います。しかし、誰しも必ず必要になってくる知識ですので、執り行う地域、参加者の人数などを把握したうえで、情報収集をすることが大切になってくるでしょう。