慌ただしく終わることの多い葬儀ですが、案内状や挨拶状を贈る必要が出てきます。でも、案内状や挨拶状の書き方を詳しく知っている人は少ないでしょう。できれば、書くことにならないほうが良いものですが、いざというときには書き方を知らなければいけません。
今回は、案内状・挨拶状の書き方だけでなく、両者の違いや書くときのマナー、注意点について解説していきます。
案内状・挨拶状とは?
まず、案内状と挨拶状には違いがあるのをご存知ですか。
案内状・挨拶状の書き方について解説する前に、両者の違いを解説します。
【案内状】
案内状は、会合や式典などの開催をお知らせし、日程や場所などを書き記すものになります。
葬儀における案内状は、逝去をしたことをお知らせする手紙であり、葬儀の日程の案内などを書きます。
【挨拶状】
挨拶状は、通常お世話になっている人に対し、感謝の気持ちを込めて、自身の現状を伝えるものになります。転職や退職、結婚の報告などにも用いられます。
葬儀における挨拶状は、葬儀後に、葬儀に来ていただいた人へのお礼の気持ちを込めたものになります。
案内状・挨拶状はいつ出せばいいの?
葬儀は、急に日程が決まることが多いので、案内状や挨拶状も慌ただしく送ることが多いでしょう。しかし、この案内状や挨拶状は適切なタイミングで送らなければ、トラブルのもとになってしまうこともあります。
ここからは、案内状、挨拶状を送るタイミングについて解説していきます。
【案内状】
前述したように、案内状は、訃報のお知らせと、葬儀の日程などについてお知らせをするものになります。
葬儀の日程は、逝去から間もない場合が多いため、葬儀の日程について書かれている案内状は、故人が亡くなってから、すぐに送る必要があります。
案内状が届くのが遅れてしまうと、故人と親交のあった人や、お世話になった人が、通夜や葬儀に間に合わないといった事態が発生する可能性もあります。防ぐためには、案内状を葬儀の日程が決まり次第出すようにしましょう。慌ただしい中ですが、案内状を速やかに送ることはとても重要です。
【挨拶状】
挨拶状は、葬儀に着ていただいた人以外に、故人と親交のあった人やお世話になった人へ送ることもあります。
案内状と比べ、送るまでに少し猶予があります。しかし、葬儀から日にちが経ってから挨拶状を送っても、せっかくのお礼の気持ちがきちんと伝わらない場合があります。そのため挨拶状は、葬儀が終了してから速やかに送るようにしましょう。
案内状の書き方
葬儀の際には、案内状を速やかに送ることが大切だと解説しましたが、案内状に記入することを悩む人もいるでしょう。案内状の書き方は、以下の通りです。
【挨拶状の書き方・例文】
続柄○○儀 (病気療養中など)でございましたが、去る○月○日に永眠いたしました
ここに生前のご厚誼に感謝し謹んでご通知申し上げます
なお葬儀告別式は左記の通り執り行います
一、日時 通夜式 ○月○日 午後〇時から
葬儀告別式 ○月○日 午前○日から
一、式場 ○○葬祭場
(住所、電話番号)
平成○○年○月○日
喪主の住所
喪主の名前
このように、案内状には、故人が亡くなったというお知らせや、葬儀が執り行われる日程、葬儀の会場、喪主の名前などを記入します。案内状は、葬儀場で用意してくれる場合も多いですが、もしもの時のために案内状の書き方を覚えておきましょう。
また、案内状を送っても葬儀までに届かない場合には、電話やFAXなどで逝去のお知らせと、葬儀の日程をお知らせしておきましょう。
挨拶状の書き方
案内状の書き方と共に、挨拶状にも一般的な書き方があります。葬儀へ来ていただいた人に、きちんと感謝の気持ちを伝えるためにも、案内状の書き方と合わせて、挨拶状の書き方も覚えておきましょう。
【挨拶状の書き方・例文】
亡き(続柄)○○儀 葬儀に際しましては御多忙中にも拘わらず遠路わざわざ御会葬下され且つ御鄭重なる御厚志を賜り有り難く厚く御礼申し上げます
尚 故人が生前賜りました格別の御懇情に対しましても玆に併せて厚く御礼申し上げます
早速拝趨の上御挨拶申し上げるのが本意でありますが略儀乍ら書中を以て御礼申し上げます
平成○○年 ○月○日(通夜)
○月○日(告別式)
喪主住所
喪主名前
外親戚一同
尚 本日何かと混雑に取り紛れ不行き届きの段悪しからず御容赦くださいます様御願い申し上げます
挨拶状の書き方は以上の通りです。葬儀へ来てくれた人、香典を贈ってくれた人へは、葬儀に関してのお礼を申し上げます。故人がお世話になっていた人や親交のあった人に関しては、遠くから来てくださる場合があるので、挨拶状は必ず送るようにしましょう。
葬儀を行う会場によっては、挨拶状を用意してくれる所がありますので、わからない場合には葬儀会社の人へ聞いてみましょう。
案内状・挨拶状のマナー・注意点
案内状や挨拶状を書く際には、書き方のマナーがあり、きちんと参列者に感謝の気持ちを伝えるためには守らなければいけません。最後に、案内状や挨拶状を書くときの注意点やマナーを解説します。
【言葉に注意する】
葬儀の案内状や挨拶状を書くときには、使ってはいけない言葉が存在します。
たとえば、
「重ねて」や
「くれぐれ」などの言葉は、葬儀の場円で使用してしまうと、不幸が重なってしまうことを連想してしまうため、注意が必要です。
案内状や挨拶状を書くときには、二度重ねることを連想させる言葉を避けましょう。
【日程・場所を書く】
案内状は、葬儀のお知らせをするための大切な役割を持っています。そのため、通夜や葬儀の日程や、葬儀を執り行う場所などは必ず住所まで記載しましょう。
これを書き忘れてしまうと、参列者が葬儀を行う場所にたどり着くことができません。
【速やかに出す】
案内状は、葬儀の日程が書かれているため、葬儀に間に合うように出すのがマナーです。故人がお世話になった人に対して、葬儀が終わってしまってから案内状が届くことは失礼に当たります。そのため、案内状は葬儀に間に合うように届くようにしましょう。
また、挨拶状も葬儀の後に速やかに葬儀に参列してくださった人へ渡せるように、あらかじめ準備しておきましょう。また、挨拶状は葬儀に参列しなかった人でも、香典などを贈ってくれた場合には、きちんと届けるようにすることがマナーです。
まとめ
案内状・挨拶状にはマナーや注意点がいくつかあることを、ご理解していただけたと思います。どちらも「速やかに出す」ということを意識してください。遅れてしまうと、後々トラブルが多発し、結果的にご自身を苦しめてしまうので要注意です。また、言葉遣い、日程・場所の記載がしっかりされているかとう点も注意してくださいね。皆様が、トラブルなく速やかに葬儀を終えられますように。