突然の訃報に驚いたと思ったら、受付を依頼されて慌てた、というご経験はありませんか?
受付はお葬式の顔ですから、失礼のないように務めなくてはいけません。マナーを知らないと、遺族だけでなく参列者の方にもご迷惑となってしまいます。
今回は、そんな大事な受付係の内容や、マナーについて解説します。
葬儀の受付係はどのようなときになるの?
葬儀の受付係は、直系の遺族以外で、故人と縁があった人が務めることが多いものです。
同じ地域で暮らしていた親族や、仕事でのお付き合いがあった方が依頼されることがあります。特に年長者になるほど、様々な場面で受付係を頼まれる機会が多くなるでしょう。
受付係は遺族の代わりに参列者を迎える大切な役割なので、正しいマナーを身につけることはもちろん、来客に丁寧に対応する必要があります。
葬儀の受付のときの服装
受付係であっても、基本的には葬儀に参加するときと服装は同じです。
冬の場合、入り口付近は寒いことが多いのですが、上着やカイロなどで調整します。手袋はマナー違反です。
男性の場合は喪服
喪服が望ましく、靴やネクタイなどもすべて黒色のものにします。結婚指輪と時計以外のアクセサリーは付けません。
女性の場合も喪服が基本
基本的には喪服で、小物もすべて黒に統一します。アクセサリーは真珠が望ましく、一粒のイヤリングか一連のネックレスにします。お化粧は薄化粧に、髪はまとめ髪が好印象です。
動き回る可能性があるため、ヒールの高さには注意が必要です。高くても7cmまでにし、ピンヒールなどのよろけやすいヒールは避けましょう。
葬儀の受付をするときの流れ
葬儀の受付は、葬儀が始まる前から打ち合わせが必要です。
①事前準備
葬儀の進行の流れや、会場の席の配置、動線を把握します。当日になって混雑しないよう、案内の仕方は喪主の方と充分に打ち合わせてください。
参列者からは駐車場や化粧室の場所を聞かれることも多いので、わかりやすい案内ができるように練習しておくと良いでしょう。
受付には芳名帳と筆記用具を取り揃え、トラブルのないように数種類の筆記用具を複数用意します。基本は黒色の筆ペンを使いますが、誰でも使いやすいボールペンなどもあった方が便利です。
②参列者の受付・記帳
参列者が訪れたら、まずはきちんと挨拶をしてお香典を受け取ります。
お悔やみの言葉をかけてくれるので、遺族の代わりに弔問へのお礼の言葉を忘れないようにしてください。そののち、「お預かりします」と言ってお香典を両手で丁寧に受け取り、弔問客に向けて一礼しましょう。
お香典を受け取ったら、芳名帳への記帳をお願いしましょう。
参列者の氏名と住所を両方書いてもらうようにしてください。記帳が終わったら、葬儀の返礼品を渡します。
参列者が弔電やお供え物を持参している場合には、お礼を言ってから受け取り、受け取った品物についても記帳します。預かった弔電は、葬儀中に読み上げる進行係の人に渡しておくようにしてください。お供え物は葬儀社の方に頼み、祭壇にお供えしてもらいましょう。
③クローク・案内
受付にクロークがあれば、参列者の上着や手荷物などを預かっておきます。帰る際に返却することになるので、タグを付けると間違いがありません。
記帳などをすべて終えたら、参列者を葬儀会場へと案内することになります。会場内で迷ってしまうことがないよう、わかりやすく座席までの行き方を案内してあげてください。混雑を避けるために、スムーズに案内できるよう練習しておきましょう。
④受付が終わったら
一通り終わったら、今度は預かったお香典を会計担当の方に渡しておきます。基本的に、会計も受付の近くで行われていることが多いです。
お香典も渡し終えたら、遅れてきた参列者などに対応しつつ、式が終わるまで待機します。
葬儀の受付をするときの注意点・マナー
受付の際には、4つの注意点があります。基本的にはこれらに気を付けるだけでトラブルなく終えられますので、落ち着いて対応しましょう。
受付係を依頼されたら可能な限り引き受ける
遺族を含め、基本的には親族は葬儀に参加している必要があります。しかし、受付係は途中で席を外して葬儀に参加することができないため、親族以外の誰かが受付係を務める必要があるのです。
受付係を断ってしまうと遺族が困ることになりますので、可能な限り引き受けます。
言葉遣いや対応に気をつける
受付係は、遺族の代わりとなって参列者と接する役割です。できる限り丁寧にあいさつや案内をするようにしてください。
会場の外の道案内や、式の進行に関しての質問をされることもあります。このため、あらかじめ葬儀について一通り確認し、すぐに答えられるようにしておきましょう。
持ち物や身だしなみをしっかり
喪服を用意しておくことはもちろん、数珠やハンカチなど、葬儀に必要なものは忘れずに準備しておいてください。受付が何かを忘れてしまうと参列者全員に見られて目立つので、特に入念な準備が必要です。
お香典の扱いは慎重に
受付は参列者から多くの現金を預かることになるため、お香典が窃盗や紛失といった被害に遭わないよう、目を離さずにしっかりと管理してください。受付が終わったら速やかに会計担当に渡しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?受付を初めて任された方などは、不安になることが多いと思います。訃報から間もないことですので慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて喪主や葬儀社とよく打ち合わせをすれば大丈夫です。重要な役割を任されたと思い、ゆっくりと対応しましょう。