葬儀の豆知識
葬儀でお悔やみの言葉はどんなの述べれば良いの?
葬儀というのは突然やってくるものです。
通夜や葬儀に参列したとき、哀しみにくれる遺族にどのようなお悔やみの言葉をかければ良いのか迷うことも多いのではないでしょうか。
「このたびはご愁傷さまです。」という以外にも関係性や状況に合わせたお悔やみの言葉があります。
そこで今回は遺族を思いやるお悔やみの言葉について、何をどのように述べれば良いのか、知っておきたいポイントを紹介します!
お悔やみの言葉とは?
お悔やみの言葉とは、故人の死を悼み哀しむ気持ちを込めて、遺された人々に対して述べる言葉のことです。
親戚などある程度遺族と関係がある人であればまだしも、一般の弔問客と遺族がお話する機会は実はそう多くはありません。
弔問客と遺族が言葉を交わす場面は、通夜振る舞いを除けば弔問時の挨拶をするときくらいです。
弔問には個人や遺族とゆかりのある多くの人々が訪れます。
つまり、弔問時の極短い挨拶で。お悔やみの気持ちを端的に伝える必要があるのです。
長々と話してしまわないよう、自分の立場をわきまえて端的に気持ちを伝えるためにはポイントを押さえておく必要がありますが、こればかりはなれるものでもありません。
特に初めての人はどのように声をかければ良いか、なかなか分からないものです。
お悔やみの言葉は、故人の死を悼み悲しみ、遺族を慰め労わるものです。
故人との関係性によっては、言葉に詰まってしまう場合もあるでしょうが、そういった場合には、「このたびはご愁傷さまでございます」というだけでも構いません。
ちなみに「ご愁傷さま」とは、人の死を悼み、遺族に述べるお悔やみの言葉です。
つまり「このたびはご愁傷さまでございます」というだけで、十分お悔やみの言葉として成立するのです。
本来、「愁」は物寂しさを意味し、「傷」は強い悲しみを意味します。
人を亡くすことによる大きな嘆きや悲しみを表す言葉です。
基本的なお悔やみの言葉の例文
お悔やみの言葉の一般的な例文をいくつか並べてみます。
①
このたびは、誠にご愁傷さまでございます。
心からお悔やみ申し上げます。
②
このたびは、思いがけないことでさぞかしお力落としのこととお察しいたします。
心よりご冥福お祈り申し上げます。
③
このたびは、本当に残念でなりません。
ご家族の皆様、どうぞお力落としのございませんように。
④
このたびは、思いもかけないことで、さぞお力落としのことでしょう。
お慰めの言葉もございません。
お知らせで本当に驚きました。
心からお悔やみを申し上げます。
例文を4つほど挙げましたが、どれが正解ということはありません。
自分の立場をわきまえ、自分の言葉で気持ちを伝えることが大切です。
しかし、短く端的に気持ちを伝えることは鉄則ですので注意してください。
通夜でお悔やみの言葉を述べることがほとんどですので、突然の訃報で驚いたことや故人のご冥福を祈る言葉と遺族への心遣いを伝えましょう。
故人との関係性によるお悔やみの言葉の例文
どのようなお悔やみの言葉を述べるのか、それはあなたと故人の関係性によってさまざまでしょう。
故人と遺族のさまざまな関係性に対し、どのように気持ちを伝えれば良いのか、どのような言葉を述べれば良いのか、それぞれ例文をまとめました!
夫・妻を亡くされた場合
①
このたびは、誠にご愁傷さまでございます。
ご主人様(奥様)のお元気な頃のお姿を思い出すと、悲しみで言葉もありません。
ご家族様の皆様には、一日も早くお心が癒えますよう、心よりお祈りいたしております。
②
このたびは、誠にご愁傷さまでございます。
ご主人様(奥様)の急なご不幸、さぞお力落としのことと存じます。
奥様(ご主人様)までご心労で倒れることのないよう、心よりお祈りいたしております。
夫を亡くした人は、長年連れ添った伴侶の訃報に大変心を痛めていることでしょう。
また、一家の大黒柱を失った家族の悲しみは大変深く、これからのことを考えると不安も大きいことでしょう。
妻を亡くした人には、家事などをする人がいなくなってしまい、慣れない自治上生活を前にして、悲しみとともに体調崩す人が多いといいます。
人生の伴侶に先立たれ、一人残される遺族の人の不安や寂しさを察することが大切といえます。
父親・母親を亡くされた場合
①
このたびはご愁傷さまでございます。
お父様(お母様)の訃報に接し、驚きと悲しみを深くしております。
ご家族の皆様の悲しみを思うとお慰めの言葉もございません。
一日も早く立ち直られますよう、お祈りいたしております。
自身の身に置き換えてみれば、親を亡くされた人の不安定な心の状態は、想像するのは難しくないでしょう。
あまり哀しみを増長させてしまわないよう、心がけることが大切です。
祖父・祖母を亡くされた場合
①
このたびは、ご家族の皆様さぞかしご無念のことでございましょう。
お察し申し上げます。
私にできることがありましたら何でもお手伝いいたしますので、何なりとお申し付けください。
②
このたびは、悲報に驚いております。
ご家族のお気持ちを思うと胸が痛みます。
心から哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
やはり親を亡くされた人と同じように、身近な人の死に大変心を痛めていることでしょう。
遺族の人を労わる気持ちが重要です。
子供を亡くされた場合
①
このたびはご愁傷さまです。
こんなことになるとは本当に残念です。
悲しくて胸が張り裂けそうです。
ご両親のお悲しみは計り知れないものでございましょう。
②
あんなに元気だったのに、まだ信じられません。
どうか気をしっかりとお持ちください。
故人である子供に対し、その死を悼み悲しむ気持ちはもちろんですが、上記の例文にもあるように子供を亡くした当の両親の悲しみは計り知れません。
生前の思い出を少しだけ添える形で、悲しみをあまり強調してしまわないように感傷的になり過ぎないよう心がけることが重要です。
それ以上に親身になって寄り添うような励ましの言葉がより大切といえるでしょう。
彼氏・彼女を亡くされた場合
①
何と申し上げて良いか、言葉もありません。
心からお悔やみ申し上げます。
私にできることがありましたら、何でもおっしゃってください。
彼氏や彼女という、これからのパートナーを亡くした人の気持ちを、理解しようとするそんな心の支えとなるような言葉がけが大切です。
友人を亡くされた場合
①
このたびはご愁傷さまでございます。
急なことでお慰めの言葉もございません。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
彼氏や彼女を亡くされた人と同じように、パートナーである友人を亡くされた人は大変辛いはずです。
その心を少しでもほぐすことができるような言葉がけが重要です。
また、あなたと遺族の人が親しい場合、
突然のことで言葉も見つからないけど、大変だったね。
私にお手伝いできるようなことがあったら何でもいってね。
というような、より親身になった伝え方をするのも良いかもしれません。
上司・部下・同僚を亡くされた場合
①
このたびは、思いがけないことでさぞかしお力落としのこととお察しいたします。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
上司・部下・同僚を亡くされた人に述べるお悔やみの言葉としては、上記のような基本例文を用いるのが良いとされています。
故人である上司・部下・同僚と遺族の人がどの程度親しい間柄だったのか、把握しておく必要があります。
それに合わせて、述べる言葉も変えましょう。
親戚の人を亡くされた場合
①
このたびは、誠にご愁傷さまでございます。
心からお悔やみ申し上げます。
親戚を亡くされた人に述べるお悔やみの言葉としては、上記のような基本例文を用いるのが良いとされています。
故人である親戚と遺族の方が近い親戚なのか、遠い親戚なのか、あるいはどれくらいの頻度で会っていたのか、どれくらいの期間会っていなかったのか、把握するのもいいかもしれません。
学校の先生を亡くされた場合
①
このたびは、思いもかけないことで、さぞお力落としのことでしょう。
お慰めの言葉もございません。
学校の先生を亡くされた人に述べるお悔やみの言葉としては、上記のような基本例文を用いるのが良いとされています。
恩師である学校の先生を亡くした人は大変心を痛めていることでしょう。
相手の気持ちになって、状況に応じた気遣いのある言葉がけが重要です。
状況に合ったお悔やみの言葉を述べる
お悔やみの言葉はあなたと故人の関係性、状況に合った自分の言葉を伝えることが大切です。
自分の立場をわきまえ、相手の気持ちを察し、短く端的に伝えることが重要です。
きちんとした形式を重んじることももちろん大事ですが、何よりも優先すべきなのは率直な気持ちを伝えることです。
万が一のときに備えて、常に感謝の気持ちを持っていれば、自然な言葉が出るのではないでしょうか。